パパ泣いちゃうかも、心を込めて作った花束に 子どもたちがフローリストに挑戦
夏休みの子どもたちが、お花屋さんで1日働いた。最後にブーケ作り。誰にあげるの? 子どもの答えにおそらく、パパは泣いちゃったかもしれない。北九州市が推進する「こどもまんなか」の取り組みの一環で、市内の創業80年の老舗生花店を舞台に開かれた職業体験の一コマだ。
北九州市では、市内の企業・団体の協力を得て、夏休み期間に市内の約10カ所で子ども向けの職業体験を実施している。今年は黒崎の熊手商店街にある「安田生花店」がそのうちの一カ所。美しい花が並ぶ華やかな空間に8月1日、一日だけの「フローリスト」が緊張した面持ちで立った。
色とりどりの花に囲まれてブーケを作る華やかな姿は想像しやすいが、実際の仕事は市場から届いたばかりの花を一本一本チェックする選別や、鋭いハサミで茎を切り、水揚げをしやすくするせん定、そして顧客を気持ちよく迎えるための徹底した掃除などもある。子どもたちは、日ごろは見ることのない裏方仕事にも、真剣な表情で黙々と取り組んだ。
1日のクライマックスは、世界に一つのブーケ作り。「このブーケ、誰にあげるの?」というスタッフの問いに、「パパに渡すの。今まで、誰かのためにだなんて考えてお花を選んだことなかったから・・・ドキドキする」と女の子。心を込めて作った花束が、大切な人を思う「特別な贈り物」に変わった瞬間だった。
子どもたちを受け入れた安田生花店のスタッフは、「一日仕事なんて、途中で飽きてしまうだろうと思っていた」というが、「このお花は、ドライフラワーに向いてますか?」という質問に心打たれたという。子どもたちに、プレゼントした後まで考える優しさと想像力があったからだ。保護者にも、裏方の仕事まで体験できる貴重な機会だったと好評だ。
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