EY調査、インフラ業界におけるエージェント型AI活用に関するレポートを発表
~分断されたデータや組織をつなぐ「インテリジェンスレイヤー」が 生産性向上と意思決定高度化の鍵に~
■世界のインフラ業界では約64兆米ドルの資金不足に直面し、2050年までに約140兆米ドルの投資が必要。生産性向上が重要な課題に
■エージェント型AIが、分断されたデータやシステムをつなぐ「インテリジェンスレイヤー」として、意思決定の高度化と業務効率化を支援
■エージェント型AIの活用拡大に向け、説明責任、透明性、データ主権、人間による監督、レジリエンスの5領域からなるガバナンスフレームワークを提示
EYは、インフラ業界におけるエージェント型AI(Agentic AI)の活用可能性を分析したレポート『インテリジェンスレイヤー:エージェント型AIによるインフラ業界の変革』を発表しました。本レポートでは、世界のインフラ業界が直面する生産性課題や資金不足の現状を整理するとともに、エージェント型AIが既存システムやデータを横断的につなぐ「インテリジェンスレイヤー」として機能することで、意思決定の高度化や業務効率化に貢献する可能性を示しています。
世界のインフラ業界では、約64兆米ドルの資金不足に直面しており、この不足への対応や今後の社会インフラ需要に応えるため、2050年までに約140兆米ドルの投資が必要とされています。
EYは、このギャップを埋めるためには資金の確保だけでなく、限られた人員や資源でより大きな成果を生み出す生産性向上が不可欠であると考えています。今回の分析では、インフラ業界の生産性向上を阻害している要因はテクノロジー不足ではなく、システムやデータ、組織の分断にあることに着目しています。
近年、多くの組織がデジタルツールへの投資を進めてきました。しかし、その効果は個別プロジェクトや特定業務に限定されるケースも多く、業界全体の生産性向上には十分につながっていません。その結果、関係者間の調整や情報共有に多くの時間を要し、意思決定の遅延や手戻りが発生しています。
EYは、こうした構造的な分断こそが、インフラ業界における生産性向上を阻害する大きな要因の一つであると分析しています。こうした状況は手戻りや重複作業を招き、業界標準では、手戻り作業だけでも総プロジェクトコストの最大15%に達する可能性があるとされています。
本レポートでは、エージェント型AIを既存システムに置き換えるテクノロジーとしてではなく、組織内外に分散したデータやシステムを横断的につなぐ「インテリジェンスレイヤー」として位置付けています。
エージェント型AIは、従来個別に管理されていたデータやシステムを横断的につなぎ、リアルタイムで分析・推論を行います。これにより、関係者は必要な情報を迅速に把握し、より的確な判断を下すことが可能になります。さらに、システム間の連携を自動化することで、人手による調整や情報収集に費やされていた時間を削減し、より戦略的な業務への集中を支援します。
また、エージェント型AIは人間を代替するものではなく、人間の判断を支援する役割を担います。エージェントが大規模なデータ分析や情報整理を担う一方で、人間は専門性を生かした判断や意思決定、説明責任を引き続き担うことで、より高い価値創出が可能になると考察しています。
さらに、適切なガバナンスの整備が、エージェント型AIの活用を推進する上で重要です。エージェント型AIは組織やシステムの境界を越えてデータを活用するため、技術面だけでなく運用面や責任体制の整備も求められます。
インフラ整備に必要な意思決定の複雑性が高まる中でも、エージェント型AIの活用によって同じ人員体制でより多くの価値を創出できる可能性を本レポートにおいて示しています。具体的には、以下の5つの重要領域を中心としたガバナンスフレームワークを提示しています。
・説明責任と法的責任
・透明性と説明可能性
・データ主権と商業上の機密性
・人間による監督と能力
・システム全体のレジリエンス
EY Global Infrastructure Technology LeaderのSteve Lewisは次のように述べています。
「エージェント型AIが提供するインテリジェンスレイヤーは、自動化を超えた価値をもたらします。サイロ化されたデータの障壁を取り除くことで、深い分析、解釈、意思決定を可能にし、分断された情報を実行可能な示唆へと転換します。これにより、プロフェッショナルは管理業務の負担を軽減し、ガバナンスや交渉、関係構築など、より価値の高い業務に集中できるようになります。また、ケイパビリティが拡大する中で、一貫性のある意思決定を支えるガバナンスやデータ基盤の整備はこれまで以上に重要になります。今後は、政府や組織がこの新たな構造にどのように適応していくかが問われるでしょう」
『インテリジェンスレイヤー:エージェント型AIによるインフラ業界の変革』(日本語版)の全文は、こちらでお読みいただけます。
エージェント型AIはどのようにインフラのインテリジェンスレイヤーを創造するのか
※本ニュースリリースは、2026年5月6日(現地時間)にEYが発表したニュースリリースを翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。
英語版ニュースリリース: Agentic AI set to boost global infrastructure productivity
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