2025年大阪・関西万博:万博閉幕のイタリアパビリオン、来年のミラノ・コルティナ冬季五輪を見据える
2025年大阪・関西万博:万博閉幕のイタリアパビリオン、来年のミラノ・コルティナ冬季五輪を見据える
*大会の聖火トーチ、聖火ランナーのコストナー氏とカイローニ氏に引き継ぎ
【大阪2025年10月14日ANSA=共同通信JBN】2025年大阪・関西万博のイタリアパビリオンが幕を閉じ、万博の最終日に感動と象徴性、国の誇りに満ちたイベントで別れを告げました。
クロージングイベントは、感動的でシンボリックな引き継ぎの主役である公式トーチによって代表され、2026年ミラノ・コルティナ冬季オリンピック・パラリンピック大会への架け橋としての役割を果たしました。
それぞれ青系とゴールド系、軽量で玉虫色に輝く聖火トーチは、アントニオ・タヤーニ(Antonio Tajani)副首相兼外相も出席したイタリアパビリオンでの開幕式典で公開されました。
現在、トーチは聖火ランナーのカロリーナ・コストナー(Carolina Kostner)氏とマルティナ・カイローニ(Martina Caironi)氏に引き継がれ、イタリアへ戻る予定です。
建築家のカルロ・ラッティ(Carlo Ratti)氏によると、聖火トーチのデザインは「歴史上最も重要なものに含まれる、1960年代・70年代の日本のたいまつ」からインスピレーションを受け、「中心の炎」を引き立たせるために設計され、「余分なものは極限までそぎ落とされて」います。
2025年大阪・関西万博のイタリア政府代表(Commissioner General)であるマリオ・バッターニ(Mario Vattani)氏と在大阪イタリア総領事館のフィリッポ・マナーラ(Filippo Manara)総領事によって主催されたクロージングセレモニーには、2026年ミラノ・コルティナ冬季五輪・パラリンピック組織委員会(Milano Cortina 2026 Foundation)の最高経営責任者(CEO)であるアンドレア・バルニエ氏や、元フィギュアスケート選手の宮原知子氏、パラリンピックランナーの和田伸也選手など、日本のスポーツ界から特別なゲストが出席しました。イタリア陸軍音楽隊による演奏が行われ、ジュゼッペ・ベルディの楽曲やローマとナポリの伝統的な歌曲などのレパートリーで日本の観客を魅了しました。
バッターニ氏は「今日は特別な日であり、イタリアにとっての勝利でした」と語り、イタリアパビリオンが「美しさや展示内容だけでなく、イタリアの理念、チームとして協力し、未来のビジョンを提案する能力」が認められ、万博の「テーマ解釈(Theme Development)」部門で最優秀賞(金賞)を受賞したことを振り返りました。
イタリアパビリオンがこの賞を授与されたのは今回が初めてでした。
バルニエ氏は「2つの大きなイベント間の象徴的な引き継ぎ」について語り、「聖火トーチのジャーニーを始めるのに、万博以上に適した場所はあり得ません」と強調しました。
同組織委員会のバルニエCEOはまた、聖火は「人々を団結させ、社会をより良くする普遍的な価値観」を象徴していると述べました。
元フィギュアスケート選手のカロリーナ・コストナー氏は「トーチをイタリアに持ち帰ることに、とても感激しています」と語りました。
同氏は「もうすぐ、聖火をすべての州に運ぶリレーが始まります。それは国全体が誇りを感じる瞬間になるでしょう」と述べました。
パラリンピック選手のマルティナ・カイローニ氏もコストナー氏の発言に同意し、「スポーツと包摂性の価値を表すシンボル」は「開会式典まで手から手へ受け継がれる」準備ができていると語りました。
最後に、マナーラ総領事は、経済外交の手段としてのスポーツの戦略的価値を強調しました。
同総領事は「スポーツ外交は現在、成長外交の不可欠な要素です。それは、国のシステムの精神を具現化する忠誠心とチームワークという価値を表しています。そしてそのシステムは、年間7000億ユーロという野心的な輸出目標の達成に取り組んでいます」と言及しました。
一方、関西大学の若いスケート部員たちは、ジャコモ・プッチーニの「トゥーランドット」の音楽に合わせて、スケートリンクで演技を披露し、究極の感動に満ちた瞬間を演出しました。
それはイタリア文化へのオマージュであり、観客を熱狂させ、この素晴らしい冒険の最後のページを締めくくるものでした。
イタリアパビリオンの閉幕により、大阪・関西万博はイノベーション、芸術、スポーツを1つの物語として融合することができる国に別れを告げました。
そして次の舞台は、本国で開催される2026年ミラノ・コルティナ冬季五輪大会です。あの炎は、そこで同じく輝き続けるでしょう。
ソース:General Commissioner’s Office of Italy for Expo 2025 Osaka