2025年大阪・関西万博:バイオリニストのイウラート氏、プニャーニほかピエモンテの曲目で大阪を魅了
2025年大阪・関西万博:バイオリニストのイウラート氏、プニャーニほかピエモンテの曲目で大阪を魅了
*満席の大阪市中央公会堂コンサートでスタンディングオベーション
【大阪2025年10月6日ANSA=共同通信JBN】トリノ出身のバイオリニスト、マウロ・イウラート(Mauro Iurato)氏が出演し、アルゼンチン出身の鍵盤奏者、パブロ・エスカンデ(Pablo Escande)氏が伴奏を務めた「Expo Friendship Concert(大阪・関西万博友情コンサート)」が大阪市中央公会堂で開催され、観客はスタンディングオベーションで迎えました。
2025年大阪・関西万博の一環としてピエモンテ州が主催したこのイベントのチケットはわずか数日で予約上限に達し、コンサートホールは国内外の観客で満席となりました。
ピエモンテ州知事アルベルト・チリオ(Alberto Cirio)氏、在大阪イタリア総領事フィリッポ・マナーラ(Filippo Manara)氏、ピエモンテ州文化・機会均等・青少年政策担当評議員のマリナ・キアレッリ(Marina Chiarelli)氏など、多くの関係当局の代表者が出席したことで、このイベントの重要性が強調されました。
このコンサートは、トリノに端を発するバイオリン技巧の源流をたどるジャーニーを表現したもので、17世紀から19世紀にかけてのピエモンテ楽派の偉大な巨匠である、ソミス(Somis)、ルクレール(Leclair)、プニャーニ(Pugnani)およびビオッティ(Viotti)にオマージュを捧げるプログラムでした。
イウラート氏が演奏に使用したのは、1700年代にトリノで最も有名なバイオリニストで、トリノ市のRoyal Orchestra(宮廷楽団)の指揮者も務めたジョバンニ・バッティスタ・プニャーニ(Giovanni Battista Pugnani、1731-1798)が所有していた卓越したバイオリンでした。
「これは単に古い時代の楽器ではなく、今も生き続ける歴史の一部なのです」とマエストロは語りました。
「プニャーニのバイオリンで彼の音楽を奏でるたびに、音を通して記憶が呼び覚まされるような感覚を覚えます」
この企画は、Foundation Compagnia di San Paolo(サン・パオロ財団)の支援を受け、州が推進するもので、トリノと大阪が共同で進める長期的な文化プロジェクトの一環です。
チケット予約システムは、一般の人々が印象や期待について書き込めるプラットフォームを通じて運営されていたことから、特に関心を集めました。
イウラート氏は「参加者のみなさまに、なぜこのコンサートに来ようと思ったのか、そしてコンサートについてどう感じているかを尋ねました」と説明しました。
「最も多かった回答は、イタリアは『全力を尽くした』というもので」、日本のみなさまは「私たちがこの大阪・関西万博に捧げてきた献身的な関与と熱意を理解し、両国間のコミュニケーションの架け橋になっていることに感謝してくれました」
この夜の成功は、9月28、29、30日に2025年大阪・関西万博のイタリアパビリオンで開催された3つのプレイベントでイウラート氏が演奏した一連の流れの一部です。
中央公会堂でのプログラムでは、アルカンジェロ・コレッリ(Arcangelo Corelli)とアントニオ・ビバルディ(Antonio Vivaldi)に師事した後にトリノ楽派を創設したジョバンニ・バッティスタ・ソミス(Giovanni Battista Somis)のソナタ、フランスのスタイルとピエモンテの伝統を優雅に融合させたジャン・マリー・ルクレール(Jean-Marie Leclair)のバイオリンソナタ・ニ長調など、まれに見る精緻な演奏の音楽が披露されました。
聴衆は、情熱と超絶技巧がにじみ出るプニャーニのソナタも堪能し、そしてグランド・フィナーレを飾ったのは、ジョバンニ・バッティスタ・ビオッティ(Giovanni Battista Viotti)のバイオリン協奏曲第22番でした。この珠玉の傑作はフランスの近代バイオリン楽派の誕生に影響を与えました。
文化への多大な貢献によりイタリア共和国功労勲章騎士章(Knight of the Order of Merit of the Italian Republic)を授与されたイウラート氏にとって、日本での経験はキャリアの自然な流れでした。このトリノ出身の音楽家は、すでに日本の名門オーケストラのゲスト・コンサートマスターとして出演を重ねており、今日ではアジアでのピエモンテの音楽レパートリーを促進する上で重要な役割を担っています。
同氏は「ここでのコンサートはいずれも、単に音楽にとどまらず、互いを認め合い、相互の誠意に支えられた文化間の対話なのです」と強調しました。
「私が携えるバイオリンは、ガット弦と時代の痕跡をまとい、連続性の物語を語っています」
イウラート氏は「そして、この連続性こそが、大阪・関西万博における私たちの使命の鍵だと信じています。すなわち、伝統に新たな命を吹き込み、それを未来へとつなぐことです」と締めくくりました。
ソース:General Commissioner’s Office of Italy for Expo 2025 Osaka