2025年大阪・関西万博:ヤゴがイタリアパビリオンの主役に
*ミュレ代議院副議長、作品は「示唆に富んでいる」と述べる
【大阪2025年9月17日ANSA=共同通信JBN】2025年大阪・関西万博のイタリアパビリオンで展示されているヤゴ(Jago)の傑作「Apparato Circolatorio(循環器系)」は、調和して鼓動する30個の異なる心臓で構成されています。
ヤゴはオーディトリアムで開催されたイベントで、自身の作品について語りました。このイベントには、ジョルジオ・ミュレ(Giorgio Mule)代議院副議長ならびに2025年大阪・関西万博のイタリア政府代表(Commissioner General)であるマリオ・バッターニ(Mario Vattani)氏も出席しました。
2017年に制作されたこの作品は、目に見えないものに形を与えるために、芸術と技術を結びつけた研究の成果です。ヤゴは粘土で心臓を作り、その動きをデジタル化して3次元アニメーションにし、そこから30のフレームを取得しました。各フレームは個別にエナメル加工された陶器の心臓となり、全ての心臓は完全な心周期を形成しています。
円形に配置された30個の彫刻が視覚的かつ象徴的なループを描き、ビデオがインスタレーションを完成させます。
このイベントの司会はイタリアパビリオンの文化部門代表ロッセラ・メネガッツォ(Rossella Menegazzo)氏が司会を務め、作品とその意義、万国博覧会における芸術と文化の重要性について議論が交わされました。
バッターニ氏は「イタリアウイークは、私たちのナショナルデーも含まれた特別なウイークでしたが、これで事実上の締めくくりとなります。ここにヤゴ氏の出席をいただけたことは、本当に素晴らしいことです」と強調しました。
バッターニ氏は「この大阪・関西万博は未来の社会について語るものです。そしてデジタルと人工知能が最も話題となるツールになった世界において、それとは一線を画し、違いを生むのは発明の真正性であり、それは文化的な文脈の中にのみ存在し得えるものです」と振り返りました。
こうしたことから、同氏は「このパビリオンの成功は文化の勝利です。しかしイタリア文化の勝利ではなく、入場するために5‐6時間待ち、本物の芸術作品を体験し、さまざまな感想を持ってこの場所をあとにした、すべてのビジターと共に成し遂げた、文化全体の勝利です」と付言しました
ジョルジオ・ミュレ副議長も、この考え方について、「このパビリオンでは文化が創出されました。それはあらゆる形で表現された文化です。というのも、天性とは手仕事のスキルの中にあり、天才は手作業のスキルの中で最も素晴らしい形を見出すからです」と強調しました。
ミュレ氏は、ヤゴは「過去のものを自然な連続性で受け継いでいます」と回想し、「今年6月26日以来、ヤゴは彼のインスタレーションの1つである『Look Down』を展示し、世界的な成功を収めています」とし、それを主催している代議院とヤゴとのつながりについて述べました。
ミュレ氏は、この作品には「内的にも外的にも、計り知れないほど大きな意味があります。それは、まさにこの巨大な子どもは、無関心の中において、私たちの良心を今日でも揺さぶるものとは何かについて見つめるよう、私たち全員に問いかけています」と述べました。
この作品は、「イタリアパビリオンで展示されたApparato Circolatorioとともに、誰かに注意を向けること」を私たちに伝え、「文化を超えた非常に政治的なメッセージを発する芸術の力」を示しています。
大阪・関西博覧会で展示された30個の心臓はそれぞれ、「これらの有名な鼓動を通じて、『なぜ』心臓は栄養を得て生命を生み出す能力を持つまでに鼓動するのかと私たちに問いかけます。つまり、芸術が生命を再生するならば、生命こそが芸術を再生するのです。生命は私たちを動かし、考えさせる原動力として働く能力を持っています」
ヤゴは「まるで地球の反対側で、すっかり成長したわが子を見つけ、彼を手放して良かったと理解する親のような気持ちです。なぜなら、この場合、彼はまさに宝箱のような環境の中で、絶対的な傑作とコミュニケーションを交わしているからです」と強調しました。
「親として私が彼に与えた唯一のアドバイスは、自分より優れた人々に囲まれるようにということでした。そして彼はそのアドバイスに従ったのです」と、創造者であるその芸術家は語りました。
さらにヤゴは次のように述べました。「最初のプロジェクトは私に深い影響を与えました。そして数カ月後の今、まさにその中に身を置くことはさらに素晴らしいと感じています」
「通常、プレゼンテーションの方が最終的な効果より優れているものですが、ここではまったく逆です」
ソース:General Commissioner’s Office of Italy for Expo 2025 Osaka