働く女性の“第四の居場所”目指す、自分と向き合うコミュニティ「Fourth(フォース)」
家庭(ファースト)、職場(セカンド)、そしてスターバックスのようなリラックスして過ごせるサードプレイス。その次に来る「第四の居場所」、すなわち働く女性が自分と向き合うための場として立ち上げられたコミュニティが「Fourth(フォース)」だ。運営するNewMe株式会社の共同代表の篠原さくらさんと笹川友里さん、そしてメンターとして参加するインフロレッセンス株式会社CEO井川沙紀さんに、Fourthの誕生の背景と目指す姿について聞いた。
▼働く女性が求めていた“横のつながり”

「Fourth(フォース)」を運営するNewMe株式会社共同代表の篠原さくらさん
–立ち上げのきっかけは?
篠原 NewMeでは年間20回ほど、キャリアとライフをテーマにしたイベントを続けてきました。イベント後も、参加者同士が残って話し込んだり、二次会へ行ったり。働くことに意欲的な人が集まることで、自然と横のつながりが広がっていました。それを形にしたのがFourthです。家庭、職場、サードプレイスに加えて、「自分と向き合う第四の居場所」が必要だと考えたことが始まりでした。
笹川 コミュニティの立ち上げには起業当初から興味がありました。仕事が大好きで、全力で頑張っている人たちが集まると、テーマが何であっても会話が尽きない。すごい熱量で話が盛り上がっていたんです。
–Fourthはどんなコミュニティ?
篠原 女性が自分と向き合うには、「横のつながり」と「ちょっと先を行くロールモデル」の両方が必要だと思っていました。
笹川 Fourthは参加者、メンター、ナビゲーター、運営の四者で成り立ち、それぞれが能動的に関わることで全体が活性化する設計になっています。11月にコミュニティを立ち上げて間もないですが、食事会や交流イベントをすでに複数回開催しています。
篠原 FourthのコミュニケーションツールであるSlackでは日々いろんな情報交換をしています。仕事の学びを共有するチャンネルから、手土産、時短料理、海外で働く人の近況、妊活、子育てまで。価値観の近い人の意見は参考になりやすいので、おすすめ情報をリスト化して後から見られる仕組みも整えています。NewMeで開催するイベントのアーカイブ視聴ができるのも特徴です。
笹川 参加者が日本中にいて、海外在住の方も想像よりも多いため、離れていても楽しんでいただきたいという思いで、会員限定のポッドキャストも配信しています。

「Fourth(フォース)」を運営するNewMe株式会社共同代表の笹川友里さん
–コミュニティづくりで大事にしたことは?
篠原 Fourthに入っていただくことでキャリアや人生について自然と考えるきっかけが生まれ、さりげなくヒントを得られるような、堅苦しすぎず日常にスッと溶け込む存在でありたいと思っています。ワークショップや授業のようなものが盛んで勉強になるコミュニティも素晴らしいけれど、毎日レポートを読んだり書籍を追ったりするのは負荷がかかることも。Fourthはキャリアもライフも充実させたい方が多く、そうした感覚が、他のコミュニティとの違いになればと考えています。
笹川 Fourthの醍醐味は、個性豊かなキャリア・経験を持ったメンター陣との交流だと思っています。女性は人生の中で様々なロールモデルを自然と自身でキュレーションしながら生きている方も多いと思います。私たちが憧れる、しなやかで、キャリアもライフもどちらも大切にしている13人の方にお願いしています。篠原とよく話すのですが、私たちは“先輩運”があると思っていて、井川さんもその一人。TBSラジオの取材でお会いし、「なんて素敵な方なんだろう」とすぐに意気投合。その後、Fourthの構想をお伝えしたところ共感してくださり、メンターとして参加していただけることになりました。
▼ちょっと先を行くロールモデル

「Fourth(フォース)」のメンターを務めるインフロレッセンス株式会社CEO井川沙紀さん
人材派遣会社で留学・旅行事業などの新規プロジェクトに携わった後、ブランドマネジメントを手がける企業にてアメリカ発の複数の飲食ブランドの日本展開を支援してきた井川沙紀さん。その後、アメリカのスペシャルティコーヒーブランドBlue Bottle Coffee(ブルーボトルコーヒー)の日本法人に初期メンバーとして参画し、日本代表・アジア責任者・米国本社のブランド統括を務めた。
–井川さんは、メンターとしてどんな役割を果たしたいですか?
井川 ロールモデルというとおこがましいのですが(笑)。私は、大学時代から経営者志望でトップ営業として走り続けてきたような“アグレッシブなタイプ”とは全く違うんです。どちらかというと、目の前のことに丁寧に向き合っていたら今に至った、という等身大の“普通の人”。だからこそ、参加者とは共感し合える部分も多く、遠すぎて手が届かないのではなく身近なロールモデルとして、お話しできることやお力になれることがあるのではと感じました。

「Fourth(フォース)」を運営する笹川友里さん(左)とメンターの井川沙紀さん
井川さんのマネジメントの特徴は、“自然体で信頼をつくる”スタイル。上下ではなく「対話と伴走」を重視し、メンバーの強みを見つけ、任せ、引き上げる。できないことは正直に共有し、課題はチームで解決するというオープンさが、組織の結束とブランドの成長を後押ししてきた。
笹川 数年前にブルーボトルコーヒーの配信イベントで井川さんと仕事をご一緒した時(当時、井川さんはブルーボトルジャパン代表)、世の中には、ストロングスタイルとか、いろんなマネジメントがありますが、ここまで人として尊敬できて、ついていきたくなるリーダー像ってあるんだと感動したんです。井川さんが離れる時には、皆さん涙したほどで、今の時代らしいリーダー像を体現されていると思いました。現代の女性たちの背中を押してくれる、存在自体が勇気を出させてくれると思ったんです。ちなみに、コミュニティ運営のご経験は?
井川 コミュニティ運営は初めてですが、ポッドキャストを続けていて、次の3月で5年になります。女性経営者の友人と直面する課題や過去の経験を語る中で、面識のない方から質問が届いたり、オフ会でそのまま話し込んだりと横のつながりが生まれていました。その経験から、女性は、同じ志を持つ人とのつながりを求めているのだと実感しました。キャリアインタビューでも、仕事の話以上に人生観に共感してくださることが多くて。女性は、仕事だけでなくさまざまなライフイベントを迎えるからこそ悩みも選択肢も多い。そうした思いを気兼ねなく話せる仲間がいる場所は、とても心強い存在になると思います。
▼副業未満でポジティブエネルギーを発散
2026年2月23日(月・祝)に開催するNewMeの国際女性デー先取りイベント「キャリアとライフを、もっと自由に考える1日―AI時代のワークイン・ライフ―」では、井川沙紀さんが日本の正規代理店を務めるMinor Figures(マイナーフィギュアズ)のオーツミルクを使った企画を予定している。オーツミルクは「第3のミルク」として世界で浸透し、日本でも健康志向や環境意識の高まりから需要が拡大。中でもロンドン発のMinor Figuresのオーツミルクはユーモラスなパッケージデザインや音楽・アートとのコラボレーションなど、「カルチャーを発信するオーツミルクブランド」として知られる。
笹川 私自身もブランドのファンでもあるので、オーツミルクを日常でどう楽しめるのか、実際の使い方を来場者に体感してほしいと思っています。
井川 コミュニティに参加するからには、ただメンターとして座っているだけではもったいない。文化祭のようにみんなで一緒に作り上げる取り組みができないか提案しました。ビジネスコンテストほど重くなく、「このプロダクトのプロモーションを一緒に考える」くらいなら参加しやすい。PR出身として、認知の低いカテゴリーの商品を盛り上げるために、皆さんのアイデアを聞いてみたいという思いもありました。単に人に会うとかパーティーに参加するだけでなく、一緒にビジネス的な取り組みもできたら、さらに活動の幅が広がると思ったんです。
笹川 メンターとのこのような取り組みとしては、井川さんが初めてで、今後もイベントにただ参加するだけでなく、“頭も心も満たされる体験・ここでしかできない経験”を提供していきたいと思っています。皆さん、「副業未満でも何かしたい!」というエネルギー量がすごいので。
篠原 実際、転職を考えていない大手企業の方でも、社外とのつながりや本業以外にも自分の力を発揮できる場を探している方は多いです。企業とのタイアップでアンケートをお願いすると、驚くほど熱量高く意見を書いてくださったり。商品やサービスに“課外活動”的に関わりたい方、エネルギーを持て余している方が全体的に多い印象ですね。
▼長くゆるく自分と向き合い続けて

(左から)笹川友里さん、井川沙紀さん、篠原さくらさん
–Fourthが提供したいことはズバリ?
篠原 自分と向き合う方法は、一人で考えたり、コーチングを受けたり、周りに相談したりといろいろあると思います。もちろんそれも有意義で、私もコーチング受けた時はお願いした半年間はすごく意識が高まりましたが、その後なかなか自分に向き合う時間が続かなかった。でも本来は、絶えず自分を振り返り、より良い方向に納得したり、「今はこういうフェーズなんだ」と受け止めながら進むことが大切だと思っています。そういう意味で、必ずしもエグゼクティブコーチでなくても、メンターやコミュニティのメンバーと日々交流しながら自分と向き合っていくことは、すごく価値があると感じています。第四の居場所として、深く関わってくださる時期があってもいいですし、ゆるく眺めているだけの時期があってもいい。“継続して自分と向き合う習慣”を作れる、自分のペースで長く関われる場にできたらと思っています。
–参加者はどういう人?
笹川 初回の一次応募では150人で区切らせていただきましたが、現在は体制を整えながら、枠を広げる準備をしています。参加者の年齢は20〜40代中心。なかでも25〜35歳が一番多いとは思います。共通しているのは、仕事に本気で向き合い、人とのコミュニケーションや自分を高めるための情報共有が好きなこと。職業は本当に多様で、先日の30人規模の食事会では、医師、家業を継ぎ奮闘されている経営者、外資投資銀行の若手、大手企業で部長として活躍する方など、本来ならお互いに出会わないような方々ばかりでした。同世代で「仕事が好き」という共通点があるので、皆さん勝手に盛り上がっていました。
–コミュニティに入る条件は?
篠原 特別な条件はなく、簡単なアンケートに答えていただくだけです。産休中や育休中の方ももちろん大歓迎。「仕事を軸にしながら、人生を豊かにしていきたい」という気持ちがあれば十分です。再入会は制限していますが、入るハードルは高くありません。今は、私たちが30代半ばなので30代中心ですが、年代ごとに抱える悩みが多様化するからこそ、ゆくゆくは幅広い年代を網羅できたらいいなと思いますね。
–最後に、これからの意気込みを。
篠原 これまでの経験から、人生の豊かさはどれだけ質の高い出会いがあるかで変わると感じています。出会いの質、出会える人を広げていくだけで、人生の可能性は広がるけれど、大人になると、新しい出会いは自分から行動しないと年々得られなくなります。少しでも「仕事が好き」と思えるなら、きっと人生を豊かにするきっかけになると思う。そんな場を作れるように頑張ります。
笹川 女性のキャリアにまつわる事業に取り組む中で、コミュニティの必要性を強く感じて立ち上げたのがFourthです。実際に自分自身、金曜の夜、疲れ果てて地を這うようにFourthのイベントに参加すると、終わる頃にはなぜかすごく元気になっているんです。人が集まったり会話で発散したり、リアルってすごくいいなと、コロナ以降ますます実感しています。私たち自身も楽しみたいですし、孤軍奮闘して働く方たちにもぜひ参加いただきたい。ポジティブなエネルギーが連鎖していく場に育てていきますので、ぜひ見守っていただけたらうれしいです。
井川 コミュニティでのメンターは初めてですが、これまで、多くの方と交流させていただいた経験を生かし、いろんな悩みや迷いを少しでも柔らかく解きほぐせたらと思っています。勉強会みたいなプロジェクトを通じて、皆さんの余っているエネルギーが発散できる場をつくっていきたいと思っていますので、ご一緒できるのを楽しみにしています。
▶︎ イベント「キャリアとライフを、もっと自由に考える1日―AI時代のワークイン・ライフ―」の詳細・参加申込みは、NewMeサイト内で。
※本記事は、NewMe との連携企画です。















