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水素エネ船で会場へ、万博の未来型モビリティー 電気バスや空飛ぶクルマのデモ飛行も

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2025年日本国際博覧会協会

大阪・関西万博には、まだ世の中で一般的でない未来型のモビリティーが数多く登場する。電車やバスのほか、水素エネルギーで動く「水素燃料電池船」が会場へのアクセスとして利用でき、場内では、電気バス(EVバス)や最新のパーソナルモビリティーが動く。自動車のように空中を移動する「空飛ぶクルマ」もデモ飛行するので、上空のチェックを忘れないで。

「万博を盛り上げ、水素エネルギーの魅力を世界に発信したい」。岩谷産業が「動く海上のパビリオン」として開発したのが、水素燃料電池船「まほろば」だ。ディーゼルなどが燃料の従来船と異なり水素から発電する電気を使うため、二酸化炭素(CO2)が出ない。においや音、振動も極めて少なく、スイスイ、スーッと、静かに進むのだ。

全長33メートル、全幅8メートルの2階建て水素燃料電池船「まほろば」の定員は150人(提供:岩谷産業株式会社)

ガラス張りの1階にはソファ、テレビ、スクリーンのほか、バーカウンターもあり、この先イベントも計画されている。2階は風が吹き抜ける展望スペースと操舵室(提供:岩谷産業株式会社)

「まほろば」が予定する運航ルートは、大阪中心部の中之島からユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)があるユニバーサルシティポートを中継点に、万博会場の夢洲まで。このルートで中之島からJRの鉄道橋をくぐり、ユニバーサルシティポートに着くまでは約30分。夢洲までは、ここからさらに約30分、天保山大橋の下を通り抜け、水族館「海遊館」を眺めながら向かう。
4月7日時点では、ユニバーサルシティポート~夢洲間と、ユニバーサルシティポート発着の周遊コースのチケットが発売中だ。

「まほろば」の運航ルート計画。中之島~ユニバーサルシティポート間は、4月7日時点で調整中

デザインを担当した世界的カーデザイナー・山本卓身さんが表現したのは「未来に向けて海上を颯爽と駆け抜ける神獣」。「外からも中からも移動自体をアトラクションとして楽しんで欲しい」という。

■空飛ぶクルマ、3陣営がデモ飛行

少人数の定員で自動車のように乗り込み、電動で空中を移動できる「空飛ぶクルマ」。万博会場では、夢の乗り物のデモフライトも。万博に合わせ、オリックスが会場内に空飛ぶクルマの離着陸場(EXPO Vertiport)を整備し、会期中、運営をする。

夢洲会場内にオリックスが整備した空飛ぶクルマの離着陸場「EXPO Vertiport」(提供:オリックス株式会社)

デモフライトを行うのは、丸紅、スカイドライブ(愛知県)、ANAホールディングスと米ジョビー・アビエーションのグループの3陣営だ。

丸紅は英Vertical社「VA1-100(VX4)」(写真、航続160キロ・定員5人)と米LIFT社の「HEXA」(航続25キロ・定員1人)を運航(提供:丸紅)

スカイドライブの「SD-05」は航続15キロで定員は3人(提供:SkyDrive)

ANAホールディングスと米ジョビーの「Joby S4」は航続160キロで定員5人(提供:Courtesy of Joby Aviation. (c) Joby Aero, Inc.)

飛行ルートは、2種の機体を飛ばす丸紅が夢洲会場ポート内と、夢洲~尼崎フェニックス(兵庫県)にあるポートの2地点間。スカイドライブは夢洲~大阪港の2地点間もしくは夢洲ポート内、ANAホールディングスと米ジョビーのグループは、夢洲を拠点に湾岸周辺を周回飛行する。見逃さないように、空を見上げてほしい。
時期は、丸紅が開幕日から6月初旬までの「HEXA」の夢洲会場ポート内での飛行日程を発表。同じ機材で7月中旬にも計画している。丸紅の「VA1-100」による尼崎フェニックスとの2地点間飛行は10月の約2週間で調整中だ。スカイドライブは7月中旬から8月下旬の約1カ月半、ANAと米ジョビーは9月下旬から閉幕日までを予定する。
搭乗の臨場感を体験したい人は、万博会場内(大屋根リング内のエンパワーリングゾーン)の「空飛ぶクルマステーション」へ。日本航空が提供する前面・左右側面・床面の4面スクリーンがある「没入体験型シアター」で、実際に空飛ぶクルマに乗っているような映像や立体音響、振動を感じることができる。

空飛ぶクルマに乗っているような体験に没入できるイマーシブシアターのイメージ(提供:日本航空株式会社)

■ロボットモビリティーとも出会える?

陸上では、夢洲西端の「風の広場」~「西ゲート」間の外周道路約4.8キロを、電気バス(EVバス)「e MOVER(イームーバ-)」が走る。全30台ほどの中には、走行しながら充電できる「走行中給電システム」タイプや、自動運転システムによって全ての運転操作ができるタイプもある。色々体験してみよう。
ロボットエクスペリエンスでは、人工知能(AI)を活用したスーツケース型のロボット「AIスーツケース」が登場。視覚障害がある人の利用を想定して開発された次世代モビリティーで、利用者がインプットした目的地まで障害物や歩行者を避けながら案内してくれる。
パーソナルモビリティーでは、長時間歩くのが難しい人をサポートする時速4キロの電動カート「e-SNEAKER」も。リチウムイオン電池を搭載し、接触時の停止機能もついている。

■駐車場やシャトルバスは予約を

今回の万博では、想定される総来場者数は2820万人。1日で最大22万人超をスムーズに受け入れるため、自家用車で直接入ることはできない。主要ルートは、▽大阪メトロ中央線▽主要駅からのシャトルバス▽会場周辺3カ所の指定駐車場に車を止め、シャトルバスに乗る「パーク・アンド・ライド(P&R)」――の3つだ。

比較的スムーズに入場できる西ゲートにアクセスする駅シャトルバス、P&Rシャトルバスは、電子チケットと連動した事前予約が必要なので忘れずに! 海路もある。旅客船は夢洲北岸浮桟橋に到着後、利用者専用の「船シャトルバス」に乗り換えて会場へ。フェリーの場合は、阪神港の各フェリーターミナルに到着後、各事業者が手配するシャトルバスや公共交通機関に乗り換えて会場に向かおう。詳しい情報はココから。

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