鈴木福「これほどいろんな人に見てもらいたいと思う映画は初めてかもしれません」『ヒグマ!!』【インタビュー】
-この映画の対象はクマですが、『ジョーズ』(75)のようなモンスターパニック的なテイストもありますね。
そうですね、監督とプロデューサーも含めてすごくいいチームで、みんなの映画への愛がふんだんに注ぎ込まれた映画になっています。映画好きの人が見ても、そこからにじみ出てくる愛を感じるような作品になっていると思います。
-クマはCG処理ですか。
8割が造形で2割がCGです。ほとんどの場合、人が入っています。ただ造形だと分かっていても、近くで見ると怖さを感じました。クマは現実にいるものだからというのは絶対にあったと思います。
-円井わんさんや宇梶剛士さんとの共演はいかがでしたか。
一観客として見ても、お二人ともすてきなキャラクターだと思います。ほかのキャラクターも、全員が出るべくして出てくるもので、それぞれが役割を全うしていて、誰一人欠かせないピースになっているところがすごくすてきだなと思います。わんさんは抑えたというか、落ち着いたトーンのツッコミ役ということで、お客さんも共感してくれるところがたくさんあると思います。また、宇梶さんが演じたハンターが、ストーリーの中にすごく大きな動きを与えてくれたと思います。本当にかっこいい方です。
-監督とはディスカッションをしましたか。
もちろんシーンごとの動きの指示はありましたし、ヒグマと対峙するシーンでは、こういう表情を見たいというのも伝えてくださいました。ただ、特に話し合わなければできなかったところもなく、監督の見たいものと僕がやってみたいことを同じ方向に向けていったので、撮影はすごくスムーズに進みました。
-完成作を見た印象は。
自分が思っていたよりもさらに面白くなっていました。エンターテインメントでありながら、ヒグマの恐ろしさや、闇バイトという社会的な問題を描く意義も感じられる。そこに僕らや監督、プロデューサーが伝えたい思いもしっかり乗っている。今だからこその作品になっていると感じました。僕の小学4年生の妹も試写を見て、ヒグマが怖いと言っていました。それぐらい強烈な怖さがあるにもかかわらず笑いや感動のポイントもある。本当に大好きな映画です。
-今、現実にクマによる被害が大きな騒動になっていますが、そういう時期にこの映画が公開されることをどのように感じていますか。
この映画の企画をもらった時は、ニュース番組で闇バイトの話題が絶えない時期でした。そうしたら今度はヒグマの話題が絶えなくなって…。それは、結果的には時局を捉えたというよりも先見の明があり過ぎたということになるのかもしれません。でも、僕たちがやったことは、決してそれをちゃかしたわけではありませんし、被害に遭われた方に対するお見舞いの気持ちは欠かさず持っています。ただ、監督はフィクションとして見られる工夫をしていると思いますし、リアル過ぎないところがこの映画の良さにもなっていると思うので面白く見られると思います。映画ってそういうものだと思いたいです。
-最後にこれから映画を見る観客や読者に向けて一言お願いします。
エンタメとして楽しめる映画でありながら、社会問題を表しているところもあります。先ほど誰かに話したくなる映画だと言いましたが、本当にその通りだと思います。この映画を見たら誰かに話をしたくなる。そんな話題の種になってくれたらうれしいです。それから間違いなく映画館で見てこその映画だと思います。
(取材・文・写真/田中雄二)

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