ファーストサマーウイカ「それぞれの立場で“親と子”という普遍的なテーマについて、感じたり語り合ったりしていただけたらうれしいです」日曜劇場「19番目のカルテ」【インタビュー】
TBSでは毎週日曜夜9時から、松本潤主演の日曜劇場「19番目のカルテ」が放送中。富士屋カツヒトによる連載漫画『19番目のカルテ 徳重晃の問診』(ゼノンコミックス/コアミックス)を原作に、「コウノドリ」シリーズ(TBS系)の坪田文が脚本を手掛ける、19番目の新領域・総合診療医を描くヒューマン医療エンターテインメントだ。卓越したオペ技術と華麗な経歴を持つ心臓血管外科医の茶屋坂心(ファーストサマーウイカ)は、魚虎総合病院の看板医師。しかし、その素顔はベールに包まれており、プライベートについては誰も何も知らないミステリアスな人物だ。8月17日(日)放送の第5話では、そんな茶屋坂の母・愛(朝加真由美)が、重篤な状態で病院に救急搬送されたことをきっかけに茶屋坂の心身に異変が起きる。茶屋坂を演じるファーストサマーウイカに、役作りや共演者とのエピソードのほか、第5話の見どころを語ってもらった。

(C)TBSスパークル/TBS(撮影:加藤春日)
-原作、脚本を読んだ時の印象は?
もともと原作漫画は読んでいて、ポップで個性豊かな登場人物たちの中でも、茶屋坂先生は特に癖が強く、魅力的なキャラクターだと感じていました。なので今回こうして役を頂いてとてもうれしかったです。ドラマの脚本では、生身の人間が演じることで生まれるであろう感情の揺れ、細やかな心の動きが、総合診療科が掲げる「病気ではなく人をみる」というテーマを、より温かみをもって伝えられるのではないかと感じました。脚本に描かれている茶屋坂先生は、ちゃめっ気がありひょうひょうとした一面はそのままに、原作に比べてよりクールで、天才的な部分が強調されているように思います。原作と脚本、それぞれで描かれるキャラクターのバランスが、自分の体を通して“ちょうどいいあんばい”に着地できたらいいなと考えました。
-“天才心臓血管外科医”の茶屋坂を演じるに当たって準備したことはありますか。
まずは脚本に出てくる病名や手術の方法が「どんな病気で、どういった手術が行われるのか」を把握しました。今は便利な時代で、動画サイトなどに実際の手術映像もたくさんあるので、同じ術式の動画を探して撮影直前までずっと見ていました。手術シーンは事前に別日に医療リハーサルがあって、リハで手元の動きは練習できるのですが、それだけでは補いきれない部分もあるので、撮影が本格化する少し前から、医療関係者の知人を訪ねて施設を見たり、外科の先生の話を聞かせてもらったりしました。あと、天才がやりそうなクランプの持ち方を調べて、監修の先生に相談しながら練習しました(笑)。
-役作りで特に意識したことはありますか。
物語が進むにつれて、茶屋坂先生のバックボーンや現在の状況が徐々に明らかになっていくので、台本をもらうたび「そうなの!?」と驚かされる新しい情報がありました。彼女がメインで描かれる第5話で初めて知る設定も多かったので、よりいっそう今までの秘めた心情へのフォーカスが必要でした。心がどこにあるかを知りたがる理由、彼女自身の心の状態。失ってしまったのか、取り戻したいのか、それとも自ら封じ込めているのか…。そんなさまざまな可能性を、彼女を解剖して見つけ出すような気持ちでした。 外面的な部分での茶屋坂先生は、キュートでお茶目だけど、同じだけ冷たさと怖さがある、ひょうひょうとつかみどころのない人。圧倒的な天才だけど自立していて、おしゃれでコミュニケーションも取れる。周りも見えていて特定の人物への興味は見せるが、本音は見せない。「よく分からない人」だと分かってもらえるように演じるのは、簡単ではないなと思いました。「なんで?」という3文字のせりふ一つ取っても、意図があるのかないのか、怒りなのか心配なのか、嫌味なのか優しさなのか、裏があるのかないのか。彼女の言葉には常に玉虫色の解釈があると思って向き合いました。茶屋坂自身も自覚のない感情がたくさんあるだろうし、心を探り求め続けることが彼女の行動とリンクする気がして、「分かりきらなくていい」と思いながら、チャレンジを続けました。
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