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エロティック・キャピタル
エロティック・キャピタル すべてが手に入る自分磨き
キャサリン・ハキム(著) 
田口未和(訳) 
本体価格:1,429円+税
判型:4月6日判/ページ数:360
刊行年月:2012年2月
ISBN:978-4-7641-0638-3

絶版

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内容紹介

元ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの社会学者が発表して話題になった論文がオリジナルで、著者が“エロティック・キャピタル”と名付けた、人間の人を引き付ける資質について、各種サーベイに基づいて語っていく。どうして一部の人たちは人を惹きつける魅力を持っているのか?私生活にしろ、学校、職場にしろ、個人資質としての魅力を備えることで得られる利益は大きい。著者はその資質があるとどんなメリットがあるのか、成長段階でいつごろから発揮されるのか、自分にエロティック・キャピタルがないと思われる場合、身につけるためにはどうしたらよいのか、などを論じる。これまで魅力を全面に出すことは、はしたないなどと、女性がエロティック・キャピタルを表面に表すことは男性優位の社会では妨げられがちであったが、今日では個人の資質としてその重要性が増している。男女間の性差などについて述べているが、ジェンダーに終始するわけではなく、男性でも管理職や専門性を必要とする職業などにエロティック・キャピタルは必要であると説く。2011年ロンドンのブックフェアでも人気があり、既に英・米・韓など7カ国で版権の販売が決定。論文発表時にはタイムズ、ガーディアン、フィナンシャル・タイムズといった英国の大手紙ほとんどで大きく取り上げられている理論である。



ヨーロッパにおける社会政策研究の第一人者、キャサリン・ハキムが長年の構想のもと、発表したセンセーショナルな一冊である。
私たちが他者を見るとき、あるいは他者とやり取りするときに、他者のもつ容姿や気品といった要素のもつ影響力はきわめて大きい。簡単にいえば、こうした魅力の総称がエロティック・キャピタルである。著者は、このエロティック・キャピタルが実態としてどのようなものなのか、どのくらい普遍的なものなのかを、膨大な文献と資料から明示していく(日本については縄文時代の土偶から、最近の女子高校生の話まで出てくる)。
そうした中で、エロティック・キャピタルは本来女性に有利な「資本」であることが明らかにされていく。にもかかわらず、これまで社会科学はエロティック・キャピタルという概念を提示してこなかったし、また私たちの社会も人がエロティック・キャピタルを行使すること、その影響を受けることに対する反応は常に否定的であった。
なぜ、エロティック・キャピタルは否定され、抑圧されてきたのか?著者がエロティック・キャピタルを論じる本当の狙いはここにある。
本書の内容には賛否が付きまとうが、世界中の文化に言及し、文献と資料を駆使する著者の知識量は圧巻である。論争の書ではあるが、面白さ、知的刺激は確実に与えてくれる一冊である。

首都大学東京人文科学研究科教授 稲葉昭英

著者略歴

キャサリン・ハキム(キャサリンハキム) 社会学者で、ロンドンの政策研究センター、シニア・フェロー。ロンドン・オブ・スクール・エコノミクスで長年にわたり社会学の研究員を努めた。労働市場における社会学、社会体制の変化、女性の雇用と社会での女性地位理論の専門家。その学術論文や著書は、欧州、米国で広く出版されている。ハキム博士のエロティック・キャピタル理論は、発表と同時に多くのメディアに取り上げられ、世界中から注目されている。
田口未和(タグチミワ)