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中国山岳地帯の貴州省で、地元の特産品が経済成長を牽引

 

貴州省銅仁市にある高品質な抹茶の生産拠点

 

AsiaNet 201084 (0212)

 

【貴陽(中国)2025年9月22日新華社=共同通信JBN】かつて中国の省レベルで最大の貧困人口を抱えていた貴州省は、農村振興を推進し、村民の収入を向上させるために、牛肉、茶、唐辛子の3つの基幹産業と、漢方薬、食用キノコ、トゲナシ、油茶(アブラツバキ)、竹の5つの優位産業を含む、特徴的で優位性のある農産業を発展させてきました。

 

経済発展の機会を捉え、貴州省銅仁市は地元の資源の恵みを中心に開発を進め、抹茶産業を突破口として、茶産業の変革、向上およびフルチェーン開発を推進しています。

 

現在、銅仁市には6万1600ムー(約4107ヘクタール)の高品質抹茶園が開設され、世界最大級の精製抹茶製造工場が設立され、年間生産量は4000トンに達しています。

 

自然遺産の梵浄山を擁する銅仁市は、「中国の抹茶の首都」とみなされ、同市の製品は日本、米国、フランスなど海外市場に輸出されています。

 

長征中に有名な遵義会議(Zunyi Meeting)が行われた地である遵義市は、唐辛子の品種の研究と開発、品質管理、政策支援システムの構築を強化し、唐辛子部門に力を入れてきました。

 

遵義市は蝦子鎮に「China Chili City(中国唐辛子城)」として知られる市場を形成しました。ここでは毎年数十万トンもの唐辛子が、中国全土への流通や、米国、日本、韓国、イタリアなどの国々への輸出向けに準備されています。

 

遵義市の乾燥唐辛子の年間販売額は10億元を超え、唐辛子産業チェーン全体の総生産額は20億元を超えています。唐辛子産業は同市農村部の50万世帯の所得増加を促進し、かつて貧困に苦しんでいた10万世帯以上を網羅しています。

 

貴州省のほとんどの地域はカルスト地形を特徴としており、岩が多く不毛な土壌をもたらすことが多い地形です。このユニークな地形はかつて地域の開発を阻んでいましたが、近年、同省はカルスト地形が生み出した不毛の丘陵地帯や斜面を開発によって資産に変えてきました。

 

安順市鎮寧プイ族ミャオ族自治県は、世界的に有名な黄果樹瀑布を擁し、カルスト地形が形作った美しい景観を誇ります。

 

近年、同県は不毛の丘陵地や斜面を最大限に活用し、地元の特産品であるハニープラム(蜂糖李)の栽培を進めてきました。

 

降雨量が少なく、日照量が豊富で、昼夜の寒暖差が大きいという特徴を持つ鎮寧は、スモモの栽培に理想的な環境を提供しています。

 

ここで栽培されるスモモは蜂蜜を思わせる優れた風味を持ち、「ハニープラム」という愛称で呼ばれています。

 

現在、ハニープラムは1ムー(畝)当たり2万元以上の収入を生み出しています。過去10年間で、地元村民の1人当たり年間収入は2000元未満から2万2000元に急増しました。

 

鎮寧市六馬鎮は、省内で最初の「年間生産額10億元を超える町」になりました。ハニープラムは国家地理的表示産品として認定され、鎮寧の農村振興を推進する基幹産業になっています。

 

省農業農村部(provincial department of agriculture and rural affairs)は、貴州省は豊かな文化資源と観光資源を有し、酸湯やそばなどの農産業に新たな機会がもたらされていると言及しました。同省は今後も地域の特色を生かし、より多くの人々が開発の成果を共有できるよう努めていきます。

 

ソース:The Provincial Department of Agriculture and Rural Affairs

  • 貴州省銅仁市にある高品質な抹茶の生産拠点

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