早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)クラウドファンディング開始
文学とジャズで世界をつなぐ-村上春樹ライブラリーの挑戦にご支援を
2025 年 11 月 10 日
早稲田大学
早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)クラウドファンディング開始 文学とジャズで世界をつなぐ-村上春樹ライブラリーの挑戦にご支援を
早稲田大学国際文学館(館長: 麻生 享志 (本学国際学術院 教授))はこのたびクラウドファンディングプロジェクト「文学とジャズで世界をつなぐ-村上春樹ライブラリーの挑戦にご支援を」を立ち上げ、2025年11月から約半年にわたる取り組みとして開催される「女性ジャズフェスティバル」の運営資金および今後予定しているイベントや企画展示の運営資金を広く募ることといたしました。400万円を第一目標に、本日2025年11月10日(月)から2026年1月31日(土)まで支援を募ります。
(プロジェクトURL:https://readyfor.jp/projects/wihl2025-2026)
「物語を拓こう、心を語ろう」
早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)
早稲田大学国際文学館(通称:村上春樹ライブラリー、英語名:The Waseda International House of Literature)は、作家・村上春樹氏が所蔵する貴重な資料の寄贈・寄託を契機に誕生した、これまでにない新しいタイプの図書館です。
これらの貴重な資料を適切に整理・保存し、広く公開することで、世界中の村上春樹作品の読者や、国際文学・翻訳文学の研究者が自由にアクセスできる環境を整え、「村上春樹文学」「国際文学」「翻訳文学」の三つの分野にわたる研究活動を推進しています。村上春樹文学を起点としながら、国際的な文学研究と文化交流の拠点となることを目指しています。
一方で、本館の大きな特徴は、従来の図書館や文学館にはない多彩な活動にあります。作家・評論家によるトークイベントや朗読会、芸術家・音楽家によるパフォーマンス、企画展示など、文学という「場」を通じて、多様な価値観や文化が交わるイベントを積極的に展開しています。こうした活動の理念の根底には、村上氏が本館の構想発表時に語った「この場所が、文学や文化の風通しの良い国際的交流・交換の場になってほしい」という思いがあります。なかでも、村上氏発案による 「Authors Alive!〜作家に会おう〜」や音楽イベント「キャンパス・ライブ」は、多くの参加者を迎え、いまや本館の中核的なプログラムとして定着しています。
早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)の想いと課題
早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)では、これまで多彩なトークイベントや文化交流の機会となるイベントの多くを無償で開催してきました。また、企画展示についても入場料等はいただいておりません。そこには、文学や音楽を愛する方々はもちろん、学生や地域の方々にも本物の芸術に触れ、楽しんでいただきたいという想いがあります。
一方で、これらの取り組みは大学の予算によってではなく、すべて寄付によって賄われています。大学の予算は本学学生の学費によるものであり、教育・研究に使われるべきものである、という考えがあるためです。 これまでも「村上春樹ライブラリー募金」と称して2期にわたる募集を行い、約2,700名の方から多くのご支援を賜ることができました。
しかし、現在の規模・頻度を維持したまま、今後も同等のイベントや企画展をお届けしていくには年間約3,000万円の資金が必要であり、継続的なご支援が必要です。私たちの課題をより広く知っていただき、ご賛同いただきたい。そんな想いで今回クラウドファンディングを立ち上げました。
「自由を奏で、世界を描く」
女性ジャズフェスティバルについて
2025年11月から2026年4月にかけて、早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)は「女性ジャズフェスティバル」を開催します。このイベントは、音楽、とりわけジャズの世界における女性表現者たちの歴史と現在に光を当て、女性の権利や自由な表現とは何かを、ともに考える機会にしたいという想いに基づいたものです。村上作品にもたびたび登場するジャズという文化を手がかりに、文学と音楽が交差する空間を生み出し、社会的な問いを投げかける企画として展開します。
【女性ジャズフェスティバル Women in Jazz Festival】
■展示「黒人女性の文学とジャズ展―ブラック・フェミニズムをたどる」
会期:2025年11月13日(木)~2026年4月19日(日)
場所:早稲田大学国際文学館 2階展示室
■国際学術シンポジウム「音楽×ジェンダー平等 女性奏者の創造と挑戦―ブルース、ジャズ、ポピュラー音楽まで」
登壇者: 永冨真梨(関西大学准教授)、ウェルズ恵子(立命館大学特別任用教授)、マリー・ビュスカート(パンテオン・ソルボンヌ大学教授)、佐久間由梨(早稲田大学教授/国際文学館副館長)
開催日時:2025年11月29日(土)14:30-16:40
開催場所:早稲田大学早稲田キャンパス3号館401教室
■ブッククラブ 中川ヨウ「音楽と生きて―時代・ジェンダーの動きと共に」
開催日時:12月1日(月)18:30-20:00
開催場所:早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)地下1階
■コンサート&トーク「大西順子×ヤマザキマリー自由を奏で、世界を描く」
開催日時:2026年3月3日(火)18:30-20:00
開催場所:早稲田大学 大隈記念講堂 大講堂
この中でも、2026年3月3日に早稲田大学大隈記念講堂で開催を予定している「大西順子×ヤマザキマリ ―自由を奏で、世界を描く」は、世界的ジャズピアニストである大西順子さんによるソロピアノ演奏と、漫画家・文筆家のヤマザキマリさんとの対談からなるコンサート&トークイベントとなっており、「女性ジャズフェスティバル」のメイン企画と位置づけている最大規模のイベントです。クラウドファンディングの返礼として当イベントの招待席を設けるとともに、学生が本物の文化芸術に触れる貴重な機会であることから、学生(大学生・高校生・専門学生)を対象とした学生席を設け、無料招待といたします。
《クラウドファンディング プロジェクト概要》
・プロジェクト名:文学とジャズで世界をつなぐ-村上春樹ライブラリーの挑戦にご支援を
・URL:https://readyfor.jp/projects/wihl2025-2026
・目標金額:400万円
・募集期間:2025年11月10日(月)~2026年1月31日(土)23時
・資金使途:「女性ジャズフェスティバル」の運営資金をはじめとした、今後予定しているイベントや企画展示の運営資金
・形式:寄付金控除型 / All in形式
※All-in形式は、目標金額の達成の有無に関わらず、集まった支援金を受け取ることができる形式です。
・リターン:3,000円~500,000円まで計21コース。
「大西順子×ヤマザキマリ コンサート&トークイベントチケット」「村上春樹氏サイン本」「限定Tシャツ・トートバッグ(和田誠氏イラスト)」「ロバート キャンベル顧問による文学館ツアー」など
麻生 享志 館長コメント
開館から四年、早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)は、文学と音楽が交わる自由な空間の創造を目指して歩んでまいりました。このたび開催する「女性ジャズフェスティバル」では、黒人女性作家とジャズ奏者の歩みに光をあて、芸術を通じて多様性と共に生きる力を浮かび上がらせることを目的としています。本物の芸術に触れながら、互いに語り合える場をつくることで、新たな物語を未来へつないでいければとの思いを込めました。
この試みに、皆さまのお力をぜひお貸しいただければ幸いです。文学と音楽が共鳴し合うこの試みが、次世代への希望の響きとなることを願っております。
佐久間 由梨 副館長コメント
自由・即興・対話の音楽、ジャズ。
しかし、ジャズ史において、(一部の歌手を別にすれば)女性奏者たちに光が当てられる機会は、決して多くありませんでした。
「女性ジャズ・フェスティバル」は、ただ女性をジャズの歴史やステージに「加える」だけの企画ではありません。女性の参加を妨げてきた社会の制度や慣習、そして私たち自身の中にある無意識の偏見を見つめ直し、より包摂的な芸術表現と研究・教育の場を育んでいくための一歩です。
音楽は、排除するものではなく、人と人をつなぐ力。それこそが、このフェスティバルが伝えたい「ジャズの精神」です。
皆様のご支援により、誰もが偏見なく学び、表現し、芸術を共有できる環境を整えることができます。どうか、この挑戦を一緒に支えてください。
早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリ―)について

小説家の村上春樹氏(第一文学部卒)より寄託・寄贈された資料やレコードなどを収蔵する本施設は、「物語を拓こう、心を語ろう」をコンセプトに掲げ、村上春樹文学・国際文学・翻訳文学を研究する世界的な拠点となることを目指し2021年10月に開館。閲覧可能な約3000冊が備えられたギャラリーラウンジや階段本棚のほか、ラボやカフェなど、学生のみならず一般の方も利用できます。
































