C&W、2025年Q2のリテール市況レポートを発表
グローバル不動産総合サービス会社のクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(グローバル本社:米国イリノイ州シカゴ、日本本社:千代田区永田町、C&W)は、リテール市況について最新のレポートを発表致しました。
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2025年第2四半期 市況
経済:訪日外国人の高額消費減退
2025年第2四半期の実質GDPは、サービス輸出が増加した一方で、前期の反動で在庫投資等が減少したことで、前期比年率-0.4%の小幅な落ち込みが見込まれている1 。コアCPIは2023年1月の前年比+3.5%をピークにやや低下したものの、+3.3%と高止まり。第2四半期平均の勤労世帯の実収入は前年同期比0.8%減、全国小売販売高もコアCPIの上昇を下回り、実質微減。販売業態別では、生活必需品の売上が好調だったドラッグ・ストアが同6.6%増で最も高い上昇率を記録。一方で百貨店は同-6.8%減少。主因は同期間に同36.5%減少した免税売上高とみられる2。ドル円相場が同期間に約7%円高に振れた3ことや、各国に比較し遅延していた高額品の値上げが行われた結果、割安感が薄れたこと等で、訪日外国人の高額品需要が減退したとみられる。特に、インバウンド消費の「買い物代」の4割を占めている中国からの訪日客1人当たりの同支出は前年同期から約3割減少している4。
出所:総務省、経済産業省、みずほリサーチ&テクノロジーズ
1. みずほリサーチ&テクノロジーズによる2025/7/31時点の予測
2. 日本百貨店協会
3.日本銀行
4.観光庁
賃料:既存店舗は横ばいも上限賃料を超える開発案件も散見
第2四半期のプライムエリア賃料は前期から横ばいとなった。出店余地が限られる中で上限賃料も高止まりしており、今期の出店事例は限られた。訪日外国人の高額商品消費の減退等で、全国のプライムエリアに幅広く出店している大手の海外ラグジュアリーブランドの需要はやや減退傾向にある。一方、一部海外ブランドではブランド認知維持・向上を目的に、さらなる高額賃料の受容例も見られる。このような事例は主に未竣工物件で見られており、水面下で交渉されている賃料の一部は既存店舗の上限を上回る水準となっている。 他方、プライムエリア周辺では、対象物件の不足や賃料高騰によりプライムエリアへの出店が難しかったテナントや、Z世代をターゲットとした韓国発の多様な業態のテナントが旺盛な需要を示している。今期はこういったテナントが原宿等で出店し、プライムエリア周辺の平均賃料を引き上げた。
アウトルック
足元のドル円相場は、日米金利差の維持が見込まれる中、2025年第2四半期平均から7月31日時点までに約4%円安に振れている3。一方、香港を中心とした東アジア地域で自然災害への懸念から訪日を控える動きが広がっており、6月時点で訪日外客数の前年からの伸びは鈍化4。今後1年間も景気後退が懸念される中国からの訪日客を中心に、高額品の消費額は減少すると予想される。 しかし、プライムエリアの路面店への出店余地は依然限られており、今後竣工予定の物件を中心に既存の上限賃料を上回る成約も見込まれることから、賃料の上昇は今後1年は継続を見込む。加えて、名古屋の栄など各地で複数の再開発が予定されており、プライムエリア自体の拡大も期待される。
主要テナント別、新規出店・移転傾向
プライムリテール賃料
‐以上‐
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドについて
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)についてC&Wはニューヨーク取引証券所に上場している世界有数の事業用不動産サービス会社です。世界約60カ国、400拠点に約52,000人の従業員を擁しています。施設管理、売買仲介、鑑定評価、テナントレップ、リーシング、プロジェクト・マネジメントなどのコア・サービス全体で、2024年の売上高は94億ドルを記録しました。Better never settlesという企業理念のもと、受賞歴のある企業文化が評価され、業界やビジネス界から数々の称賛を受けています。詳しくは、公式ホームページhttps://www.cushmanwakefield.com にアクセス下さい。
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