【三人之会第三回公演】若手演出家・奥田知叡が挑む中国版「ゴドー」李六乙『非常麻将』ー待ち続ける男たち
【東京公演】2025年7月31日(木)〜8月4日(月)、【神奈川公演】2025年8月15日(金)〜17日(日)
中国演劇や能を題材に領域横断型の舞台芸術作品を制作している新進気鋭の演劇ユニット「三人之会」が、現代中国演劇の名作 李六乙『非常麻将(フェイチャン・マージャン)』に挑む。
若手演出家・奥田知叡のもと、中国演劇や能を題材に領域横断型の舞台芸術作品を制作している演劇ユニット「三人之会」。活動開始から3年目となる2025年は、現代中国演劇の名作『非常麻将(フェイチャン・マージャン)』を上演する。
『非常麻将』は2000年に北京で初演された、いわば現代中国版「ゴドー」。 作品が描く「現代人の不安、無力感」が共感を呼び、多くの反響を呼んだ。2001年には第8回BeSeTo演劇祭として訪日公演(新国立劇場、富山県利賀芸術公園)が行われ、2003年には日中国交正常化30周年記念公演として二回目の訪日公演(青山円形劇場、AI・HALL)が行われている。
日本での公演はいずれも日本語字幕付きの中国語上演であったが、三人之会による本公演が、初の日本語訳による上演となる。
翻訳は飯塚容氏、菊池領子氏。菊池氏は、過去2回の訪日公演の企画・プロデュース・字幕翻訳を担当した。
本公演では、中国語のネイティブ・スピーカーでもある演出家・奥田知叡が翻訳を下敷きに、中国語の原文を参照し上演台本を作成している。ネイティブ・スピーカーの作家・衛かもめがドラマトゥルクとして上演台本作成の作業に参加している。
7月31日から8月4日まで東京のシアター・バビロンにて上演されたのち、8月15日から8月17日まで、神奈川のスタジオHIKARI(神奈川県立青少年演劇センター)にて上演される。出演には今井聡、牧凌平、⾕津恒輝、⽥中綸が名を連ねる。チケットの前売りは6月24日から、カンフェティにて⇨https://www.confetti-web.com/@/sannninnkai3
(写真は三人之会の第二回公演『逃亡』ー書×映像×演劇ーより)
【作品あらすじ】
「お前たちは嘘をついている。さっき言ったのは全部でたらめだ!」
マンションの一室、義兄弟である3人の男たちと雀卓が沈黙を守っている。
今夜は義兄弟の契りを交わした男4人が最後の一局をうち、それぞれの人生をやり直す約束だった。しかし、2番目の義兄(老二)がやってこない。苛立ちを紛らわせるかのように、昨日の老二について語る3人。だが、彼らの語る「老二」はどこかすこしずつ食い違っていて…。なぜ老二は来ないのか? このゲームを先にあがるのは誰か? この先にある結末は?
将来への不安、自己の存在意義への疑問を描いた現代中国演劇の名作。作品は、改⾰解放によって急速に経済発展を遂げながらも、価値観が大きく変化してゆく1990年代後半に執筆された。とある中国の都市を舞台に、社会と時代への違和感を抱く現代中国⼈の⼼理を巧みに描いている。初演は2000年、北京。2000年代初頭に訪日公演が行われ(中国語上演)、大きな反響を呼んだ。今回が日本語による初の翻訳上演となる。
演出(奥田知叡) コメント
2021 年に李健鳴『隔離』を、 2023 年に⾼⾏健『逃亡』を演出し、今回で私が演出する中国演劇作品は3作目となります。李六⼄『⾮常⿇将』は 2000 年代初頭に⽇本で訪日公演が⾏われました。当時中学⽣であった私はこの来⽇上演を観ることはかないませんでしたが、『⾮常⿇将』の洗練された⾔葉遣い、セリフの奥から漂う登場⼈物のたち⾝体性に強く惹かれています。特に、コロナ禍以降は、本作が抱く将来への不安、永久不変の真理に対する不信感にも強く共感するところです。コロナ禍以降、⽇中両国における演劇交流は、各演劇機関・老舗劇団を中心に断続的に⾏われていますが、⽇本の若⼿演劇⼈による中国現代演劇の上演は⾏われていません。中国の現代演劇作品の中でも屈指の名作である李六⼄『⾮常⿇将』の上演を通して、より多くの交流や理解が⽣まれることを望む次第です。
ドラマトゥルク(衛かもめ) コメント
今回のドラマトゥルクの依頼を受けるまでは、ずっと小説や歌詞など文字を綴る創作をしてきました。長い観客歴と、文字を駆使する経験を今回の公演に活かせればと考えています。
『非常麻将』は中国要素が珠玉のように戯曲全体に散らばり、虚実の境界で明滅して観客を魅了します。こうした珠玉をできるだけ損なわないように、私たちは丹精を凝らし、戯曲と向き合ってきました。
また、今回は『非常麻将』初めての日本語上演ですが、中国に関する知識がなくてもお楽しみいただけます。この閉鎖的な空間で、緻密に繰り広げられる三人の会話に耳を傾け、この空間内と外で起こる出来事に、ぜひ想像を巡らせてみてください。その想像の数だけ、楽しみ方があると思います!
企画詳細
【東京公演ー若手演出家支援プログラム】
2025年7⽉31⽇(⽊)19:00◎
2025年8⽉1⽇(⾦)14:00 19:00
2025年8⽉2⽇(⼟)14:00 19:00
2025年8⽉3⽇(⽇)14:00
2025年8⽉4⽇(⽉)14:00◎
会場:シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都北区)
最寄り駅:東京メトロ南北線「王子神谷駅」
価格:応援チケット 6000円 当日券 5000円 前売券 4000円 学生券 3000円 ※要学生証
チケットページ(カンフェティ):https://www.confetti-web.com/@/sannninnkai3
【神奈川公演ーマグカルシアター参加公演】
2025年8⽉15⽇(⾦)19:00◎
2025年8⽉16⽇(⼟)14:00
2025年8⽉17⽇(⽇)14:00 ◎
会場:スタジオHIKARI(神奈川県横浜市)
最寄り駅:JR根岸線「桜木町駅」
価格:当日券 5000円 前売券 4000円 学生券 3000円 ※要学生証 高校生以下 1500円※年齢の分かるもの
チケットページ(カンフェティ):https://www.confetti-web.com/@/sannninnkai3
※◎…アフタートークを実施
※上演時間…約80分。
※開場時間…開演30分前
【キャスト・スタッフ】
作:李六乙
翻訳:飯塚容・菊池領⼦
上演台本・演出:奥⽥知叡
出演:今井聡、牧凌平、⾕津恒輝、⽥中綸
ドラマトゥルク:衛かもめ
美術:今⼦⻘佳
照明:伊藤セナ、蓮⽂、⻄条萌(以上、名前はない劇団)
音響:山崎哲也(テアトル・エコー)
舞台監督:倉本徹(倉本工房)
演出助手:三谷亮太郎(あくびがうつる)
宣伝美術:山崎稚葉(キンダースペース)
制作:奥田知叡、白江夏生み(踊場海月)
制作補佐:吉田真夕
企画:奥田知叡
主催:三人之会、神奈川県【神奈川公演】
協力:あくびがうつる、踊場海月、倉本工房、テアトル・エコー、キンダースペース、名前はない劇団
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京[スタートアップ助成]【東京公演】、公益財団法人 全国税理士共栄会文化財団
【関連URL】
●三人之会 HP:https://sites.google.com/view/sannninnkai/home
●三人之会 X:https://twitter.com/sannninnkai3
●三人之会 Instagram:https://www.instagram.com/sannninkai3
●三人之会 PODCAST:https://open.firstory.me/user/clt5vt42m0nik01wa31w71qjn
●三人之会 Note:https://note.com/sannninnkai3/







