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世界初の3Dプリンター駅舎が利用開始 2時間で組み上げたJR初島駅

 完成まで300年といわれたバルセロナのサグラダファミリアが、3Dプリンターなどの現代技術の導入で大幅に工期を短縮したように、建築の世界でテクノロジーが活用された成果を見るのは面白い。JR紀勢本線の初島駅(和歌山県有田市)では、世界初の3Dプリンター技術を用いた駅舎(セレンディクス・兵庫県西宮市)が建設され、7月22日(火)から利用を開始した。

 新しい駅舎は面積9.9平方メートル、鉄筋コンクリート造の平屋建て。駅舎内には、2人掛けのベンチのほか、券売機と簡易ICカード改札機がある。壁面には3Dプリンターの特徴である積層痕をいかし、有田市の名産である「みかん」と「たちうお」をモチーフにした装飾が施されている。

 木造駅舎だった初島駅は、現在は無人駅となっており、駅舎の老朽化に伴う保守コストや、維持管理の効率化が課題となっていた。線路に隣接する建物の建設工事は、安全面から列車の走っていない夜間に行う必要があり、通常の建設工事より工期が長期化する傾向があるが、新駅舎の部材は熊本県で7日間で製造し、完成した合計4つのパーツはトラックで現地に輸送、約2時間で組み上げ工程を完了したという。しかもこの2時間のうち、約45分はトラックの入れ替え時間で、実際の作業は正味1時間15分だった。

 組み上げ当日の様子はメディアを通じて世界中に拡散され、ニューヨークタイムズをはじめ、国内外300以上のメディアで驚きをもって報じられた。

約2時間で組み上げ工程を完了

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