ハリウッド・リメイク決定!インド発ノンストップ・アクション!「日本の皆さんにも楽しんでいただけるはず」ニキル・ナゲシュ・バート監督『KILL 超覚醒』【インタビュー】

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-その結果、完成したこの映画では、強盗団が使う刀やナイフのほか、列車備え付けのシャッターや消火器、乗客の荷物など、一見武器になりそうにない身近なものを使った多彩なアクションが見所です。そういうアイデアはどこから生まれたのでしょうか。
私は若い頃、列車で千マイルも離れた大都市への旅を、年に4~5回も繰り返していたんです。その中で、列車の旅の実態を目の当たりにしてきました。小さな盗みや強盗はしょっちゅう起きるので、乗客も自分の荷物を守るため、チェーンやロックをかけることは当たり前。火災が起きれば消火器も必要です。そういう状況を目にした経験が劇中、武器を持たない主人公たちが、チェーンや消火器、ライターといった身近なものを使って強盗団と戦うアイデアにつながっていきました。しかも、武器でないものを使うことで、サプライズ要素やアクションの強度も高まりますし。それは、『ジェイソン・ボーン』や『ジョン・ウィック』などのアクション映画がすでに証明している通りです。
-それと同時に、物語からは「暴力を肯定しない」というメッセージも伝わってきます。
その通りです。というのも、バイオレンスを見せるだけでなく、その先にあるものを描きたいと思ったからなんです。劇中では、主人公が激しいバイオレンスを繰り広げるにつれ、悲しみや苦しみも増していきます。「“目には目を”は、世界を盲目にする」とガンディーも言っていたように、結局、暴力ではなにも解決しないんです。
-本作は、世界中の映画祭で高い評価を受け、ハリウッドでのリメイクも決定しました。その結果を踏まえて、ニキル監督は今後、活躍を世界に広げていこうとお考えでしょうか。今後の目標を教えてください。
今回は初めてのアクション映画ということで、制作中の苦労も多く、文字通りたくさんの血を見ました(笑)。これまで、ロマンティックな映画やダークコメディー、スリラーなどさまざまなジャンルの映画を撮ってきましたが、そういった作品も作りつつ、今後いくつかはアクション映画を撮りたいと考えています。既に脚本を書き終えているのが、バイオレンスを交えたラブストーリーです。さらに、インドの田舎を舞台にしたアクション映画と、ディストピア的な世界観で繰り広げられるSFアクションも執筆中です。もちろん、機会があれば、アメリカやアジアの国々など、インターナショナルに映画を撮ってみたいです。
-今後のご活躍を期待しています。ところで、この映画はニキル監督にとって日本で劇場公開される初めての映画となります。最後に日本公開に対する思いをお聞かせ下さい。
言葉にならないくらいうれしいです。アメリカや南米の国々、韓国など、世界中で好評を得たこの映画を、日本でも受け入れていただけることを、心からうれしく思います。日本の皆さんにどう受け止められるのか、気になるところですが、他の国の方々と同じように楽しんでいただけるはずだと信じています。
(取材・文/井上健一)

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