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【映画コラム】海が舞台の『沈黙の艦隊 北極海大海戦』と『ラスト・ブレス』、家庭内スパイ映画『ブラックバッグ』

『ブラックバッグ』(9月26日公開)

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 イギリスの国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)のエリート諜報員ジョージ・ウッドハウス(マイケル・ファスベンダー)は、世界を揺るがす不正プログラム「セヴェルス」を盗み出した組織内部の裏切り者を見つける極秘任務に就く。

 容疑者は諜報員のフレディ(トム・バーク)、ジミー(レゲ・ジャン・ペイジ)、情報分析官のクラリサ(マリサ・アベラ)、局内カウンセラーのゾーイ(ナオミ・ハリス)、そしてジョージの愛妻である敏腕諜報員のキャスリン(ケイト・ブランシェット)の5人。

 ある夜、ジョージは裏切り者の動向を探るべく、容疑者全員をディナーに招待する。食事に仕込まれた薬とアルコールの効果で、容疑者たちの意外な関係性が浮かび上がる中、ジョージは彼らにあるゲームを仕掛ける。

 「オーシャンズ」シリーズのスティーブン・ソダーバーグ監督と「ミッション:インポッシブル」シリーズの脚本家デビッド・コープがタッグを組み、エリート諜報員と二重スパイが最重要機密をめぐって繰り広げる頭脳戦を描いたミステリーサスペンス。原題の「ブラックバッグ」は極秘任務を表す。

 回想は入るものの、主な舞台となるのはウッドハウス家のダイニングやベッドルーム。そこで展開する夫婦や同僚による腹の探り合いが見どころとなる。つまりこれは、家庭内で繰り広げられるスパイ映画なのだ。

 スパイがスパイを狩るという複雑なだまし合いを94分にまとめた手際の良さが光る。ファスベンダー、ブランシェットらの5人はもちろん、脇役のピアース・ブロスナンの怪しい存在感にも注目だ。

(田中雄二)

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