ロンドンのニュー・ボンド・ストリートが世界で最も高額な商業エリアに
世界のメインストリート2025 リサーチ結果 – 銀座と表参道は、賃料上昇率10%、13%と堅調な伸びを記録
グローバル不動産総合サービス会社のクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(グローバル本社:米国イリノイ州シカゴ、日本本社:千代田区永田町、C&W)の調査によると、ロンドンのニュー・ボンド・ストリートは、過去1年間で賃料が22%上昇し、年間平方フィート当たり2,231ドルとなり、初めて世界一高額な商業エリアと位置付けられました。
• クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド社のグローバル・リテール・レポート『世界のメインストリート』は、世界の一等地の商業施設における主要賃料に焦点を当てており、その多くはラグジュアリー分野に関連しています。
• 第35回となる今回の報告書では、ニュー・ボンド・ストリートの賃料(年間平方フィートあたり2,231ドル)が、ミラノのモンテナポレオーネ通りやニューヨークのアッパー5番街を抜き、世界ランキングのトップに躍り出ました。
• 調査対象となった小売エリアの58%で賃料が上昇し、供給量を大幅に上回る需要が反映されました。
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同社が発表した基幹調査報告書『世界のメインストリート』第35版において、ニュー・ボンド・ストリートは、昨年初めて欧州のストリートとして世界ランキング首位となったミラノのモンテナポレオーネ通り(年間平方フィート当たり2,179ドル)およびニューヨークの象徴的な アッパー5番街 (年間平方フィート当たり2,000ドル)を抜き去りました。
ニュー・ボンド・ストリートの賃料上昇は、堅調な需要と限られた供給に支えられており、クリフォード・ストリートとバーリントン・ガーデンズ間の高級宝飾品エリアは、世界小売業界で最も競争が激しい場所の一つとなっています。
世界全体では賃料が平均4.2%上昇し、58%の市場で賃料上昇が確認されました。地域別では南北アメリカが7.9%の上昇率でトップとなり、南米の通貨効果に牽引されました。欧州では前年比4%の着実な成長を記録し、特にブダペストとロンドンが顕著な実績を示しました。一方、アジア太平洋地域の賃料上昇率は2.1%に鈍化し、インドと日本の堅調な成長が、中国圏と東南アジアの経済的な逆風によって相殺されております。
本レポートの執筆者であり、クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドの国際調査部門責任者であるドミニク・ブラウン博士は次のように述べています:
「主要小売エリアは、堅調な経済成長、生活費負担の緩和、自由裁量支出への意欲回復といった複数の要因が相まって恩恵を受けています。成長軌道は市場によって異なりますが、旗艦店舗立地が持つ強みは明らかです。一部都市では例外的な二桁の賃料上昇が見られる一方、他地域では圧力が継続しています。消費者が集う場所で深いブランド・エンゲージメントを実現する実店舗小売の重要性は変わらず、世界の主要ショッピングストリートの持続的な魅力を裏付けています。世界情勢の改善に伴い、この勢いはさらに強まると予想されます。」
アジア太平洋地域のハイライト
アジア太平洋地域の賃料上昇率は、2024年の2.8%から2025年には2.1%へと鈍化しましたが、市場によってパフォーマンスには大きな差が見られました。インドの一流都市が地域を牽引し、グルガオンのガレリア・マーケットでは25%の上昇を記録、次いでニューデリーのコノート・プレイス(14%)、ムンバイのケンプス・コーナー(10%)が続きました。日本の東京では銀座と表参道がそれぞれ10%、13%と堅調な伸びを示した一方、香港の尖沙咀では賃料が6%下落し、1平方フィート当たり年間1,515ドルとなりました。シドニーのピット・ストリート・モールは4%の緩やかな伸びを記録し、1平方フィート当たり年間795ドルに達し、長年の停滞を経て再び上昇基調に転じました。
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドのアジア太平洋地域小売販売・戦略責任者、ソーナ・アガルワル氏は次のように述べています:
「アジア太平洋地域の小売業は、経済的課題にもかかわらず回復力を示しています。インド、韓国、日本が堅調な需要とプレミアム化を牽引し成長をリードしています。シンガポールとシドニーでは信頼感が回復し、賃料は徐々に上昇しています。ベトナムと中華圏の一部地域は、地政学的・経済的逆風によりやや軟調な状態が続いています。総合的に見れば、変化する消費者の習慣と、高度に適応する小売業者の戦略が『フィジタル(物理的とデジタルの融合)』体験の革新を推進しており、このダイナミックな地域は長期的な成長に向けた態勢を整えています。」
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クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドについて
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(NYSE: CWK)は、クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)はニューヨーク取引証券所に上場している世界有数の事業用不動産サービス会社です。世界約60カ国、400拠点に約52,000人の従業員を擁しています。施設管理、売買仲介、鑑定評価、テナントレップ、リーシング、プロジェクト・マネジメントなどのコア・サービス全体で、2024年の売上高は94億ドルを記録しました。Better never settlesという企業理念のもと、受賞歴のある企業文化が評価され、業界やビジネス界から数々の称賛を受けています。詳しくは、公式ホームページ www.cushmanwakefield.com にアクセス下さい。










