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食欲の秋深まる11月11日は「鮭の日」!サーモン寿司が誕生して今年で40周年!

ノルウェー大使館の水産参事官に聞く 回転寿司人気メニュー“サーモン”の魅力

2025年10月24日
くら寿司株式会社

     

          くら寿司 ニュースレター2025年10月号             

食欲の秋深まる11月11日は「鮭の日」!サーモン寿司が誕生して今年で40周年!

ノルウェー大使館の水産参事官に聞く回転寿司人気メニュー“サーモン”の魅力

             

記念日が多い1111日、その顔ぶれの中に「鮭の日」も!

 ようやく到来した天高く馬肥ゆる秋。馬も肥えてしまうと言われるほど、米をはじめ、サツマイモや栗、キノコ、秋刀魚、鯖、鮭など、さまざまな農作物や魚介が旬を迎える、心躍る季節がやってきました。食欲の秋まっただ中の11月11日は、一般社団法人日本記念日協会の認定を受けた記念日が1年の中で3番目に多い日(2025年8月1日時点)です(ちなみに、1番が8月8日、2番が10月10日と、すべて同じ数字のゾロ目)。

 

 11月11日を記念日に制定しているものの多くは、「ポッキー&プリッツの日」「おさかなソーセージの日」「棒ラーメンの日」「うまい棒の日」「スティックパンの日」「きりたんぽの日」など、細く長い形状が数字の「1」に似ていることに由来する食べ物系。そのほかには、水中で揺らぐ様子と数字の「1」に類似性を持たせた「チンアナゴの日」「ヘコアユの日」といった縦泳ぎ系、漢数字の「十一」をプラスイオン(+)とマイナスイオン(−)に見立てた「プラズマクラスターの日」といった記号系もあります。

 

 そんなバラエティー豊かな11月11日の記念日の中には、英語ではサーモンとしてお馴染みの「鮭の日」も。「鮭」のつくりの「圭」が「十一」と「十一」の組み合わせからなる、というのが制定の理由です。

 

 

回転寿司から日本中に広まったサーモンは、回転寿司界のスター

 

 サーモンといえば、回転寿司業界になくてはならない絶対的スター魚。マルハニチロが毎年実施している消費者調査(2025年2月実施)では、サーモンが14年連続の首位に輝きました。また、くら寿司の人気ランキングでも、「サーモン」は2位、「あぶりチーズサーモン」は5位など、上位に名を連ねる人気ネタです。

回転寿司で販売されたことをきっかけに、日本中に広まったサーモン。2025年は、ノルウェーから日本に向けてサーモンの輸出が始まって40周年というアニバーサリーイヤーです。11月11日の「鮭の日」を前に、1980年代までは生で食べられることすらなかった歴史や、養殖にまつわる最新ニュースなど、サーモンを深掘りしていきます。

 

増え続けるニーズに対応し「海面養殖」だけでなく「陸上養殖」も増加中日本各地の特色を生かし、活気をもたらすご当地サーモンも登場!

 日本でよく目にするサーモンのほとんどは養殖場で配合飼料を与えて育てる養殖もの。寄生虫による食中毒のリスクが低く、刺身や寿司など生食できることが大きな魅力です。

 

日本人が生食サーモンの美味しさに目覚めた1980年代

 日本におけるサーモンの生食文化の始まりは、ノルウェーから安価な養殖サーモンが輸入された1980年代に遡ります。同時期に急成長した回転寿司で、サーモン寿司が販売されるようになり、サーモンの美味しさが広く知られるようになりました。加熱しないと食べられない鮭とは異なり、養殖サーモンはサラダや炙り、カルパッチョなどにもアレンジしやすく、瞬く間に人気者となりました。

 年齢や性別も問わず人気があることから、一年を通じて需要が比較的安定しているサーモン。現在、日本の消費量の約85% はノルウェーなどからの輸入に頼っていますが*、近年は国内の養殖産業も盛んになってきています。サーモン養殖が盛んな三陸をはじめ 、瀬戸内海や九州沿岸でもサーモンの「海面養殖」が行われています。温暖化による海水温の異常な上昇もあり、天然鮭の漁獲量が激減した漁業者が養殖事業に着手するケースもあると言います。

 「海面養殖」における課題のひとつは、海水温です。サーモンはおおむね18℃を超えると生存が難しくなるため、日本近海では春から晩秋にかけて海水温が高く、海面での養殖期間は半年ほどに限られます。

そのため、日本で行われているサーモンの「海面養殖」の多くは、淡水で育てた鱒(トラウト)を最後の半年間だけ海水で育てる「トラウトサーモン」方式です。

 一方、ノルウェーやチリでは年間を通じて海水温が低く、稚魚の段階から海で育てられる「アトランティックサーモン」が主流となっています。

 

*日本経済新聞「ノルウェー漁業相、サーモン養殖増「サステナブルに」 世界需要、年3~6%増 生産追いつかず」 (2024年6月26日)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO81646630V20C24A6QM8000/

 

海が近くない地域であっても、養殖が可能な時代に

 不動のサーモン人気に注目し、「海面養殖」だけでなく、水温や酸素濃度などを人工的にコントロールした施設で効率的に魚を育てる「陸上養殖」プロジェクトも各地で進められています。

 「陸上養殖」は、サーモンが快適に成長できる環境を人工的に作り出し、それを維持するための最新技術が導入されています。特に、魚の排せつ物やエサの残りをろ過するなどのプロセスを経て浄化した水を水槽に戻す閉鎖循環式陸上養殖は、養殖場が必ずしも海に近い必要がありません。大幅な節水が可能になり、地球環境の課題解決につながることも利点です。そのほか、漁船や漁具を使うより作業効率が向上する、安定した食料供給が望める、消費地に近い場所で生産を行うことで輸送コストを削減できるなど、メリットの多い「陸上養殖」への期待は高まっています。

 

イチゴやレモンといった特産物を使った地域ブランドも

 各地に広がりを見せるサーモン養殖で注目すべきなのが、地域の風土や特性を活かせること。ご当地サーモンは新たな地域のブランドとなり、雇用促進にも貢献できます。

 例えば、すでに全国的に有名な青森県産「海峡サーモン」は、国産サーモンでは珍しい外海育ちの養殖サーモンです。津軽海峡の沖合の生簀で育てているので、冷たく強い荒波にもまれて身が引きしまっています。兵庫県神戸市で海面養殖された「神戸元気サーモン」は、タンパク質やビタミンB、葉酸、食物繊維などの栄養素を豊富に含む酒粕をエサに混ぜることで知られています。

 そのほか、栃木県宇都宮市の特産品であるイチゴをエサに混ぜる「うつのみやストロベリーサーモン」、広島産レモンの果汁をエサに混ぜる「広島レモンサーモン」など、フルーツを活用した事例も多数。養殖事業者は年々増える傾向にあり、2025年現在、147拠点でご当地サーモンが育てられています(国立研究開発法人水産研究・教育機構による2025年3月のデータより)。

 

ノルウェーサーモンの歴史や魅力をノルウェー大使館 水産参事官 ヨハン・クアルハイム氏にインタビュー

 2025年は日本とノルウェーの外交関係樹立120周年、さらにノルウェーサーモンが日本に上陸して40周年という記念の年です。ノルウェーの冷たく澄んだ海でゆっくりと育ち、新鮮なまま日本に届くサーモンの魅力を、ノルウェー大使館のヨハン・クアルハイム氏に伺いました。

 

――1980年代、ノルウェーサーモンの輸出先として日本を重視した理由は?

ノルウェーでは1960年末から70年代にかけてサーモンの養殖に着手。その輸出先として、生食の魚の需要が高く、魚食に対する熱い想いを持つ日本に着目し、「プロジェクト・ジャパン」を開始しました。プロジェクト開始の1985年には、ノルウェーサーモンの養殖業者を日本に招き、日本の寿司職人さん達に試食をしていただくなどの機会も設けさせていただきました。ノルウェーサーモン普及に関してこれまで一貫してお話してきたのは、魚種的にはサケ科であり日本産の鮭と近しいけれども、鮭の代用品や、鮭の競合の魚にはしないということ。加熱して食べられてきた鮭とは、全く別物であるというアピールに努めてきました。

 

――今や不動の人気を誇るノルウェーサーモン、その普及に貢献したものとは?

大きなターニングポイントとなったのは、回転寿司にノルウェーサーモンが登場したことでしょう。1992年、ノルウェーサーモンが育ち過ぎて供給過多になり、日本の企業に「7,000トンを提供するのでサーモンを回転寿司で使えないだろうか」と掛け合ったのです。回転寿司店ではお子様が自分たちでネタを選ぶことができますよね。きれいなピンク色をしていて、身が柔らかく食べやすいサーモンは子供たちに好まれ、子供たちにつられて家族の方たちも手を伸ばし、世代を超えて人気は広がっていきました。

 

――寿司以外の飲食業界やスーパーでも、人気の魚として定着した理由については?

ノルウェーサーモンのセールスポイントは2点あります。一つ目は養殖なので寄生虫がいないこと。もう一つが年間を通して継続的に供給できるということです。ノルウェーサーモンの生産者は「自分たちが手がけるサーモンが世界のスタンダードであるべき」と心に刻んできました。その考え方は今も大事に受け継がれています。

 

――日本人の魚食量は減少傾向ですが、ノルウェーサーモンの消費量は増えているとか。

ノルウェーサーモンは基本的に骨抜きを済ませた状態で届けられるので、かなり使いやすく鮮度も良いです。現在、日本を含め世界100カ国以上に、生の状態でお届けしています。今後は海外で寿司を食べられる店舗も増えていくと思いますので、寿司業界の動向を注視しながら、関係者の方々のご要望に寄り添えるノルウェーサーモンを提供していきたいと思っています。

 

ヨハン・クアルハイム

1971年ノルウェー・モロイ生まれ。ノルウェーのThe Norwegian College of Fishery Scienceで水産学の修士号、パリのENPCで国際ビジネスのMBAを取得。ノルウェー大手水産会社での勤務のほか、ノルウェー水産物審議会ではイギリス・フランス市場を担当、2019~2020年には世界最大級のシーフードビジネス会議「北大西洋シーフードフォーラム」のマネージングディレクターなど、ノルウェーおよび世界の水産業界にて様々な役職を歴任。2020年12月より現職のノルウェー大使館の水産参事官に就任。

 

くら寿司でも国内養殖サーモンに注目!北海道の水産業者様と「函館サーモン」を共同生産

 

 

 国際情勢や為替の不安定さから、国内でサーモンを生産できる体制を整えるため、函館で水産業を営む「株式会社古清商店」と、くら寿司が手を組み、2022年から「函館サーモン」の共同生産を始めました。

 北海道の冷たい海水温という養殖環境により、通常の国内養殖よりも海面での飼育期間を長くすることができ、大型サイズのサーモンに育ちます。旨みが強くほどよい脂ののりが特徴で、直近2年のうちに数回くら寿司でも期間限定で販売を行っています。生産、調達体制と、物流の構築において協力会社様との連携により、販売が実現しました。

 現状、古清商店が生産している「函館サーモン」は生産量が少ないため、くら寿司全店で販売できるよう、周辺で生産されている北海道サーモンを買い付けできる体制を古清商店に整えていただきました。また、古清商店の加工場では、キャパシティの問題で当社が扱うサーモン全てを加工することが難しく、約7割は本州で加工していますが、いわゆる「物流の2024年問題」もあり、通常、北海道から大阪まで生のまま運ぼうとすると、中2日かかってしまうという課題がありました。そこで、マリネックス株式会社が提供するフェリーを使った輸送サービスを活用。フェリーで24時間、さらに陸送で約3時間の合計約27時間にまで時間を短縮し、鮮度を保ったまま加工場へ届けることが可能となりました。また、サーモンがムラなく冷えるように海水の氷を入れた1トンタンクに入れて運ぶなど工夫を施すことで、より鮮度の良いサーモンを販売しています。

 今後、さらに「函館サーモン」の生産量を拡充することで、供給の安定化を目指してまいります。

 

 

 

宇和島の水産業者様と共同開発した「みかんサーモン」

 愛媛県宇和島市の元漁協職員が立ち上げた水産商社「株式会社宇和島プロジェクト」とくら寿司が共同開発した「みかんサーモン」。

 「みかんサーモン」は、愛媛県産の伊予柑の皮から抽出される「伊予柑オイル」を、エサに混ぜて有効活用しています。口に入れた時に爽やかな風味が広がるなど、唯一無二の個性を持つ「みかんサーモン」は、くら寿司の自信作のひとつです。

 また、1年を通じて養殖の生簀を有効活用するために、冬前にすべての出荷を終えるスマの生簀でサーモンを育てるという、いわば「養殖の二毛作」にチャレンジしたことも大きな話題となりました。

 

希少な福井県産のブランド「ふくいサーモン」も過去販売実績あり

 「ふくいサーモン」は、福井県で独自に養殖されるトラウトサーモンのブランドです。名水の町としても知られる、福井県大野市を中心とした淡水の養魚場で卵をふ化し、約1年間過ごした後、冬の若狭湾を中心に約半年間育てられます。冷たく透き通った若狭の海でのびのびと育てられた「ふくいサーモン」は、鮮やかなサーモンピンク色の身が特徴で、ノルウェーなど海外産の上質なサーモンに引けを取らない、もっちりとした肉質と上品な脂のりを味わえます。

 

スーパーで手に入るサーモンをもっと美味しく! くら寿司の商品開発部 中村重男が伝授する、おうちで簡単にできるおすすめレシピ2

 

商品開発部 中村 重男(なかむら しげお)

 

サーモンのタルタル

 

 

<材料(23人前)>

サーモン 100g、スモークサーモン 30g、アボカド 1/2個、レッドオニオン 30g、ケーパー 10g、塩 ひとつまみ、胡椒 ひとつまみ、マヨネーズ 大さじ1、レモン汁 小さじ1、オリーブオイル 小さじ1、(お好みで)ディル 1g、いくら 

トッピング:バゲット、ベビーリーフ、(お好みで)バジルソース

 

<作り方>

1. 塩とグラニュー糖(分量外)を1:1で合わせ、サーモンの両面に全体的になじませる。そのサーモンを20分冷蔵庫に寝かせ、水分が出てきたら流水で洗い流し、ペーパーで拭き取る。

2. サーモンを1cm角のサイコロ状にカット。スモークサーモンも小さくカットし、ボールに入れる。

3. アボカドを1cm角で切り、細かくみじん切りしたレッドオニオン、みじん切りにしたケーパー、お好みでみじん切りにしたディルをサーモンと一緒のボールに入れる。

4. そのボールに塩、胡椒、マヨネーズ、レモン汁、オリーブオイルを入れて混ぜる。

5. お皿にセルクル(あれば)を置き、詰めていく。その上にお好みでいくらを敷き詰める。

6. セルクルを取り、バゲットを周りに並べ、ベビーリーフ、お好みでディル、バジルソースを飾り付けして完成。

 

★ポイント

・塩とグラニュー糖を振りかけることで、サーモンの臭みや水分を飛ばす効果があります。また、塩だけでなくグラニュー糖を入れることで、浸透圧の関係で塩辛くならず、脱水効果も高くなります。

・生のサーモンだけでなく、スモークサーモンを少し入れることで、スモーキーな香りが味の引き締めになります。

 

サーモンソテーの焦がしバターソース

 

 

<材料(2人前)>

サーモン 150g、ほうれん草 3束、舞茸 40g、タイム、塩、胡椒、オリーブオイル、(お好みで)イタリアンパセリ

焦がしバターソース:バター 70g、にんにく 2かけ、ローズマリー 2本、ケーパー 15g、プチトマト 4個、レモン 1/2個

 

<作り方>

1. サーモンを半分に切り、両面に塩、胡椒を振りかける。

2  舞茸・ほうれん草にひとつまみの塩をふりかける。フライパンにバター(分量外)を熱し、中火で舞茸を炒め、舞茸にある程度火が通ったらほうれん草をそのままの形で入れ、炒める。

3. フライパンにオリーブオイルを熱し、中火~弱火でサーモンを皮目から焼く。5分ほどたったら裏返して1分焼く。完成したらお皿に置いておく。

4. 焦バターソースを作る。バターをフライパンに入れ、最初弱火でバターを溶かし、みじん切りにしたにんにくとローズマリーを入れ、ケーパー、半分にカットしたトマトを入れる。香りがでたら一気に強火にし、色が茶色っぽくなれば火を止めてレモン絞る。

5. お皿にほうれん草、舞茸、サーモンを乗せ、焦がしバターソースをかけ、お好みでイタリアンパセリをトッピング。ひとつまみの塩を全体に振りかけて完成。

 

★ポイント

中火~弱火で皮目から5分間じっくり焼いたあと、裏面を1分焼くことで火が通り過ぎず、パサつかず、しっとり焼くことができます。

 

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