沢村一樹「勝負は“確認作業”」 孤高の馬主が見つめる“真の競馬”とは 「ザ・ロイヤルファミリー」【インタビュー】
-感情を表に出さない冷静な椎名を、どのように意識して演技に臨んでいますか。
椎名にとって、レースは「確認作業」なんです。それが正しかったか、正しくなかったか。もし勝ったら「これが正しかったんだ」という確認ができて、逆に負けたら「何を変えたらいいんだろう」という次の課題が生まれてくるだけで、それを確認しているから、あまり一喜一憂もしない。椎名は、100点を取るのに慣れている人。テストが返ってきて98点だったとしても、ミスを確認して「次は絶対に間違わないから100点だ」と、もう次に向いているんですよね、きっと。ただ、山王というライバルがいて、あそこのやり方には負けたくないと思いながらも、ちょっとうらやましいと思っているところもあるんですよね。山王のように「こいつは気に入った、だから信じる」みたいな、人間味のあるようなことは、椎名にはできない。うらやましいなと思いながらも、やっぱり自分のやり方で勝ちたいという椎名と、山王とのバチバチとしたところが見えたらいいなと思って演じています。
-撮影で馬と接していて感じることや、馬に対する印象の変化などはありましたか。
やっぱり馬って草食動物なんだなっていうのは、すごく感じます。めちゃくちゃ神経質なんですよ。犬や猫も、大抵は肉を食べるんですよね。馬は、あれだけ大きいけれど草食動物。繊細で臆病な生き物なんだなと思います。撮影の時に、馬が全力で走るところを柵の近くで見るのは危険だと聞きました。馬は全力で走りながらも、こっちをチラっと見るんです。例えば他のお気に入りの馬が遠くに走っているのが目に入ると、「あ!」となって、急に言うことを聞かなくなるんです。そういうところを見ていても、本来群れで生きているんだなということを、思い知らされたりしますね。馬には、これまでも何度も乗ったことがあるのですが、やっぱり競走馬は、ちょっと違う気がしますね。そのために育てられて、性格をすごく尊重されながら育っているというのも、あるかもしれないですね。
-ドラマの放映が始まり、周りからはどのような反響がありましたか。
僕らの世代からはもう、ものすごい支持を受けています。「面白い!」「こういうドラマが見たかった」と言われます。僕自身も、知らないことが多かったので、面白いなと思います。競馬は「ギャンブル」というひと言では言い表せない感じがして、スポーツでもあるんだなというのは、すごく感じています。
-第3話では、競馬事業の専任秘書となった栗須(妻夫木聡)が、新たな競走馬を求め奔走する中で、牧場経営の現実や、馬との絆なども描かれます。印象的なシーンや、見どころをお聞かせください。
僕は今まで、馬がトレーニングをする場所や厩舎との違いも分からなかったですし、それぞれの役割も知りませんでした。なので、僕と同じように、ドラマを通じて「なるほど」と思えるところがたくさんあると思います。3話では、牧場の経営だったり、それぞれの馬に対する考えの違いや、そこでの人間関係についても描かれているので、それが実際にどういう感じなのかを知っていただけると思います。

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