グレッグ・ターザン・デイビス「とにかく、ただ純粋に面白い映画を撮ることだけが、自分たちに与えられたミッションでした」『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』【インタビュー】
-クリストファー・マッカリー監督の印象は?
今や彼は自分のおじさんのような存在なので「マッカリーおじさん」みたいな呼び方をしていますが、自分にとっては先生ですね。彼は演出だけではなくて指導力もとても優れています。自分が恵まれていると思うのは、トム・クルーズという最高のトップスターとクリストファー・マッカリーという最高の監督に付いて回ることができて、彼らの映画作りの様子を間近でたっぷりと見させてもらい、吸収させてもらえたことです。本当にかけがえのない体験で財産になりました。
-では、トムがお父さんでマッカリー監督がおじさんなんですね(笑)。
もう一生、2人に付いていこうと思っています。
-この「ミッション:インポッシブル」の2作は、あなたにとってどんなものになりましたか。
子どもの頃にスパイごっこをやっていたことを考えると、それが現実になって夢がかなったという思いはあります。けれども、自分の俳優としてのキャリアはまだ始まったばかりなので、最初からこんなにすごい人たちと一緒に、恵まれたスタートが切れた自分はかけがえのない学びの場を与えてもらったと思います。もちろん生身でスタントをやったり、成功してきた映画シリーズの一部を背負うという責任感も改めて認識させられましたが、最もシンプルに学んだことは、俳優は単に演じるだけではなくて、ストーリーテラーでなければならないということでした。本来なら20年、30年とキャリアを積み重ねて学ぶべきことを、トムやマッカリー監督と3本続けて組めたおかげで身につけることができました。自分にとってはとても大きな財産になりました。
-今回演じるに当たって気を付けたことや心掛けたことはありましたか。
正しいことをしたいという正義感、そうしたドガのハートの部分を感情豊かに演じることに最も気を付けました。前作に比べると、そうした心情を前面に出していったところがあります。彼は常に自分の身の回りで起きていることに対して冷静に疑問を抱いています。今回は彼の立場が変わってイーサンに味方したわけですが、それでも「何であなたがそこまでやらなければならないんだ」とか「別にあなたがやらなくてもいいじゃないか」と疑問視しているのはドガだけだと思うんです。そうした面でも、微妙なバランス感覚みたいなものを表現することを心掛けました。
-ドガがイーサンを見る時の目線や表情の変化にそれは表れていたと思います。
気付いていただいてありがとうございます。
-最後に、日本の観客や読者に向けて一言お願いします。
このシリーズを、ずっと手掛けてきたマッカリー監督とトムにとっては、前作をしのぐ映画にすることを目指して撮ってきたと思いますし、その通りになったと思います。とにかく、ただ純粋に面白い映画を撮ることだけが、自分たちに与えられたミッションでした。IMAX仕様で作ったので、IMAXの大きなスクリーンで存分に楽しんでほしいと思います。もちろんスタントも含めて、皆がすごく頑張って作ったこの映画を心の底から楽しんでほしいです。
(取材・文・写真/田中雄二)

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