新原泰佑、世界初ミュージカル化「梨泰院クラス」に挑む「これは1つの総合芸術」【インタビュー】
世界中で大ヒットを記録した「梨泰院クラス」が、初めてミュージカル化される。主人公のパク・セロイを演じるのは小瀧望。日本・韓国・アメリカのクリエーターが集結し、さまざまな人種が混じり合う自由な街・梨泰院で権力格差や理不尽な出来事に立ち向かうセロイの姿を描き出す。セロイと対立するグンウォンの弟で、セロイのもとで働くグンスを演じる新原泰佑に、公演への意気込みや役作りについてなどを聞いた。

新原泰佑 (C)エンタメOVO
-出演が決まったときの率直な感想は?
「梨泰院クラス」が大きな話題となっていたことを知っていたので、ミュージカル化すると聞いたときは驚きましたし、キャスティングしていただきとてもうれしかったです。改めて、ドラマを見返してみると、僕のキャラクター性がグンスという役にハマったのかなと感じています。今からどんなプランで演じようか、ワクワクしています。
-グンスという役柄には、自分でも近いところがあると感じているのですね。
そうですね、二面性なところがあるのは似ているのかもしれません。例えば僕は陽のテンションのときと陰のテンションのときがあります。僕自身はそんな自分も好きなのですが、その二面性が結構、極端なんですよ(苦笑)。形は違えど、グンスも普段は人に見せない一面があったり、心の中にうごめいているものがあったりすると思うので、自分なりに精いっぱい向き合っていきたいと思います。
-演じる上でどんなところを意識したいですか。
物語の途中から、みんなで組んだ枠組みを僕が一蹴りで壊して、ブーストをかけないといけない役なので、そこまでにどう積み立てていくかが大事だと思っています。みんなで組み上げるものの綿密さと、一蹴りのパワーの対比を丁寧に表現したいです。
-舞台という限られた時間の中で、この壮大な物語を作り上げていくというのは、演じる上でも大変なところがあるのでは?
今回の舞台では原作の漫画をギュッと濃縮してお届けしなければなりません。そのお話をどうするのかは脚本家さんをはじめとしたスタッフの皆さんが作り上げてくださると思うので、われわれにできることは、そこに描かれていない時間をいかに自分の中で構築して表現するかだと思います。キャストの皆さんとそうしたことを共有して作り上げていければと思います。
-原作を読んだり、ドラマを見て、新原さんはこの物語のどんなところに魅力を感じていますか。
僕は韓国ドラマを見たのが、この作品が初めてだったんです。なので、最初の感想は、日本のドラマとこんなにも違うんだというのが第一印象です。単純に言ってしまえば、制作にお金と時間がすごくかかっている。そして、クオリティーも熱意も高い。梨泰院という活気あふれる街を舞台に、日本とはまた違う熱さを持った若者たちが出てきて繰り広げられる物語は、韓国らしさにあふれているなと思いました。自分と同年代の若者たちの話ですが、すごく大人びているように感じましたし、共感したというよりは感心したという気持ちが強かったです。緻密に計算された伏線の回収の仕方もすばらしく、舞台上で自分はどう演じればいいのか、とても悩んでいるところです。
ただ、僕は原作のある作品に出演するのが好きなんですよ。ドラマでも漫画原作の作品に出演させていただいていますが、原作を踏襲したいという気持ちが強いのでとても楽しく演じています。今回も舞台を見て原作を初めて知る方も、ドラマを好きな方も、ドラマを見ていない方も、全員に受け入れてもらえるようなものにしたいです。自分でもそれがすごく欲張りなことだと思っていますが、でも、それを出したい。今回も、演出の小山ゆうなさんがきっと僕が持っているものを一度バラバラにして、再構築してくれるのではないかと楽しみにしています。