飛騨で薬草めぐり体験 グルメ・日本酒も堪能!

 皆さんは「薬草」と聞いて、どんなイメージを持つだろうか。「ちょっと古臭い」とか「苦そう」、または「あまり身近ではない」と感じる人も多いのでは。実はハーブやスパイスは薬草の一種だし、有効成分が薬に用いられているものもある。
 今回は市の面積の9割以上を森林が覆い、およそ250種類もの薬草が自生する、岐阜県飛騨市で薬草めぐりを体験した。

▼来訪者も無料でコロナ検査
 新型コロナウイルスの緊急事態宣言が、全国的に解除されたとはいえ、旅行先での感染対策には注意したい。出発前にワクチン接種や感染検査を受けることが望ましいが、飛騨市では市民に加えて、来訪者を対象にしたコロナ検査を実施している。
 市役所駐車場の一角に設置された「まちなか簡易検査センター」では、市民や市内在勤者・在学者に加えて、市外からの来訪者も無料でコロナ感染検査を受けられる。検査は平日10時から18時、土日・祝祭日は13時から16時に実施し、期間は12月28日まで。検査回数に制限はなく、市のホームページから事前予約するか、予約がない場合でも当日会場で受付が可能となっている。
 飛騨市では90%以上の住民がワクチン接種を完了しているが(2021年10月中旬時点)、市民福祉部市民保健課の花岡知己課長は「人流抑制には、お願いベースの対策では感染拡大防止に限界がある」と指摘。水際対策として開設したまちなか簡易検査センターの利用者は、8月13日から10月18日まででのべ439人。そのうち約半数が市外からの来訪者だった。
 花岡氏は「来訪者が検査を受けることで、市民の安心感にもつながる。センターは観光スポットにも近く、休日を含めて毎日開設しているので、気軽に利用してほしい」と呼びかける。

▼森で薬草ハイキング
 コロナ検査で陰性結果を確認したら、改めて薬草めぐり体験を開始。
 まず訪れたのは、飛騨古川駅から車で15分の位置に広がる「朝霧の森」。南北に2つの遊歩道があり、どちらも30分ほどのハイキングコースになっている。
 遊歩道の傍らには、「ユキノシタ」や「ドクダミ」、「ヨモギ」などの薬草が自生する。
 ユキノシタは湿り気が多い場所に生息し、年中青い葉をつける。葉を乾燥させ煎じて飲んだり、葉の汁を患部に塗ったりして用い、ひきつけや腫れに効果があるという。丸みを帯びた葉には白い縦模様の斑があり、観賞用としても栽培される。
 一方、ドクダミは厄介な雑草として扱われることが多いが、立派な薬草。乾燥させた葉は整腸や利尿、生葉は排膿(はいのう)や抗菌作用があるとされる。
 子どもの頃、転んで擦りむいた傷口に、ヨモギの葉をつぶして塗った人もいるのでは。止血作用のほか、入浴剤にすると美肌効果も期待できるそうだ。
 ハイキングコースの南ルート中腹には、周辺の薬草を移植して集めた「薬草壇」が整備されている。説明プレートには分類や用途のほか、英語表記が記載されていて、森林浴を楽しみながら薬草について学べる。

▼ランチとお茶で薬草を味わう
 ハイキングでお腹が空いてきた昼時、気軽に薬草料理を味わえる店が「蕉水亭OHAKO」だ。おすすめは「薬草ランチプレート」、980円。
 メインディッシュのハンバーグには、血液をサラサラにするといわれる薬草「メナモミ」の粉末が練りこまれていて、副菜は高血圧に効くとされる「クワ」とキノコのソテー。8種類もの薬草の成分が含まれるスープのほか、薬草ドレッシングがかかったサラダ、野菜の素揚げ、黒米ごはんがワンプレートに。千円以下でこれだけの薬草を取れるとは、お得感満載。

 ランチの後、立ち寄ったのは薬草体験施設「ひだ森のめぐみ」。ここでは薬草商品の販売や薬草標本を展示しているほか、オリジナル薬草茶づくりや七味づくりが体験できる。
 オリジナル薬草茶づくりでは、施設スタッフの説明を受けながら、12種類の薬草から3つ選択し、合計でスプーン4杯分をドリッパーに取る。お湯を注いで3分間蒸らすと、自分だけのオリジナル薬草茶の出来上がり。
 薬草ランチ後の薬草ティータイム。なんだか体の細胞全体が喜んでいる感じがしてくる。

▼「味の外交官」が惚れた飛騨の食材
 体に優しい薬草のほか、飛騨で食したいグルメといえば、飛騨牛を始め地元野菜や日本酒も欠かせない。カナダやフランスなどで日本国大使公邸の料理人を10年間務めた、「飛騨市食の大使」の工藤英良さんに飛騨グルメの魅力を聞いた。
 「肉料理には一家言あるフランス人が、飛騨牛を一口食べるとみんな『トレビアン!』と言っていた」そうで、「サシがきめ細かい。霜降り部分でもさらっと食べられる」と飛騨牛を評価する。
 加えて「牛は毎日10リットルの水を飲む。飛騨の水質の良さも飛騨牛の肉質に影響があるのでは」と工藤さんは推測する。
 「味の外交官」とも言われる公邸料理人の経験を持ち、普段は東京のサロンや出張先で、日本料理人として腕を振るう工藤さん。現在はコロナ禍もあり、オンライン料理教室も開いている。「今後教室で旬な飛騨の食材を使いたい。家にいながら飛騨を感じてほしい」と、飛騨市食の大使として意気込む。

▼飛騨グルメと日本酒のマリアージュ
 この日は市内の飲食店経営者や日本酒の蔵元らに向けて、工藤さんによる「日本酒と料理のマリアージュ試食会」が開催された。
 工藤さんは飛騨の地酒について「米粒が大きい酒米『ひだほまれ』で作った日本酒はコクがあり、味に丸みがある」とし、「最近の料理で重視される『酸味』と非常に相性がいい」と分析する。
 試食会では「生くらげとエリンギの中華風マリネ」や「飛騨牛すき焼き」などのメニューが提供された。参加者は日本酒とのマリアージュ(組み合わせ)を味わいながら、工藤さんの解説に熱心に耳を傾けた。

▼飲食店・宿泊施設のコロナ対策を支援
 試食会に参加した飲食店や宿泊施設などのコロナ対策には、市からの補助金も活用されている。
 飲食店では、店舗に設置する手指用消毒剤やアクリル板のほか、テークアウト事業を新たに始める際に必要となる容器やチラシの経費を補助金の対象とした。
 また、江戸末期から続く料亭旅館「八ツ三館」では市の補助金制度を活用し、大浴場の混雑具合を客室から確認できるようにした。脱衣所の棚の半分を利用不可にしたうえで、残りの棚の上部に衣服の有無を感知するセンサーを取り付け、入浴者が3人までは「空き」、4人から8人は「普通」、9人以上は「混雑」と客室のタブレット端末に表示する。設備の導入には約40万円かかったが、3分の2を補助金で賄った。
 商工観光部観光課 齋藤由宏課長は「コロナ対策基準を満たした店舗には『安心安全宣言ステッカー』を配布している。市民と観光客の安全をしっかり守りたい」と語る。

▼健康のお裾分け
 飛騨市のコロナ対策は、市民だけでなく来訪者や事業者に対しても、目に見える形で実施されているため、薬草めぐり体験の滞在中も安心感が持てた。
 ゆったりした心持ちで、飛騨の薬草を使った料理やお茶をいただき、心も体もすっかり健康に。そして友達や家族への健康のお裾分けとして、お土産には飛騨産の野草グラノーラを大胆にトッピンングした味噌煎餅(みそせんべい)がおすすめだ。

 ハイキングにランチ、お茶に煎餅と、飛騨の薬草めぐり体験をたっぷり堪能した。
 城下町の面影を残す飛騨の市街地では、酒屋の白壁土蔵や出格子の家屋が連なる。脇には用水路として作られた瀬戸川が流れ、千匹ともいわれる色とりどりのコイが泳ぐ。遊歩道も整備されているので、風情溢れる町並みをゆっくりと散策できる。
 “トレビアン”な飛騨牛、“コクと丸み”のある日本酒、時間の経過を忘れてしまいそうな美しい景観。それらに加えて、心身ともに癒してくれる「薬草」という飛騨の新しい魅力にはまりそうだ。

 

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