「落語の森」食べ物あれこれ(ナ行)

 草がゆが登場する噺(はなし)が「七草」、二代目金翁(きんおう)を襲名披露興行中の四代目三遊亭金馬師(91歳)が正月の寄席でよく演(や)っていた。初席の風物詩といった感のある小噺のようなこの噺、息子のこちらも披露目中の金時改め五代目金馬師も聴かせてくれるのか。

 も「二番煎じ」などよく噺に出てくるが、変わった具材が入ってしまったのが「鍋草履(ぞうり)」。演り手のなかったこの噺を芝居好きな桂歌丸師が復活させ、楽しげに演じていた。今は、総領弟子で先日おじいちゃんになったばかりの歌春師や古今亭菊之丞師が演る。

 子(ス)は「人情八百屋」、元は講談というが立川談志師は浪曲から持ってきたと言っていた。後半は因果物でイヤなストーリー展開になるのでそこまでは演らない。「唐茄子屋政談」を彷彿(ほうふつ)とさせる噺で、「談志が死んだ」など多くの著作がある、作家で書評家の談志師高弟・談四楼師や、志らく師が受け継いでいる。

 酔って眠くなったスズメに京豆を投げてやって「おっ、ちょうどいい所に枕が」と喜んで眠ったところをヒョイっと捕まえよう、とたくらむのが「鷺(さぎ)取り」。南京豆をスズメの枕に、という発想がかわいい! 元は上方の噺で東京でも演じられているが、桂枝雀師にトドメを刺す。

 り飯とはあまり言わなくなって、おにぎり・お結びが一般的か。春風亭一之輔がよく演る「鈴ヶ森」に登場。四代目三遊亭円遊師や談志師とその一門、そして早逝した柳家喜多八師や歌丸師も演っていた。そういえばこの円遊師や先代(四代目)柳好師のような本格派ではないが、楽に聴けるフワフワした芸風の噺家さんが昔の寄席に行くといいタイミングで出ていたなァ。先代(四代目)柳家小せん師の肩の力を抜いた、今なら脱力系とでもいうのかひょうひょうとした高座、人間国宝・先代(五代目)小さん師の一番弟子というのも面白い。

 の登場は「動物園」、明治末期に上方の二代目桂文之助師が作った噺。動きもあり、分かりやすい噺なので東西で演られている。先代小せん師のニヤニヤしながらの高座を思い出す。枝雀師は「WHITE LION」というタイトルで英語落語として演っていた。この2月に第17回全日本学生落語選手権「策伝(さくでん)大賞」で優勝した神戸女学院大学のぷりん亭芽(め)りんさんもこの噺を英語で演り、審査員の桂文枝師から「言うことなし」とほめられた。

 味噌桶(かみそおけ)に足を突っ込んで大騒ぎ、が「品川心中」。古今亭志ん生・志ん朝親子、三遊亭圓生、先代(八代目)林家正蔵、先々代(三代目)桂三木助、先代(五代目)三遊亭圓楽、談志の各師を聴き比べてみると面白い。圓生・三木助の両師は登場する浪人の名をそれぞれの本名である山崎松尾と小林七郎で演って遊んでいた。

紫紺亭 圓夢(しこんてい・えんむ)

 

(KyodoWeekly10月26日号から転載)

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