
早稲田大学
早稲田大(東京都新宿区)はこのほど、同大の佐藤圭・助教と金沢大(石川県金沢市)のジェンキンズロバート准教授が、白亜紀における海生脊椎動物のカメと穿孔性二枚貝の共生関係を示す化石を発見した、と発表した。
カメなど脊椎動物の多くは体表が化石化しにくい軟組織で構成されるため、その体表に固着した生物の化石が見つかるのは珍しい、という。
「今後の地球生命史の研究において重要な情報」という二枚貝の「共生化石」は、北海道中川町の後期白亜紀カンパニアン期の地層由来岩石から、2001年発掘されたカメの甲羅の化石上に見つかった。甲羅の化石にある多数の穴が二枚貝の化石だった。
甲羅の化石を医療用CTでスキャンし、穴の3次元解析などを行った結果、穴は「穿孔性二枚貝」によって掘り進められたことが分かった、という。さらに甲羅の穴はカメの生存時点で開けられた可能性が高いことから、この化石は、白亜紀におけるカメと穿孔性二枚貝の共生関係を示すものだと結論した。
今回発見された化石は、中東の伝説上の巨大カメ「ザラタン」にちなみ「Karethraichnus zaratan」という学名がつけられた。
発見の詳細は早稲田大ホームページ;https://www.waseda.jp/top/news/69255