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教えて!「かくれ脱水」委員会

【医師監修】 新型コロナウイルス感染拡大の今、 『冬便秘』の放置が危険な理由とは?冬には特に増える!?

女性の半数が悩む『便秘』、冬には特に増えます。放置すると免疫にも影響が!その理由と対策を医師が解説。

2020年12月21日
教えて!「かくれ脱水」委員会

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202012208920-O26-HDX8Z2Qf
 

気温が低下し、湿度が低くなる冬は、『便秘』傾向になる方が増えます。
医学的には便秘の原因は様々ですが、その原因の一つが実は、『かくれ脱水』です。
                                   
腸が正常に便を作り、排便するには、①便自体に十分な水分が含まれていること、②腸管が機能するために十分な血液が行き渡っていることが重要ですが、冬に『かくれ脱水』を起こしていると、①や②の条件を満たしていないために便秘傾向となる可能性があります。

特に新型コロナウイルス感染症が拡大する今、このかくれ脱水からくる冬便秘を軽視するべきではないと、医師の谷口英喜先生は警鐘を鳴らします。その理由とは?

谷口先生に伺います。

 

監修医師
済生会横浜市東部病院 患者支援センター長/周術期支援センター長/栄養部部長
 「教えて!『かくれ脱水』委員会」副委員長 医師 谷口英喜先生

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202012208920-O6-61z0uE3E

専門は麻酔・集中治療、経口補水療法、体液管理、臨床栄養、周術期体液・栄養管理など。日本麻酔学会指導医、日本集中治療医学会専門医、日本救急医学会専門医、東京医療保健大学客員教授、慶應義塾大学麻酔科非常勤講師。1991年、福島県立医科大学医学部卒業。学位論文は「経口補水療法を応用した術前体液管理に関する研究」。著書「熱中症・脱水症に役立つ 経口補水療法ハンドブック 改訂版」/『イラストでやさしく解説!「脱水症」と「経口補水液」のすべてがわかる本』

 
感染症流行時の便秘を放置するのが危険な理由

便秘によって不要な内容物(便)が長時間腸内にとどまっていると、腸内細菌のバランスを悪化させ、免疫バランスの崩れを引き起こすリスクがあります。

医学の世界では、免疫機能を維持する目的で早期から点滴だけではなく、腸を使った栄養補給を積極的に行います。交通事故や、大手術の後でもできるだけ早期に腸を使うことが経過を改善させる策と言われています。その理由は、体内の免疫細胞の約7割が小腸にあるためです。

便秘になると、腸内に滞留した便が過剰に醗酵・腐敗して、腸内の悪玉菌が増え、免疫機能が正常に働くことを妨げてしまう危険性があります。

また、高齢者では便秘が長期化して便が腸を閉塞させて腸閉塞を起こし手術が必要になる患者も見られます。
免疫バランスを万全に整えておくべき今年は特に、冬便秘を解消しておきましょう。

 
そもそも「便秘」とは?
便秘とは、便中の水分が乏しく硬くなる、もしくは便が通る腸管が狭くなることで排便が困難、または排便の頻度が減ってしまう状態をいいます。
通常、健康的な人は1日1~2回の排便があるのが理想的ですが、それ以下の頻度でお腹の膨満感や不快感が生じる方は便秘といっていいでしょう。
排便が2~3日に1度でも排便状態が普通で本人が苦痛を感じない場合は便秘とはいいません。しかし、逆に毎日排便があっても便が硬くて量が少なく残便感がある、もしくは排便に苦痛を感じる場合は便秘といえます。

便秘を引き起こす要因には「不規則な食事・生活」「水分・食物繊維・脂質などの摂取不足」「低栄養」「ビタミン欠乏症」「全身衰弱」「緊張・恐怖・悲しみなどの精神的要因」「神経障害」「浣腸や下痢の乱用」「体質」「職業性(便意があっても排便するタイミングを逸してしまうなど)」「便意を抑制する習慣」などがあります。

便秘になると便通不良になるばかりでなく、腸内容物の腐敗などが進行して有害物質が生成され、下腹部不快感・膨満感・腹痛・悪心・嘔吐などの障害をきたす恐れがあります。

特に腸管に目立った疾患がある方(器質性便秘)ではない、腸管機能の異常による便秘(機能性便秘)には、下記の3種類があります。

1)弛緩性便秘:
大腸を動かす筋肉が緩み、蠕動(ぜんどう)運動がうまく働かないことによる便秘。

 
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2)直腸性便秘:
直腸内に大量に便がたまって水分が吸収され、硬くなった便が蓋をしてしまう便秘。

 
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3)痙攣性便秘:
ストレスや疲労などにより、大腸の運動に連続性がなくなってしまう、ないしは痙攣する便秘。

日本人の常習性便秘の約2/3は弛緩性便秘といわれます。
便秘はすべて、便の質や腸内環境とともに、腸の運動をコントロールする自律神経が正常に機能するよう整えることで改善が期待できます。

 
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コロナ禍の今年は「冬便秘」が起こりやすい…その原因は?

①長い自粛期間で筋力が衰えている

新型コロナウイルスの感染予防のための自粛期間が続いた今年は「冬便秘」が起こりやすいのです。
その原因は、長引く自粛期間に身体を動かしていないことから筋力が低下しており、排便するための腹筋が衰えてしまっていることが挙げられます。また、筋肉は水分を貯蔵するもっとも大きい臓器でもあるため、多くの人が身体に水分を保持しづらくなり、「かくれ脱水」に陥っている可能性があります。

②マスク着用で喉が渇きづらく、夏に比べますます水分を摂らなくなる

冬は夏に比べて汗をかきませんが、不感蒸泄(ふかんじょうせつ。呼気や皮膚などから体温調節のために自然に水分が蒸発すること)は夏同様行われています。しかし、目立って水分喪失をしていると意識する瞬間が少なく、また今年はマスクをしていることで喉が湿っていることから喉が渇いたという自覚がますます生まれづらく、水分摂取の頻度や量が減る傾向にあります。

③未曾有の感染症流行や不慣れな自粛生活による心理的不安

まだまだ収束する気配のない新型コロナウイルス感染流行や、今後の生活に対する不安など、目に見えない精神的なストレスが腸管をコントロールしている自律神経に及ぶ影響も、少なからず便秘傾向の一因となり得るはずです。

 
もしかして「冬便秘」?「冬便秘度」チェック

冬便秘には様々な要因がありますが、下記のいずれかに心当たりがないかを確認しましょう。

生活が不規則である  
✓朝ご飯を抜きがち
✓お腹を冷やしてしまっている
✓夏に比べて水分摂取頻度や量が減っている  
✓食べる量が少ない
✓野菜・フルーツを食べていない  
✓ヨーグルトやチーズなど乳加工品を食べる習慣がない
✓キノコや海藻を食べていない

 
便と腸内環境の改善の鍵は、「水分」、「食物繊維」、「乳酸菌」。

腸管にある内容物を、スムーズに体外へ出すためには腸内環境を整え、かつ、ある程度の水分が便に含まれている状態をつくることが重要です。
私が専門分野としている手術後の管理でも、手術でしばらく蠕動を休んでいた腸を動かす(蠕動を促進させる)最も良い方法は、食べたり飲んだりして腸管を刺激することであることが示されています。
以前は便秘の改善には運動したり薬を飲んだりすることが蠕動を促進するために良い方法だと考えられておりましたが、現在では、必要十分量の食事と水分の摂取が生理的に腸を動かすには最も優れていると考えられています。

また、手術の前後に乳酸菌飲料や乳酸菌を含んだ薬剤を積極的にとらせることも免疫機能の増強作用があり、手術成績を良くすることが示されています。手術後の便秘は、食欲を落とし体力を低下させ、免疫機能の低下を招き、合併症を増やすことも示されているので、それを防ぐためにも乳酸菌を活用するのですが、もちろん、術後ではない方の便秘解消にも効果的です。

 
水分の摂り方
就寝中は脱水しているので朝起きてまずコップ1杯、その後も、朝食時、昼食時、3時のおやつ時、夕食時、お風呂に入る前(お風呂でも脱水します)、就寝前と、少なくともコップ1杯の水を飲むようにしましょう。冷たい水のほうが腸を刺激するイメージもありますが、腸に到達する頃には体温で温まっていることも多いので、飲みやすい温度のものでいいでしょう。

 
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あまり頻繁に水分補給ができない、忘れてしまうという人は、小腸からもっとも吸収されやすい塩分・糖分濃度で作られている経口補水液を取り入れることで脱水状態が改善され、便秘が改善される場合も考えられますので試してみるのも良いでしょう。

 
食物繊維の摂り方
食物繊維が必要な理由には、便の量(カサ)を増してきちんと排出すること、腸内環境を整え免疫細胞などの働きを助ける善玉菌のエサを与えることが挙げられます。

便のカサを増やす食物繊維:不溶性食物繊維(水で溶けない食物繊維)が多い

<食品の例>ごぼうや大根など根菜類/大豆、枝豆など豆類/きのこ類/おから、玄米などの穀類や雑穀

 
善玉菌のエサになる食物繊維:水溶性食物繊維(水で溶ける食物繊維)が多い

<食品の例>わかめ、めかぶなどの藻類/こんにゃく、山いもなどいも類/オクラ、モロヘイヤなどのネバネバ野菜など/フルーツ など

 
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乳酸菌の摂り方:
水分や食物繊維の摂取量を増やすだけでなく、正常に栄養素を吸収できる腸内環境を作るためには善玉菌のエサとなる菌を補充することも有効です。発酵食品から積極的に乳酸菌を取り入れるような食生活を。

<食品の例>ヨーグルトやチーズを毎日食べる/納豆/キムチ/ぬか漬け/調味料は味噌、醤油や酢

 
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『冬便秘』も『かくれ脱水』!
谷口英喜先生
経口補水液
藻類
根菜類
ヨーグルト、チーズなど
弛緩性便秘
痙攣性便秘
直腸性便秘
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