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花王株式会社

スキンケアで、内因性のセラミドプロファイルの変化を確認

                                      スキンケアで、内因性の角層セラミドプロファイルの変化を確認

 花王株式会社(社長・澤田道隆)スキンケア研究所および解析科学研究所は、合成疑似セラミド※1を配合した製剤によるスキンケアにより、アトピー性皮膚炎患者の皮膚の角層の内因性セラミドプロファイル※2が変化することを確認しました。
 これは、日ごろのスキンケアの重要性、および、アトピー肌に対するスキンケアの新たな作用を見いだしたものです。
 本研究成果は、Journal of Investigative Dermatology, February 1, 2020 Online版にて発表しました。
※1 合成疑似セラミド(pCer):ヒト皮膚の角質細胞間で保湿・バリアの機能に重要な役割を果たす脂質である”セラミド”を模した脂質
※2 内因性セラミドプロファイル:内因性とはヒトが本来保有するものを指し、内因性角層セラミドには、3種の脂肪酸と4種のスフィンゴイド塩基の組み合わせパターンにより12の分子構造グループがあり(図1)、この分子グループ(分子種)のバランスのことをいう

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202007312685-O2-o03M5s4j】 図1 ヒトの内因性角層セラミド

研究の背景
 アトピー性皮膚炎は、免疫学的にはアレルゲンに対する高い感受性があり、それに加え、臨床的には皮膚の強い炎症性皮疹と乾燥症状として特徴づけられます。また皮膚表皮の最外層である角層の機能面において、バリア機能、水分保持機能の低下が認められています。このような角層機能の低下により、アトピー肌は外部刺激に感受性が高く、一見、症状が寛解(改善し治まること)したように見えても、再発を繰り返しやすく、皮膚にあらわれる強いかゆみや刺激感とあわせて、患者のQuality of Life (QOL)を低下させます。そのため、アトピー性皮膚炎診療ガイドライン※3においても、角層機能を正常化することによる症状の軽減や寛解状態の維持のために日常のスキンケアが推奨されています。
 アトピー性皮膚炎の皮膚では、皮疹のない部位でも角層セラミド量の低下が認められており、これが角層機能低下の要因のひとつであることが知られています※4。また、アトピー肌の角層において、セラミドプロファイルが健常皮膚と異なることが示されています※5。一方で、アトピー性皮膚炎における角層セラミドプロファイルの変化と角層機能との関連性はほとんど知られていません。
 そこで、本研究ではスキンケアによるアトピー性皮膚炎の角層機能の変化が、内因性セラミドプロファイルに及ぼす影響を調べました。
※3 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン: アトピー性皮膚炎の診療にあたる医療従事者を対象としたガイドライン(日皮会誌:128(12),2431-2502,2018)
※4 Imokawa G, Abe A, Jin K, Higaki Y, Kawashima M, Hidano A. J Invest Dermatol 96:52,1991
※5 アトピー性皮膚炎患者においてはセラミドNH、セラミドNPが少なく、一方、セラミドNS、セラミドASは多く、また、セラミドNSの炭素鎖長が短いという特徴がある(Ishikawa J, Narita H, Kondo N, Hotta M, Takagi Y, Masukawa Y, et al. J Invest Dermatol 130:2511,2010)

試験方法
 皮膚科医が薬物治療を必要としないと診断したアトピー性皮膚炎患者(N=38)からインフォームドコンセントを得て試験を実施しました。
 被験者は、保湿成分として合成疑似セラミド(pCer)を配合した試験ローションを1日2回、4週間使用しました。期間中は外用または内服の治療薬は使用せず、試験ローション以外のスキンケアも使用しませんでした。
 試験期間の前後にテープストリッピング法(粘着テープにより角層を接着・剥離して採取する方法)により前腕部の角層を採取し、試験ローションの連用により角層中に蓄積したpCer、および内因性セラミドプロファイルを順相液体クロマトグラフィー-エレクトロスプレーイオン化質量分析にて、また、角層水分量を皮膚コンダクタンス測定によって調べました。

研究成果
 試験ローション4週間使用の前後で、内因性の角層セラミドプロファイルに変化がありました 。具体的には、セラミドNH、セラミドNPの増加およびセラミドNS、セラミドASの減少(図2a)、また、セラミドNSの炭素鎖長の長鎖化が認められました(図2b)。これは、アトピー性皮膚炎患者に特徴的なセラミドプロファイルが、健常者のセラミドプロファイルにシフトしていることを意味しています。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202007312685-O5-5lDJp4CN
図2a 試験ローション使用前後における内因性セラミド各クラス比率(個々の分子種の比率)の変化

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202007312685-O6-Mp77pRnk

図2b 試験ローション使用前後におけるセラミドNSの総炭素数分布の変化

 また、試験ローションの使用によるpCerの角層への蓄積に関して、pCerの蓄積量が増えるほど、1)角層水分量が増し(皮膚コンダクタンスが上昇する)(図3a)、2)セラミドNSのクラス比率が減少し(図3b)、3)セラミドNSの平均総炭素数が上昇する傾向が認められました(図3c)。
   
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202007312685-O7-r8wYd6HA】 【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202007312685-O8-kFafd05q】 【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202007312685-O9-iFSAzO4V
          (a)             (b)          (c)

図3 pCerの角層蓄積量と、(a)角層水分量(皮膚コンダクタンス)との相関、(b) セラミドNSのクラス比率との相関、 (c) セラミドNSの平均総炭素数との相関、をそれぞれ示す

まとめ
 今回の試験では、アトピー性皮膚炎患者が、合成疑似セラミド(pCer)を含有するローションによるスキンケアを行なうことにより、pCerの皮膚角層への浸透のみならず、アトピー性皮膚炎患者が本来保有している内因性の角層セラミドプロファイルが正常化するという、大変興味深い試験結果が得られました。
 花王は、本試験で得られたアトピー性皮膚炎患者へのスキンケアに関係する知見を、今後の皮膚研究の深化に役立てていく予定です。

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