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東洋大学

【2020×東洋大学】2021年パラリンピックはバリアフリー加速のトリガーになる

2020年7月22日

東洋大学

<NewsLetter Vol.10>
東洋大学は研究成果である「知」で2020へ貢献します

2021年パラリンピックは
バリアフリー加速のトリガーになる

 本ニュースレターでは、東洋大学が2020年から未来を見据えて、社会に貢献するべく取り組んでいる研究や活動についてお伝えします。
 今回は、情報連携学部 情報連携学科 坂村 健 教授に、パラリンピック開催で注目の高まるバリアフリーマップと情報連携学部の取り組みについて聞きました。

【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/202007172169-O1-Y6Mo11oP
情報連携学部 情報連携学科 坂村 健 教授

Point
1.ICTを活用したバリアフリー・ナビプロジェクトとは
2.学部を挙げてプロジェクトに参加し、 2021年のレガシーに
3.バリアフリーの「ハブ(HUB)」にも

ICTを活用したバリアフリー・ナビプロジェクトとは

国土交通省の推進する「バリアフリー・ナビプロジェクト」の取り組みについてお聞かせください。
 私は「ICTを活用した歩行者移動支援の普及促進検討委員会」の委員長として、このプロジェクトに関わっています。日本の情報通信技術(ICT)の整備が進むに伴って、私たちはPCやスマートフォンで地図情報を得ることができるようになりました。しかし、車いすや視覚障がい者の方向けの情報はほとんど整備されていないのが現状です。社会の高齢化と共にバリアフリー対策が注目される一方、なぜ十分な情報が提供されていないのか。それは、ひとえにその整備に際限のないコストと手間がかかるからです。建物や道路は新しく生まれたり無くなったりと生き物のように変化するもの。国や地方自治体の力だけで、その変化に対応して詳細なバリアフリー情報を更新し続けるには限界があります。 
 そこで私たちは、多くの人々が協力してバリア情報を継続的に収集・整備する体制を実現するため、「オープンモビリティガイド・プラットフォーム」の構築を推進しました。一般の人々もweb上で簡単に入力できることを前提とした「歩行空間ネットワークデータ整備ツール」の作成と、その情報を誰もが活用できる「歩行者移動支援サービスに関するデータサイト」の開設を推進。さらに、地方自治体や民間事業者などが、それらの情報をユニバーサル社会に対応するサービスに活用できるよう、データのオープン化も進めています。社会の高齢化が加速する中で、政府や自治体だけでなく、国民一人ひとりが意識改革を行い、社会環境づくりに参加することが必要となってきました。また、幅広い年代が多様なアプリやSNSを自在に使いこなす時代となり、 2020年からは5Gの本格導入も始まることで、この新しいプロジェクトを多くの方々が活用しやすい環境が十分整ってきたと感じています。

具体的にはどのような仕組みなのでしょうか。
 ICTを活用した歩行者移動支援サービスは「携帯情報端末」「測位技術」「情報データ」の3要素から形成されます。「歩行空間ネットワークデータ整備ツール(現在は試行版)」は、歩行者のナビゲーションとなる歩行空間の形状や幅、段差や勾配の角度、信号やエレベーターの有無などの情報をweb地図上に入力できるもの。そして、これらの情報を集約した「歩行者移動支援に関するデータサイト」で、健常者の方には現在地から目的地までの最短ルートを表示。車いすやベビーカー利用の方には、段差や急勾配、幅員の狭い箇所などのバリアを避けた通行可能なルートの検索とナビゲーションを提供するしくみです。現在は、歩行空間ネットワークデータの作成を体験できるサイトを開設しています。
データ整備ツール体験版 https://www.hokoukukan.go.jp/top.html

【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/202007172169-O2-vwd8NU3x

学部を挙げてプロジェクトに参加し、2021年のレガシーに

東洋大学での取り組みについてお聞かせください。
 私が学部長を務める東洋大学情報連携学部(INIAD)もこのプロジェクトに参加し、学部を開設した2017年から、キャンパスのある東京都北区赤羽台周辺のバリアフリーマップを作成する取り組みを推進してきました。1年生の必修科目のひとつとして位置づけ、年間約400人、4年目の今年でのべ約1600人の学生が参加することになります(※)。最寄り駅である赤羽駅からキャンパスまでの道のりにも急な坂道があり、車いすで通行できるルートとできないルートがあります。そのような場所では、実際に車いすで通行できるか実験を行いました。INIADでは、このような体験によって得られたノウハウから、どうやってデータを作成するのか、どんな参加方法があるのかなどをまとめた報告書をネット上で随時更新しているほか、シンポジウムやセミナーを開催して議事録も公開。これらを2021年のレガシーとして残そうとしています。大切なのは、完成したマップだけでなく、どうやって作るのか、どうやってメンテナンスするのかを多くの人々に理解してもらうこと。なぜなら、このプロジェクトはずっと継続していく必要があるからです。特定の人だけではなく、一人ひとりのバリアフリーに対する意識が変わり、日本全体で参加するプロジェクトになることを願っています。
※学生の参加については新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、2020年度は実施を延期中。

バリアフリーの「ハブ(HUB)」にも

2021年以降も、バリアフリーナビはさらに繋がり、拡がっていくプロジェクトなのですね。
 東京パラリンピックは意識変化に向けたひとつのトリガーといえます。バリアフリーや超高齢社会への取り組みは、SDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)に繋がることでもあり、世界的に関心が高まっているテーマ。この東京でパラリンピックが開催される2021年、シンポジウムをはじめ、さまざまな機会でバリアフリーや高齢化問題への理解を深めていきたいと考えています。また、UR都市開発機構との連携によるICT技術を駆使した「未来の団地」プロジェクトをキャンパスに隣接する赤羽台団地で行っていますが、学生が作ったバリアフリーマップに、たとえば鉄道・バス会社とIT企業から成る「公共交通オープンデータ協議会(略称ODPT)」のデータを融合すれば、高齢者の外出に役立つ情報を未来の団地内で提供することも可能です。INIADは、これからもバリアフリーや高齢化などの社会課題に向き合うと共に、さまざまな連携を図ってより良い社会の実現に向けた研究・人材育成を推進していきます。

【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/202007172169-O3-mDYHy7mA
坂村 健(さかむら けん)
東洋大学 情報連携学部 情報連携学科 学部長/教授/工学博士
専門分野:コンピュータ・アーキテクチャ
研究キーワード:IoT、ユビキタス・コンピューティング、リアルタイムオペレーティングシステム
著書:IoTとは何か 技術革新から社会革新へ [角川新書]ほか

【本News Letterのバックナンバーはこちらからご覧いただけます。】
https://www.toyo.ac.jp/s/letter2020/

情報連携学部 情報連携学科 坂村 健 教授1
情報連携学部 情報連携学科 坂村 健 教授2
情報連携学部 情報連携学科 坂村 健 教授3
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