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公益社団法人日本看護協会

日本看護協会が第10回「忘れられない看護エピソード」審査結果発表

心温まり、和み、ほろりとする作品まで21作品が決定!

公益社団法人 日本看護協会(所在地:東京都渋谷区/会長:福井トシ子)が募集した第10回「忘れられない看護エピソード」の入賞作品が決定しました。

 

厚生労働省と日本看護協会は、毎年5月12日の「看護の日」と同日を含む日曜日から土曜日までを「看護週間」とし、この期間を中心にさまざまな事業を展開しています。本コンクールはその取り組みの一つで、看護の現場で生まれた心に残るエピソードを募集・表彰するものです。受賞作品を通し、看護の大切さを感じていただくと共に、看護の心やケアの心を育む一助となることを目的としています。今回は、全国から2,702作品のご応募をいただきました。

 

今年は、看護の基礎を築いたナイチンゲールの生誕200年です。2020年末まで、看護職が持つ可能性を最大限に発揮し、人々の健康向上に貢献するために行動する「Nursing Now」キャンペーンが世界各国で行われています。また今年は「看護の日」制定から30周年でもあります。そこで今回は「看護職部門」(看護師など看護を行う側の方々が対象)と「一般部門」(患者さんやそのご家族など看護を受ける側の方々が対象)の他、看護の力を発揮して、人々の健康に貢献したことを実感した看護実践・経験を募集する「Nursing Now部門」(看護師など看護を行う側の方々が対象)の3部門で募集を行いました。看護職部門・一般部門で、それぞれ最優秀賞1作品、内館牧子賞1作品、優秀賞3作品、入選5作品が、またNursing Now部門でNursing Now賞1作品が選ばれ、合計21作品が受賞しました。

 

さまざまな場面で生まれた心温まるエピソードを、ぜひご覧ください。全入賞作品を収載した「第10回『忘れられない看護エピソード』集」(小冊子)を希望者に先着順でプレゼントするほか、作品は日本看護協会HP(https://www.nurse.or.jp/)からもご覧いただけます。

 

なお、看護職部門・一般部門の受賞作品について、特別審査員の内館牧子さんとゲスト審査員の荻野目洋子さんから、以下の通り講評とコメントをいただきました。

 

【内館牧子さん講評】

 

新型コロナウイルスの感染拡大で、今、世界中の医療現場が「戦時」である。各国の医師、看護師をはじめ、医療従事者がどれほど捨て身で立ち向かっているか。それを世界中の人が認識し、感謝している。 

その一方、今回の「看護エピソード」でよくわかる。「平時」にあっても看護の力がどれほど人を救うか。どの文章もその認識と感謝にあふれている。誰しも思うだろう。「彼ら彼女らに、より一層の待遇で報いてほしい」と。

 

【荻野目洋子さんコメント】

 

それぞれの受賞作に心打たれました。患者さんやそのご家族の人生に優しく力強く寄り添ってくれる看護師さんの一言は、どれだけ心の支えになるでしょう。初めての出産時、明るい笑顔で常に支えてくれたこと、今も忘れられません。思春期に差し掛かった娘たちの悩みに向き合う今、「あの時もらった笑顔で私も励ましていこう!」って思います。「笑顔の輪」を繋げていきたいと思います。

 

■第10回「忘れられない看護エピソード」について

 

【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M105845/202005109755/_prw_PT1fl_0fee7ZXb.png

 

■入賞作品一覧   ※敬称略

 

【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M105845/202005109755/_prw_PT2fl_q5kZg3Q9.png

 

【入賞作品のご紹介】

 

最優秀賞(看護職部門)

その声は  【佐賀県】齋藤 泰臣 43歳

 

 「病院まで遠いよ。最期の会話になるかもしれない」「そんなことない。間に合う」と小声で言い争う男女の声が、師走の電車に揺られていた私の耳に入ってきた。聞き耳を立てるつもりはなかったが、切羽詰まった男女のやり取りと内容が気になった。

 

 夫婦と思しき2人は、携帯電話をのぞき込み会話を続けていた。「電話したほうが良いよ」「いや、人の迷惑になる。駅に着いてからでいい」。他の乗客も気になるのか、2人に視線を向けていた。「意識なくても耳は聞こえるって。掛けなさいよ。お義父さん、待っているよ」「電車内だから掛けられないよ」。お互いに感情が高ぶり、少しずつ声が大きくなっていた。携帯電話の向こう側で、息を引き取ろうとしている父親がいて、臨終の場に間に合わない状況にあるということは、その場の誰しもが理解できた。

 

 緩和ケア病棟に勤務する私にとっては、静観できない場面であった。病棟では家族から患者への最期の声掛けを、後悔がないように気持ちを伝えることを促してきた。躊躇いながらも席を立ち、2人に近付こうかとした時、「電話、掛けたほうがいいですよ」と2人の正面に座っていた女性が声を掛けた。近くにいた乗客も見守りながら頷いている。背中を押されたように男性が電話を掛ける。「お袋、親父の耳元に携帯電話を置いてくれ」。電車内に声が響く。「親父、親父が一生懸命働いてくれたから、俺たちは腹一杯に飯が食えて、少しもひもじい思いしなかったよ。心配しないでいいから。本当に、本当にありがとう」。静まり返る電車内で嗚咽を懸命に抑える男性。苦情を言う者などいもしなかった。

 

 2人は何度も乗客に頭を下げながら、目的の駅で降りていった。電車内に師走の喧騒と冷気が入り込む。しかし、言葉にはできない胸の温かさを私は感じていた。あの場にいた誰もが、まさに「看護」をしていた。そして誰もが胸の温かさと同様に感じていただろう、「その声は届いている」と。

 

最優秀賞(一般部門) 

今も元気に出してます 【大阪府】新田 剛志 40歳

 

 あの日を一生忘れません。すごく寒くて、お天気が良くて、そして夕日が本当に綺麗な日でした。ただその前の1カ月ほどは眠れず、食事も採っておらず、心も病んでいました。

 私は勤務先の会社でトラブルを起こしてしまい、その日は人事部長と面談することになっていました。会社が関係を別つことを告げるために設けられた会合でした。

 

 とあるホテルでの会合を終え、会社への帰路につきました。社会人としての全てを否定され、経験の浅い私は、存在そのものを否定されてしまったと受け止めてしまいました。状況を受け入れるには経験が少なすぎ、考えは悪い方にしか向かず、家族に対して果たすべき責任の取り方も、自分の命を引き換えにする以外に思い浮かばなくなっていました。

 会社がある駅についても会社へは足が向かわず、駅のトイレでは何を考えても涙が止まりませんでした。

 重い足を引きずり、構内を出て、駅前の広場を通ると、献血バスが目に入りました。過去に何度か経験があったため、逃げ込むように献血バスに行きました。

 

 簡単な手続きをして、採血のために利き腕を差し出した際、担当してくれた看護師さんが「とても立派な血管ですねぇ、採血がしやすいです」と褒めてくださいました。私がそんなに採血しやすいですか?と尋ねると「すごい勢いで出ています。濃さもしっかりしていて本当にありがたいですね。こんな血管を持っている人がたくさんいると助かりますね」とまた褒めてくださいました。零れ落ちそうな涙を必死にこらえ、看護師さんに別れを告げ、バスを出ました。

 

 空にはびっくりするほど綺麗な夕日が見えました。

 あの時の看護師さん! 本当にありがとうございます。あなたが血管と血液を、私の存在を褒めてくださったおかげで、今も元気に生きています。献血は50回を超えましたよ、先日は骨髄バンクドナーとして、骨髄提供もしました。看護師さん本当にありがとう! 

あなたは命の恩人です! 今も元気に出してますよ!

 

Nursing Now賞(Nursing Now部門)

セルフケア看護の実践によるハピネス 【東京都】渡邉 美香 51歳

 

 私は循環器内科病棟の看護師長をしていました。ある一人のナースの看護実践により、スタッフの患者さんを捉える視点が変化しました。

 Aさんは60代の一人暮らしの男性で、心不全の急性増悪で緊急入院を繰り返していました。Aさんの入院に対して、スタッフは「また、Aさんが入院してきた」と言っていました。私は、その発言にネガティブな感情が現れているのが気になっていました。そこで、M看護師に、患者の強みに着目したセルフケア能力の評価指標を活用した看護の実践を提案しました。M看護師とAさんが一緒に生活を評価することで、Aさんは病気を理解し、水分・塩分に気を付けているが、受診のタイミングが分からず、重症化してからの入院になっていたことが分かりました。タイミングを話し合った結果、Aさんは風邪かなと思ったら、様子を見ずに受診するようになり、入院となっても軽症のため早期に自宅退院できました。

 

 Aさんを生活者として捉えた寄り添う看護の実践は、いくつかのハピネスを生み出しました。Aさんにとってのハピネスは、入院が短くなったことです。入院による体力の低下が起きず、治療費も抑えられます。看護師にとってのハピネスは、患者さんを捉える視点の変化です。「どのような生活をしていたのかな」と生活者としてのAさんに着目するようになり、患者さんを多面的に捉えて強みを引き出し、入院中から退院後の生活を一緒に考えるようになりました。

 

 看護管理者(私)にとってのハピネスは、患者さんが尊重される職場風土の醸成ができたことです。患者さんとスタッフ双方の変化や成長を実感しました。中でも、M看護師自身が、スタッフの患者を捉える視点の変化に自分の取り組みが影響を及ぼしていると気付く過程は、ダイナミックな様相を呈していました。最後に、病院としても、患者が重症化しないことは入院期間の短縮に繋がり、診療報酬上もベッドの有効活用の点でも利益がありました。

 

【Nursing Now賞 講評(日本看護協会)】

 

ナイチンゲールの生誕200年である2020年末まで、看護職が持つ可能性を最大限に発揮し、人々の健康向上に寄与するために行動するNursing Nowキャンペーンが世界的に行われています。今回、これにちなんで設けられたNursing Now部門では、看護の力で人々の健康に貢献したことを実感した看護実践・経験を募集しました。

 

Nursing Now賞の受賞作品は、看護師長である作者が、看護の質向上の観点からスタッフと患者との関わりを綴っています。患者へのケアや支援だけでなく、スタッフの育成や病棟管理などの視点を持ち、多面的な成果を記した点が評価されました。患者を尊重した看護の実践が、スタッフや組織の成果にもつながった、同賞にふさわしい作品です。

 

【Nursing Now賞 解説(日本看護協会)】

 

Nursing Now賞の受賞作品「セルフケア看護の実践によるハピネス」は、病棟の看護師長である作者の目を通して、慢性疾患の患者と看護師との関わりが、患者のみならず、ほかのスタッフや組織にも良い影響を与えていった様子を描いた作品です。

 

地域包括ケアシステムが進み、在宅での療養が重視される中、作者が勤める急性期病院でも、入院中から退院後の生活を意識した看護を進めていました。入院は、退院後の地域での生活を考える機会でもあり、看護師は、退院後の生活を見据えて最大限、患者の持っている力を引き出すことが大切です。

作者は、心不全で緊急入院を繰り返していた患者Aさんに対し、効果的に行動変容を促し、セルフケアを支援することが大事であると考え、SCAQ(Self-Care Agency Questionnaire)という評価指標を使うことを担当の看護師Mさんにすすめました。SCAQは、患者がふだんの生活や療養上、気を付けている点などについての質問に回答し、各項目をレーダーチャート化して評価する、患者の強みを引き出すことに着目したツールです。

 

Aさんが患う心不全は、急性憎悪で入院して状態が悪化すると、入院期間が1カ月に及ぶこともあります。しかし、体調に異変を感じた時点で、できるだけ早く受診してもらうと、1週間ほどで退院できることも多くあります。

 

SCAQを使うことで、患者は自らの状態を知り、病気を抱えながら生活していく上でのヒントが得られます。入院時から看護師が一緒に評価を見ていくことで、退院後の生活を一緒に考え、患者の強みを強化し気付きを促すこともできます。

Aさんも、SCAQを使う中で自らが重症化してから入院していたことに気付き、軽症のうちに対処して、入院期間が短縮化されるという成果が出ました。さらに、Aさんの自己管理の様子が分かったことで、Aさんに対する看護の在り方も変わりました。作者は、スタッフとともにAさんの努力を再評価し、病気が悪化しないための関わりから見えたことをスタッフに問い掛けました。慢性疾患を持つ患者に「指導」するのではなく、一緒に考えるプロセスを大切にしていったのです。

こうした中で、M看護師にも変化が生まれました。日々の業務を効率的にこなすのではなく、多面的に患者を捉え、患者自身が生活や病状をうまく語れるような場をどのようにつくるかを考えるようになったのです。M看護師は、看護の力や自らの影響力に気付き、それを部署のスタッフに伝えたいと、カンファレンスを開くまでになりました。

 

こうした変化には医師も驚き、院内での看護の関わりに対する評価も変わりました。作者も、医師の評価を看護師たちに伝え、作中で「ダイナミックな様相」と表現してM看護師の変化や成長をたたえています。作者は看護管理者として、M看護師が大きな経験を得たことや、スタッフからAさんに対するネガティブな言葉が消え、患者の尊厳を守る風土が生まれたことが何よりうれしかったといいます。

作中では、慢性疾患で再入院する患者を単に自己管理が不十分だったと見るのではなく、ツールをうまく活用して状態を客観的に評価しました。本作品には、患者が自らの状態に気付き、看護師がそれを支えていくという真摯な看護の在り方を大切にしたい、という作者の思いが込められています。

 

2015年、国連のサミットで採択された持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向け、本会が掲げた目標「住民の健康を支える看護モデルの確立」が示すように、今後、療養の中心が地域になっていくとき、看護職が率先して貢献することが求められています。本作品は、急性期病院を舞台としながらも、地域で生活する患者への視点がしっかりと認識され、取り組んでいたことも大きな魅力でした。また、Nursing Nowの活動では、看護のエビデンス収集も目的の一つとなっています。このエピソードのように、普段の看護実践の中で成果があったことについてプロセスやアウトカムを明らかにし、広く共有していくことが期待されます。

 

■入賞作品の公表

 

入賞した作品を、下記の方法で発表します。

1.公式ホームページなどで公開

受賞作品を日本看護協会ホームページ(https://www.nurse.or.jp/)や機関紙「協会ニュース」などに掲載します。

 

2.入賞作品の中から複数作品をBS日テレで連続ドラマ化

1~10回の入賞作品の中から厳選した複数作品をドラマ化し、BS日テレで放送します。放送後はその映像を日本看護協会ホームページ(https://www.nurse.or.jp/)やその他WEBでも公開します。

【放送日時】2020年秋~(全26回)

 

 

3.第10回「忘れられない看護エピソード」集プレゼント

入賞作品を収載した小冊子「第10回『忘れられない看護エピソード』集」をご希望の方にプレゼントします(お1人様1、送料無料)。なくなりしだい、終了となります。はがき、FAX、または日本看護協会ホームページの応募フォームから、必要項目①郵便番号②住所③職業④氏名⑤電話番号を明記の上、日本看護協会広報部「小冊子プレゼント」係あてにお申し込みください。

 

<申込み先>

・は が き :  〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-8-2 日本看護協会広報部「小冊子プレゼント」係

・F A X :  03-5778-8478(件名に、「小冊子プレゼント希望」と明記)

・W E B :  https://www.nurse.or.jp/episode/

※記載いただいた個人情報は、小冊子発送のためにのみ使用いたします。

 

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小冊子「第10回『忘れられない看護エピソード』集
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