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国立研究開発法人情報通信研究機構 広報部

世界初、光コヒーレント伝送方式のための新しい受信方式を開発

2019年4月25日

国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)

世界初、光コヒーレント伝送方式のための新しい受信方式を開発
~複雑で精密な光回路が不要、光の強度情報のみから位相情報を回復する~

【ポイント】
■ 効率的に大容量通信を実現する光コヒーレント伝送方式のための新しい受信方式を開発
■ NICT独自のデバイス技術と信号処理技術を組み合わせて光受信回路をシンプルに
■ 将来の100Gアクセスに向けたシンプルな超小型光受信機の実現に期待

 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、理事長: 徳田 英幸)ネットワークシステム研究所は、独自に開発した高速集積型受光素子と位相回復信号処理アルゴリズムを用いた、新たな光コヒーレント受信方式の実証実験に世界で初めて成功しました。現在、長距離系光ファイバ通信網で利用されている光コヒーレント受信機には、高精度な光源と複雑で精密な光回路が必要ですが、今回は、この複雑な光回路を用いる代わりに、受光素子を二次元に配置した集積型受光デバイスを用い、散乱させた光信号を画像的に受信し、位相回復信号処理を施すことで、光コヒーレント受信に成功しました。これにより、光回路を大幅にシンプルにすることができました。位相回復技術は、これまで、天文などの物理学の分野で知られていましたが、今回、光通信に特化したアルゴリズムを開発し、初めて、実際の大容量通信実験に成功しました。
 本成果により、光源や複雑で精密な光回路が不要で、超小型でシンプルな光コヒーレント受信機が実現可能となり、受信機の小型化が求められる光アクセス網の大容量化が期待できます。

【背景】
 現在、通信事業者等の長距離系光ファイバ通信網では、光の強度と位相に情報を乗せる光コヒーレント伝送により、毎秒100Gビットを超える大容量通信を実現しています。さらに、FTTHなど身近な光アクセス網でも光コヒーレント伝送の導入が検討されています。しかし、光信号の受信に用いられる受光素子は、光の強さ(強度情報)は検出できますが、位相は検出できないため、光コヒーレント方式信号の受信には、高精度な光源や複雑で精密な光回路が必要となります。そのため、受信機の小型化が求められる光アクセス網では、光コヒーレント伝送の導入が進んでいませんでした。

【今回の成果】
 今回NICTは、新たに開発した位相回復信号処理アルゴリズムと2017年に開発した超小型かつ高速な二次元集積型受光素子を組み合わせることで、受信機内の光回路を大幅に削減し、シンプルにする「位相回復型コヒーレント受信方式」を提案し、その実証実験に、世界で初めて成功しました(図1参照)。

【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201904245777-O1-5IUGAxVv
図1 位相回復型コヒーレント受信方式のイメージ図

 本方式の構成要素は、以下のとおりです。
 ・受信した光の位相を二次元的な強度パターンに変換する散乱体
 ・散乱体で変換された強度パターンを一括受光する二次元集積型受光素子
 ・強度パターンから光の位相を逆算する位相回復信号処理アルゴリズム

 位相回復技術は天文などの物理学の分野で知られていますが、計算量の大きさなどから、高速光通信へは応用されてきませんでした。今回、新しく開発したアルゴリズムでは、光位相変調信号の限られた位相状態に着目し、その計算量を大幅に削減することができました。本実験では、毎秒40Gビット相当の偏波多重QPSK信号を伝送し、位相回復型コヒーレント受信に成功しました。
 なお、本実験の結果は、米国サンディエゴで3月に開催された光ファイバ通信関係最大の国際会議の一つである第42回光ファイバ通信国際会議(OFC2019)で非常に高い評価を得て、最優秀ホットトピック論文(Post Deadline Paper)として採択され、現地時間3月7日(木)に発表しました。

【今後の展望】
 今後は、16QAMといった、より複雑な波形を持つ光信号の復調や、より効率的な散乱体の設計など、信号処理技術・デバイス技術の両面から、位相回復型コヒーレント受信方式の実用性の向上に取り組んでいきます。
 今回開発したコヒーレント受信方式は、光ファイバ通信のみならず、高精度な光測距や大容量の空間光無線通信など、超小型化が求められる身近な光ICTシステムへの多様な応用も期待されます。

今回開発した「位相回復型コヒーレント受信方式」
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