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早稲田大学

宇宙からの直接観測で3テラ電子ボルトまでの高精度電子識別に初めて成功

2017年11月2日

早稲田大学

宇宙からの直接観測で3テラ電子ボルトまでの高精度電子識別に初めて成功
国際宇宙ステーション搭載の宇宙線電子望遠鏡(CALET)による電子スペクトル測定

早稲田大学理工学術院教授・CALET代表研究者 鳥居 祥二(とりい しょうじ)、同次席研究員 浅岡 陽一(あさおか よういち)と国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究グループは、国際宇宙ステーション(ISS)・「きぼう」日本実験棟の船外実験プラットフォームに搭載された宇宙線電子望遠鏡(CALET:高エネルギー電子・ガンマ線観測装置)で、これまで困難であったテラ電子ボルト領域において、3テラ電子ボルトまでの高精度エネルギースペクトルの測定に成功しました。

2015年8月に「きぼう」船外に設置され、同年10月より高エネルギーの宇宙線観測を開始したCALETは、日本の宇宙線観測としては初めての本格的な宇宙実験を長期にわたって行っています。

高エネルギーの宇宙線がどこからきてどのように加速されたのか(=高いエネルギーを得たのか)は、まだ充分にはわかっておらず、宇宙に残された未解明の問題の一つとされています。観測対象である高エネルギーの宇宙線のうち最も重要なものの一つが電子です。しかしながら、(1) 高精度でのエネルギー測定、(2) 非常に小さい流束を検出する感度、(3) 同じエネルギーで1000倍以上となる陽子からの識別、が全て必要となることにより、これまで1テラ電子ボルトを超えるエネルギーを持つ電子を計測することが困難とされていました。従来の観測装置より高度な機能を有するCALETの検出装置「カロリメータ」は、その特徴を活用し、かつ国際宇宙ステーション搭載によって可能になる長期観測という条件を組み合わせることで、テラ電子ボルト領域にわたる高エネルギー電子スペクトルの精密測定を可能としています。

今回の観測結果は、これまで困難であった1テラ電子ボルトを超えるエネルギーをCALETが高い精度をもって直接測定出来ることを証明しました。今後、5年間の観測データを蓄積し全データを解析することで、今回の結果の約6倍の統計量を達成することができます。検出器のより深い理解による系統誤差の削減とあわせて、観測エネルギー範囲を拡大し、20テラ電子ボルトまでの全電子スペクトルをかつてない精度で測定することが目的です。これらの電子スペクトルの測定により、近傍加速源を発見し、暗黒物質の正体を解明していくことが大きく期待されています。

本研究成果は、国際学術雑誌『Physical Review Letters』オンライン版に2017年11月1日に掲載されました。

掲載論文
https://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/PhysRevLett.119.181101

早稲田大学ウェブサイト
https://www.waseda.jp/top/news/55037

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