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学校法人同志社 同志社大学

生命医科学部小泉教授、奥村准教授の研究成果が「Scientific Reports」に掲載

2017年8月3日

学校法人同志社 同志社大学 

フックス角膜内皮ジストロフィは
TGF-βシグナルの活性化を抑えると治療できる?
~角膜移植に代わる目薬の開発につながる発見~
「Scientific Reports」に掲載

【本研究のポイント】
● フックス角膜内皮ジストロフィではTGF-β シグナルが活性化していることを発見しました。
● TGF-β シグナルの活性化は、小胞体ストレスを生じさせ細胞死を引き起こすことを明らかにしました。
● TGF-β シグナルを阻害することで、患者由来の疾患モデル細胞の小胞体ストレスを抑えることができました。
● 現在、唯一の治療法は角膜移植ですが、TGF-β シグナル阻害剤をフックス角膜内皮ジストロフィの治療薬として開発できると考えています。

【本研究の内容】
フックス角膜内皮ジストロフィは欧米人の40歳以上の約4%が罹患しているとされる眼の病気です。同志社大学生命医科学部の小泉範子教授と奥村直毅准教授はこれまでに、TGF-βシグナルがフックス角膜内皮ジストロフィにおける細胞外マトリックス産生に関わっていることを報告しました。さらに先日、患者の角膜内皮に細胞外マトリックスが、変性タンパク質が凝集し細胞を死に至らしめることを報告しました。これらの発見は、TGF-βシグナルの亢進が病気の犯人である仮説を示していました。
本研究では、患者の角膜組織を解析することでTGF-βとその受容体の発現レベルが高いことを明らかにしました。次に、フックス角膜内皮ジストロフィ患者由来の疾患モデルとなる細胞を作成しました。この疾患モデル細胞は、TGF-βにより細胞外マトリックスも凝集した変性タンパク質も著明に増加しさらに死に至ることが分かりました。
さらに、薬剤を使ってTGF-βシグナルの活性化を抑制したところ変性タンパク質や細胞死に関連する分子の活性化を抑えることができました。現在、フックス角膜内皮ジストロフィの唯一の治療法は角膜移植です。しかし本研究成果はTGF-βシグナル阻害剤を目薬などで患者に投与することで治療できる可能性を示しています。現在、早期の治験開始に向けて研究を進めています。
本研究は、文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業(S1411029)およびJSPS科研費JP16K11307の助成を受けて実施しました。この研究成果は、英国Nature Publishing Groupのオープンアクセス科学誌「Scientific Reports」に日本時間2017年7月28日(金)18時に掲載されました。

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