「陸海空の現場~農林水産」注目される農業支援サービス

写真はイメージ

 農林水産省が実施している「スマート農業実証プロジェクト」は、2019年度に始まり、これまでに全国179地区で実証が行われてきた。実証を通じ、作業時間の削減や、収量向上などの成果が報告された一方、農機導入コストが高額となり、逆に経営を圧迫してしまうリスクがあることも分かってきた。

 そこで注目されているのが、作業代行やスマート農業により生産性向上を支援する「農業支援サービス」だ。農水省では、農業支援サービスを専門作業受注型・機械施設供給型・人材供給型・データ分析型の四つに分類。今回は、機械の導入コスト削減に有効な機械施設供給型、専門作業受注型のサービスを取り上げたい。

 機械施設供給型では、農機のリースやシェアリングなどにより、複数の農業者で農機を使用することで、1人あたりの導入コストを下げることができる。使用後の洗浄や整備がサービスに含まれている場合には、手間を削減できることも魅力だ。

 このサービスは、大きな投資が難しい新規就農者や、農機の使用時間が限られる中小規模の農業者らにとってメリットが大きい。大規模法人が、所有する農機がトラブルで使えなくなった場合に、バックアップとして活用しているケースもある。

 また、農機を借りて自分で作業するのではなく、専門家に作業を任せるという考え方も有効だ。スマート農業技術の中には、使用に当たってノウハウが必要なものがある。例えば、ドローンによる防除では、ドローンの操縦技術が必要とされる上、農薬の取り扱いにも習熟していることが求められる。

 そうした際に有効なのが専門作業受注型のサービスである。専門家に作業を任せて、他の作業やマーケティングなどの他の活動に時間を割き、自分の得意な領域に集中することで経営を強化することができる

 これらのサービスの効果を高めるための鍵が、地域内の連携だ。機械施設供給型では、利用者間の距離が離れている場合、農機を移動させるのにトラックなどが必要になり、配送料が高額になる。そのため、近くの農業者がまとまって利用するように調整することが重要である。

 専門作業受注型のうち、ドローンによる防除では、隣接する農地を一度に防除することで、作業の効率を高められる。隣接する農地の所有者が異なる場合には、代表となる農業者や自治体などが調整役となって依頼に向けた協議を進めることが有効となる。

 スマート農業による生産性の向上を実現するためには、単に農機を購入するだけは不十分である。経営体の規模や農機の使用期間などを考慮し、経営に有効な取り入れ方まで検討することが欠かせない。

(日本総合研究所 創発戦略センターコンサルタント  前田 佳栄)

 

(KyodoWeekly10月11日号から転載)

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