「落語の森」おじさん

写真はイメージ

 「道具屋」「かぼちゃ屋」のおじさんは面倒見が良く、与太郎さんに商売のイロハを教えてくれる。「牛ほめ」だと与太さん、おとッつァんに言われて佐兵衛伯父さんの新築見舞いに行く。これが「ろくろっ首」だと伯父さん、与太さんに「器量も良く、財産持ち」という願ってもない養子の話を世話してやる! 小三治師・市馬師ら柳家一門の皆さんが多く演(や)る。

 「手紙無筆」、本所(ほんじょ)の伯父さんからの手紙を無筆の八五郎さんがご隠居さんに読んでもらおうとするが、この隠居も無筆。さぐりさぐりいろいろ情報を聞き出しては手紙にあるそぶりで…、という噺(はなし)。「こないだ、上野広小路で伯父さんに会いました」と聞くと、「そういうことは早く言いな! ホラ、ちゃーんと書いてある」「へェ、何て書いてあるんす?」「さて八公や、せんだって上野広小路でバッタリと会ったっけな」「八公ってえのはおかしいや」「いや、昔は偉い人のことをこう呼んだんだ、家康に光圀公。渋谷に行けば忠犬ハチ公!」。

 「五月幟(ごがつのぼり)」だと伯父さんにもらった子どもの初節句用の金を飲んでしまった熊さんが、シャレで伯父さんをごまかそうと…。季節限定噺。先代(五代目)三遊亭圓楽師、還暦前に亡くなった先代(六代目)柳亭燕路師が演っていた。この燕路師、先代(五代目)柳家小さん門下で地味ながら落ち着いた高座を見せてくれた。「落語研究家」の顔もあり、手元に1988(昭和63)年に出した労作「落語家の生活」(雄山閣)がある。

 「宮戸川」に出てくる霊岸(れいがん)島の伯父さんは、おせっかい! その気のないお花と半七を無理やり一つのふとんに…。「お花の白い足が!」、演りようで色っぽくも。

 女にのぼせ上った主人公の相談にのってやる伯父さんは「辰巳(たつみ)の辻占(つじうら)」、上方だと「辻占茶屋」。先代(十代目)金原亭馬生師でよく聴いた、「笑点」の人気者・三遊亭小圓遊師も体をくねらせながら演っていた。辻占(占い)入りの巻煎餅を食べながら、中のバカバカしい文句を読むシーンが楽しい。巻煎餅、言ってみれば「フォーチュンクッキー」か。

 鼈甲(べっこう)問屋の若旦那・与三郎、「今業平(いまなりひら)」と呼ばれるほどの良い男、遊びが過ぎて木更津の伯父さんのところへ。「お富与三郎」、馬生系のとても長い噺。門下の五街道雲助師が演り、そのお弟子さんの墨田川馬石師らが取り組んでいる。

 正体不明なのが「船徳」の「竹屋のおじさん」、たった一言「徳さん、一人かァい! 大丈夫かァい?!」って言うだけ!筆者も徳さんとの間柄がいまだにわからない。

 「あなた、『おじさん』ったら、返事してたでしょ!?」と吉原の若い衆(しゅ)になじられ「だって俺ァ『おじさん』だもの、『おばさん』て言われりゃァ、返事ィしねェやな」と早桶(はやおけ)屋。「『付き馬』ってェ噺、このフレーズに尽きる」と立川談志師に言わしめた。

紫紺亭 圓夢(しこんてい・えんむ)

 

(KyodoWeekly5月31日号から転載)

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