「落語の森」「橋」にまつわる噺

写真はイメージ

 「文七元結(ぶんしちもっとい)」「唐茄子屋政談(とうなすやせいだん)」「双蝶々(ふたつちょうちょう)」「佃祭り」などの舞台が吾妻(あずま)橋、なぜか身投げの名所?「文七元結」では、身を投げようとする文七を左官・長兵衛が助ける。この場面、演者それぞれの工夫が楽しめる。「唐茄子屋政談」では、勘当された若旦那が身投げ寸前のところを伯父さんに助けられる。「双蝶々」では悪事に手を染めたが、最後の親孝行をと願う長吉が橋を渡るところで御用になる。「佃祭り」、3年前に身投げをしようとした女を助けた次郎兵衛さん、誘われるままに女の家に…。この吾妻橋は隅田川に架かる江戸四橋(両国橋・新大橋・永代橋)のうち、一番しまいに架けられた橋だ。

 両国橋といえば、花火!とくれば「たがや」。武蔵の国と下総の国の両方をつないだことからこの名に。橋の西側にあった幅の広い道は、江戸三大広小路の一つでたいそうにぎわったという。こちらから橋に入ったたがやさんと本所から来た殿様ご一行が激突!!

 「万世渡って上野へ行ってくれ」とムダに元気な人力車に乗ったが!というのが「反対車」。万世橋を渡って威勢よく土管やドラム缶を飛び越えるシーンで立川キウイ師、今年噺家(はなしか)生活30周年を記念し、正座のまま30回飛び上がる荒技を披露してくれている。

 中橋の加賀屋からの使いの者の上方弁が分からず与太さんが苦労するのが「金明竹(きんめいちく)」。かつて三遊亭圓丈師は名古屋弁で演(や)り、柳家小袁治師は、東北弁で演る。「お菊の皿」では、きれいなお菊さん見たさに町内の若い衆がおっかなびっくり通るのが俎(まないた)橋。グッズは売り出す、テレビ中継は入るわと大人気のお菊さんだが…。一石(いちこく)橋の名の由来が分かるのが「十徳(じっとく)」という噺。お金後藤と呉服後藤の2人が金を出し合って造った。後藤(五斗)+後藤(五斗)=一石!

 柳橋の船宿から乗った客、道楽が過ぎて勘当になったほとんど素人の徳さんが船頭とは知らず…、が「船徳」。「おせつ徳三郎」では、なさぬ仲の2人が向島に船で向かうのがこの柳橋。神田川の最も下流に架かる橋で、そばには、花柳界がありたいへんなにぎわいだった。

 赤坂見附の弁慶橋で、身投げしようとする振り袖姿の娘に「おじさん、こんな顔でも聞いてくれます?」と言われ、のぞき込むと…、が「のっぺらぼう」。昔、先代(八代目)林家正蔵師で聴いたおぼろげな記憶がある。最近は「こんな顔」のタイトルで桂文治師が演る他、柳家幅丸・柳家一琴・春風亭柳好の各師も。

 吉原通いの客が天王橋で「故(ゆえ)あって、徳川家にお味方する者」と追いはぎに遭うのが「蔵前駕籠(くらまえかご)」、重厚正蔵師・スピーディー古今亭志ん朝師、楽しめた。

 蔵前橋近くの首尾(しゅび)の松あたりに舫(もや)った船中の体であくびの稽古をするのが「あくび指南」、先代(十代目)金原亭馬生師・志ん朝師の兄弟が笑わせてくれた。今は、やはり古今亭一門の古今亭文菊師がそれは品よく演じている。

紫紺亭 圓夢(しこんてい・えんむ)

 

(KyodoWeekly3月15日号から転載)

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