京料理は意外と…。

 政府による緊急事態宣言解除から約半年が経過した。7月から8月にかけて東京や大阪を中心に第2波が広がったものの、ピークとなった8月中旬以降、感染者数はある程度落ち着いたように見える。

 感染が急拡大した半年前と比べると大きく変わったことがある。それは、われわれ自身がウイルスの特性や広がり方、予防策などを学んだことだ。「3密」は日常的に使われるようになり、おのおのが意識して生活スタイルを「新しい生活様式」に適応させている。筆者自身、出社する日は、どの店舗で昼食をテークアウトしようか考えるようになった。春先は休業していた施設や店舗も多くが営業を再開しているのもうれしい。

 こうした中、政府は感染拡大の影響を受けた地域の飲食業を支援するため、食事券の発行とオンライン予約でのポイント付与を柱とする「Go To Eat キャンペーン」を開始した。特に食事券は購入額の25%が上乗せされるプレミアムがつく。お得に飲食店を利用できるため希望者が殺到し、受付から1時間以内で予定冊数に達した自治体もあったようだ。

 筆者が住む京都でも、10月20日からキャンペーンが開始されている。

 そこで、専用サイトから利用可能店舗を検索したところ、約5千件がヒットした。対象店舗のジャンルを見ると、和食が約2割と最も多く、次にカフェ・スイーツが16%、居酒屋が15%であった。和食が最多なのは京都ならではだが、次点がカフェ・スイーツなのは興味深い。

 和食や京料理のイメージが強い京都だが、意外にも京都の家庭のパン食率は高い。少し前まで家計調査では、パン消費量は京都市が日本一だった。ちなみに、販売されている食パンの多くは8枚切りではなく食べ応えを重視した5枚切りだ。

 パン食が多くなれば、それに合わせるコーヒーの消費量もまた多い(こちらも日本一という調査もある)。イノダコーヒや進々堂京大北門前などの老舗は言うまでもなく、最近では京町屋をおしゃれに改装したカフェも多く、ぜいたくな時間を楽しめること請け合いだ。

 その他のジャンルで面白かったのは、フレンチ・イタリアンが5%あったことだ。素材の持ち味を生かす京料理と、ソースで食べるといわれるフレンチは一見水と油のように思える。これは筆者の見解だが、フレンチの特徴である芸術的な「見せ(魅せ)方」は、京料理と相通ずるものがあるように感じる。中でも京料理に添えられた飾り切りの精巧さは筆舌に尽くしがたいほどだ。もしかすると、比較的味が濃いイタリアンとも意外と相性が良いのかもしれない。

 このように、京都は和食に限らず、上質な料理や時間を堪能できる店舗が多数存在している。実は、筆者は今回幸運にも食事券を入手することができた。そこで、普段お世話になっている飲食店だけでなく、これまで行ったことがなかった地元の飲食店を知るきっかけにこのキャンペーンを使いたいと考えている。

 現在、Go To Eat キャンペーンは第3期まで受け付けが予定されている。感染リスクに十分気を付けた上で、最大限活用していきたい。

(アジア太平洋研究所調査役 木下 祐輔)

 

(KyodoWeekly11月2日号から転載)

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