「本の森」1日誰とも話さなくても大丈夫 精神科医がやっている猫みたいに楽に生きる5つのステップ

鹿目 将至

●112ページ

●双葉社(税別1100円)

 

人生初の引きこもり

 

 コロナ禍でステイホームが続く。誰とも言葉を交わさず生活する、という生まれて初めての体験に、過ごし方は人それぞれだ。

 「久々にパンを焼いてみました!」「DIYで自宅リフォームに挑戦しています」とSNSに発信するような人にはこの本は必要ない。平日に自宅にいると怠けているような気がする人、漠然とした不安が襲ってきて振り払うことができない人が、気晴らしに「何か」するために読む本だ。

 著者は妻と子どもが田舎で過ごすことになってしまい「孤独のまっただ中にいる」若き精神科医。「これではまずいと思い、この気持ちに折り合いをつけていく方法を模索」したという。

 

5段階39項目

 

 気晴らしにやるべきことは5段階39項目に分類されて、まるで参考書のよう。5段階は①まずは気持ちを落ち着かせる②ひとりの時間を味方につける③自分をケアする④思考法を変えてみる⑤ひとりだけどひとりじゃない―に分かれている。これを精神科医がお勧めするテクを積みながら登っていく方式は、この本が必要な生真面目な人にぴったりかもしれない。

 その中からStep1~6にある「アルキメデス、風呂に入る」を紹介する。

 と言われると、アルキメデスが風呂に入って何かの偉大なる原理を思い付いた…ような記憶が邪魔をするが、要は風呂に満杯までお湯を張り、そこに勢いを付けて身を沈める―ことだけだ。もちろんお湯があふれ出ていくので、もったいない気持ちになるが「一日誰とも話さず頑張っているあなたには、それぐらいのぜいたくは許されて当然です」とこの本は言ってくれる。

 そして風呂からあふれるお湯を見ながら、「過去の失敗や失言、将来への不安、仕事の遅れ、ひとりのさみしさ」という重荷も一緒にさよならするというものだ。それにしても、そんなにお湯に重荷を載せたら、偉大なる原理もゆがみそう。

 

目指すは猫

 

 各項目には、精神科医らしくその効用に医学的エビデンスが盛り込まれている。「(朝日じゃなくても)太陽光でセロトニン分泌」や「毛布に“もふもふ”でオキシトシン召喚」などだ。とはいえ、やるべきことが手軽すぎるので「これでいいのだろうか」と不安になるが、「精神科医が推奨していることだから、いいに決まってる」と思い直せる。

 これらのテクを順番にこなしていくと、5段階39項目を終えるころには、猫のように自宅でゴロゴロできるようになっているか、コロナ禍が収束していることだろう。

(畠)

 

(KyodoWeekly9月28日号から転載)

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