6月22日号に続き、コロナ禍で生きるためのヒントになりそうな言葉を映画とともに紹介したい。
名ぜりふシリーズ【前編】:https://www.kyodo.co.jp/national-culture/2020-07-30_2978811/
「ダイ・ハード」(1988)
高層ビルを占拠した犯罪グループに1人で立ち向かう刑事(ブルース・ウィリス)。絶体絶命のピンチの中で彼は妻(ボニー・ベデリア)に大切な一言を告げていなかったことに気付く。
「愛しているとは何回も言ったけど、ありがとうとは言ったことがなかった/She’s heard me say “I love you”a thousand times. She never heard me say“I’m sorry”」
「ナチュラル」(1984)
若き日の過ちから野球を断念しようとする主人公(ロバート・レッドフォード)を幼なじみの女性(グレン・クロース)がこう励ます。
「人生は二つあるのよ。学ぶ人生とその後を生きる人生/I believe we have two lives. The life we learn with and the life we live with after that.」
「バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3」(1990)
現在、過去、未来、さまざまなタイムトラベルを経て、タイムマシンを開発した博士(クリストファー・ロイド)は、こう結論付ける。
「君たちの未来は白紙だってことさ。未来は自分たちで作るのだ/It means your future hasn’t been written yet. No one’s has. Your Future is whatever you make it. So make it a good one, both of you.」
「ビューティフル マインド」(2001)
愛する女性(ジェニファー・コネリー)との結婚に迷いを感じた数学者(ラッセル・クロウ)が、大学時代の学友に相談する。学友はこう言いながら主人公の結婚を後押しする。
「人生に確かなことなんてない、それだけが確かなことなんだ/Nothing’s ever for sure. That’s the only sure thing I do know.」
「フィールド・オブ・ドリームス」(1989)
若き日に野球への夢を捨てた老医師(バート・ランカスター)が、自分が夢を諦めた瞬間を振り返ってこう語る。
「人生の節目となる瞬間は、自分ではそれと分からない/We just don’t recognize life’s most significant moments while they’re happening.」
「フォレスト・ガンプ/一期一会」(1994)
知的障害がある息子(トム・ハンクス)に母(サリー・フィールド)は、彼にも分かるような言葉で人生を教えていく。その中の一つにこんなせりふがある。
「人生はチョコレートの箱のようなもの。食べてみるまで分からない/Life was like a box of chocolates. You never know what you’re gonna get.」
「フック」(1992)
スピルバーグ監督自身の心情を反映したとも思える、40歳になったピーター・パン(ロビン・ウィリアムズ)。さまざまな冒険を経た彼はラストシーンでこう叫ぶ。
「人生こそ最大の冒険だ/To live…to live would be an awfully big adventure.」
「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」(2008)
老人の体で生まれ、どんどん若返っていく主人公ベンジャミン(ブラッド・ピット)。数奇な人生を歩んだ彼が娘に書いた手紙の一節。
「道を見失ったら自分の力でやり直せばいい/You can change or stay the same, there are no rules to this thing.」
「道」(1954)
頭の弱いヒロイン、ジェルソミーナ(ジュリエッタ・マシーナ)。主人(アンソニー・クイン)にこき使われ、絶望した彼女を、知りあった綱渡りの男(リチャード・ベースハート)がこう励ます。
「どんなものでも何かの役に立つんだ。例えばこの小石だって役に立っている。空の星だってそうだ。君もそうなんだ/If this pebble has no purpose, then everything is pointless. Even the stars! At least, I think so. And you too. You have a purpose too.」
「ライムライト」(1952)
老道化師(チャールズ・チャップリン)が、足を痛めて自殺を考えた若きバレリーナ(クレア・ブルーム)に人生訓を語る。
「人生は素晴らしい。恐れてはいけない。勇気と想像力とほんの少しのお金さえあれば生きていけるんだ/Yes, life is wonderful, if you’re not afraid of it. All it need is courage, imagination, and a little dough.」
「レナードの朝」(1990)
脳の障害で半植物人間状態になり眠り続ける患者(ロバート・デ・ニーロ)を、新任の医師(ロビン・ウィリアムズ)が新薬を用いて目覚めさせる。だが医師は薬が全てではないと語る。
「人間の魂はどんな薬よりも強い/That the human spirit is more powerful than any drug.」
「ローマの休日」(1954)
歴訪先のローマで行方をくらませた王女(オードリー・ヘプバーン)をかくまった新聞記者(グレゴリー・ペック)。間接的に愛を告白する王女に対して記者はこう諭す。
「人生は必ずしも思うようになるとは限らない/Well, life isn’t always what one likes.」
*「人生を豊かにするための50の言葉―名作映画が教えてくれる最高の人生の送り方」(近代映画社刊)から抜粋。(注)日本語のせりふは、もとの英語の直訳ではないのでご留意ください。
(映画ライター 田中 雄二)
(KyodoWeekly7月27日号から転載)