「口福の源~食料」青いレモンの島

名物のレモンポーク丼(写真提供:愛媛県上島町)

 愛媛県上島町(かみじまちょう)は、しまなみ海道の東に位置する、有人7島、無人18島から形成される離島だけの自治体である。今回は有人7島の一つ、岩城島(いわぎじま)のレモンポークを紹介したい。

 有人7島のうち、弓削島(ゆげじま)、生名島(いきなじま)、佐島(さしま)の3島は既に橋でつながっているが、再来年には岩城島への橋が架かる予定になっている。

 岩城島の中央にそびえる標高約370メートルの積善山は広島県大崎上島の神峰山と肩を並べるといってもよいくらい瀬戸内海多島美の絶景ポイントである。また、例年4月上旬の桜の時期には、実数では3千本をはるかに超えるといわれている積善山三千本桜が咲き誇り、満開の時期の展望台からの眺めは、桜色の花の階段のようだといわれる。

 岩城島について語るときに忘れてはならない代名詞がある。それが「青いレモンの島」である。青いレモンというのは、ハウス栽培で夏から秋にかけて収穫される緑色の状態のレモンのことである。この青いレモンを日本で初めて商品化し、生みの親となったのが、元々愛媛県果樹試験場の職員として岩城島に赴任し、その後、定住された脇義富さんである。

 夏から秋にかけて収穫されたレモンは、一部加工用に回されるので、当然のことながら搾りかすが生じることになる。従来は加工品の廃棄物として処理されていた搾りかすに目を着け、豚の飼料として引き受ける取り組みを始めたのが、広島からUターンした松浦史拓さんである。そして誕生したのが岩城島レモンポークなのだ。

 健康志向の強い方々はご存じでしょうが、悪玉コレステロールの増加を防ぐ効果が期待できる不飽和脂肪酸にオレイン酸というのがある。レモンポークはこのオレイン酸の含有量が一般の豚に比べて多い。オレイン酸はオリーブオイルに多く含まれており、それがオリーブオイル人気につながっているが、レモンオイルも決して引けを取っていない。

 レモンポークのおいしさに感動し、岩城島のうまいものとして島内で初めてメニュー展開したのが、大阪の料亭で修行した後、Uターンして民宿「よし正」の2代目大将となった砂川温尋さん。今やレモンポークは瀬戸内海ならではの魚介料理と並ぶ「よし正」の看板メニューとして好評を博している。

 ところで、レモンポークはどのように食べればおいしいのか。「よし正」では、ステーキ、とんかつ、しゃぶしゃぶなどのメニューがそろっていて、いずれもおいしいとの評判だ。岩城港の目の前にある「リモーネプラザ」内の「レモン・ハート」ではレモンポーク丼も用意されているので、手軽に味わうことができる。

 最後に、上島町の三つの有人島は橋でつながっているので、島々全体が格好のサイクリングルートになっている。尾道からしまなみ海道経由で因島(いんのしま)に入り、所要5分間のフェリーで生名島に渡れば、弓削島まで約40キロ。このコロナ禍が落ち着けば、サイクリストはぜひお試しを。

(日本離島センター 専務理事 小島 愛之助)

 

(KyodoWeekly6月1日号から転載)

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