「言の葉の森」オンライン会議

 新型コロナウイルスが流行し始めて数カ月、テレワークを推奨する企業が増加しています。毎日新聞の校閲センターでも、出社人数を絞って仕事をするようになりました。

 そんな中、会議や飲み会などで重宝されているのがオンラインでの映像通信です。記者会見などでも利用され、新聞でも登場回数が目に見えて増えています。こうした通信についての用語は特に統一されていないため、取材した記者が思い思いの書き方をしており…。いくつか例示してみます。

 ○(正しい使い方)「オンライン会議」=インターネットにつながった状態での会議で、違和感はありません。「オンライン授業」などの表記もよく見られます。これまでも各国の首脳らが電話で話し合うケースなど、電話を使用した会議はありました。

 ちなみにこれを「電話会談」と表現することが多々あるのですが、「会談」は「面会して話し合うこと」(広辞苑7版)。実際には顔を合わせていないことに鑑みて、毎日新聞では「電話協議」と直しています。「会議」にも「会」の字がありますが、「同じ画面」に集まって相談する形の「オンライン会議」は「何かを決めるため集まって話し合うこと」(同)という意味には沿っているといえます。

 ○「テレビ会議」=すでに辞書にも載っています。「参加者が通信回線を介し互いの映像・音声を送受信しながら行う会議。遠隔会議」(同)という語釈がつけられています。

 △(違和感のある使い方)「ウェブ形式での会議」=ワールド・ワイド・ウェブ(WWW)の略であるウェブとは、インターネット上に点在する情報、あるいはそれらをつなぐシステムのこと。一般的にウェブブラウザーを介してアクセスします。システム自体を表すので「対面形式」などと同様に使うのには違和感があります。「ウェブ会議」なら問題ありません。

 ウェブは、通信システムを指すインターネットと同義に使われがちですが、実は別物です。ブラウザーを使用していれば「ウェブ会議」に該当すると思いますが、ソフトウエアを介さなければ利用できないサービスもあります。そのため、個人的には「ウェブ会議」と「インターネット会議」の使い分けも気になります。

 本当に「ウェブ」会議でいいのかなあ、インターネット会議の方が広く使えそうだけど…などと悩みますが、どのサービスを使ったかは知る由もなく。インターネットとウェブの違いを気にする人は少ないのかもしれませんが、コロナ対応で次々編み出される言葉に何とか付いていきたいと思う日々です。

(毎日新聞社 校閲センター 斎藤 美紅)

 

(KyodoWeekly6月1日号から転載)

全国選抜小学生プログラミング大会
新型コロナ特集
スポーツ歴史の検証
スポーツ歴史の検証

K.K. Kyodo News Facebookページ

ニュース解説特集や映像レポート、エンタメ情報、各種イベント案内や開催報告などがご覧いただけます。

矢野経済研究所
ふるさと発見 新聞社の本
DRIVE & LOVE
11月11日はいただきますの日
野球知識検定
キャッチボールクラシック
このページのトップへ