「風のたより~地域経済」タクシーでお弁当デリバリー

させぼタク配のロゴ(西海みずき信用組合クリエーター西信好真が作成)

 新型コロナウイルス感染症の影響を何とか乗り切ろうと、多くの飲食店がテークアウトに乗り出している。ただ、お弁当を作るのはいいが、配達の手が足りない。ここ長崎県佐世保市にはウーバーイーツも出前館も進出していない。そこで当信用組合のクリエーターが目をつけたのがタクシーだ。

 タクシーも、利用者が大きく減少しており、とくに夜の歓楽街での利用はほぼゼロだという。このためお弁当デリバリーについて相談したタクシー会社も渡りに船と好感触だった。

 そこに立ちはだかったのが規制の壁だ。タクシーは人を運ぶ事業であり、物を運ぶ貨物輸送は基本的に不可。「この緊急事態に、そんなことにこだわってどうする?」と言いたいが、役所としてはそう説明する以外はないようだ。

 ただ、例外があるとも教えてもらった。お年寄りの買い物を代わってしてあげる、買い物代行などは認められているという。しかし、利用者がタクシー会社に依頼したらその後は、レストランへの料理の注文を含めタクシー会社が全部やる必要があるなど、要件が厳しい。

 ハードルが高かったが、佐世保のタクシー業界は工夫を重ね、これならいけるというスキームを考え出し、「させぼタク配」と名づけて4月17日金曜日からサービスを開始した。翌週の月曜日(20日)に運輸支局から規制内容について念押しの電話が来た。各地で問い合わせが相次いだのだろう、国土交通省としての統一見解が全国に通達されたとのことだった。

 ところがその翌21日、事態は動いた。国交省がタクシー事業者による、有償の貨物輸送を新型コロナウイルス感染症が収束するまで特例的に認めると決定したのだ。

 これならレストランからタクシーにデリバリーを頼める。運輸支局の担当者がすまなそうな声で連絡をくれた。朝令暮改と言えばそうだが、緊急事態に対応しようと国交省の皆さんも頑張ってくれていると感じた。コロナ禍も人間社会のありようがもたらした災害だが、規制禍も同じだ。人間が自分で自分の首を絞めている。役所も民間もこれに悩まされている。どちらも人類力を合わせて、乗り越えなければならない。

 さて、せっかくのコロナ対応特例だが、佐世保のタクシー業界は感染症収束後も使える当初のスキームのまま運用している。その「させぼタク配」、実際頼んでみた。「たまには豪華な料理をうちに持ち帰って家族で楽しもうよ」と休日前に職場で声をかけたら10個以上の注文が集まった。タクシーの運転手さんが希望のメニューをちゃんと買ってきてくれて、筆者の勤務先の会議室まで届けてくれた。10人で割ればタクシー代も安いものだ。予想以上にスムーズで、これなら毎週、注文しようと思った。

(西海みずき信用組合理事長 陣内 純英) 

 

(KyodoWeekly5月25日号から転載)

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