「風のたより~地域経済」ともにつくるオンライン授業

 新型コロナウイルスの感染拡大抑制のため、不要不急の外出自粛要請が続いている。

 こうした中で、さまざまな場面で、オンラインでの対話の機会が増えてきた。企業でも在宅ワークとともに、Zoom(ズーム)やTeams(チームズ)、Webexなどのソフトやアプリを用いたオンライン・ミーティングの活用が始まっている。

 目下、大学でも、オンライン授業の導入に向けた準備が急ピッチで進められている。海外の大学ではすでにオンライン授業は実施されており、日本でも、一部の大学では、講義の動画配信が行われていた。

 しかし、全学的な非対面型授業実施は初めての試みであり、システムが対応できるかどうかの検討を含め、模索が続いている。

 ウェブ上にテキストとレポート課題を提示する方式や、講義を動画で配信する方式であれば、まだ何とかなる。問題は双方向型の授業である。

 近年、大学では一方的な講義ではなく、アクティブラーニングと呼ばれる双方型の授業構築に向けた改革が進められてきた。この双方向型授業やゼミをオンラインでどこまで実施できるのか、挑戦が始まっている。

 課題の一つは、学生の学習環境である。オンライン授業の場合、スマートフォンとパソコン・タブレットの2台持ちが望ましい。さらに、学生が自宅から授業に参加しようとすれば、大容量での通信を可能とするインターネットへの接続環境を確保しなくてはならない。

 携帯大手3社は、4月ないし5月まで、25歳以下の若者について、通信料の一部を無料にするとしている。

 しかしながら、26歳以上の学生もいるなど、必ずしも全ての学生が網羅されているわけではない。接続がうまくできなかった場合の録画配信、アクセスが難しい人への文書ファイルによる講義内容の提供などを併用することも必要とされる。

 授業メニューも悩ましい。動画配信で集中力が続くのは15分間が限度ともいわれる。さらに、チャットやオンライン・ミーティングによる双方向でのやりとりを通じて、新たな気付きや発見の機会をどう創出するかが問われている。

 従前の学びは、蓄積された知を書物や講義により吸収し、理解をしていく形が中心だった。 ただ、最近では、高等教育機関においても、さまざまな社会課題に対し、アイデアを出しながら議論を重ね、新たなものを創造する機会を大切にし、そのプロセスに注目した学びが求められている。

 文書による蓄積された知識や、情報を知るための講義にとどまらず、リアルタイムでのコミュニケーションの機会をオンライン上でどのように構築し、刺激的、創造的な空間をつくりだすのか。教室とは異なる運営手法が求められそうだ。

(東洋大学教授 沼尾 波子)

 

(KyodoWeekly4月27日号から転載)

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