「落語の森」お坊さんもいろいろ!

 「坊さんが通るよ」「そう(僧)かい」という古い小噺(こばなし)からスタートした今回は、「お坊さん」が登場し、活躍する噺のご紹介。有名な前座噺で小学校などの「学校寄席」で必ず出るのが「転失気(てんしき)」、野暮を承知で言わせてもらうと「転失気」とは「おなら」のこと。なぜか子どもにこの手の噺はウケる。知ったかぶりの和尚が小僧の珍念に「転失気」の意味を方々で尋ねさせ、先に「正解」を知った小僧が和尚を困らせる他愛ない噺だ。

 仕方(ジェスチャー)でサゲるのが「蒟蒻(こんにゃく)問答」、先代(八代目)林家正蔵・先代(五代目)春風亭柳朝の師弟でよく聴いた。先々代(六代目)春風亭柳橋師のゆったりとした口調も懐かしい。サゲはジェスチャーのこの噺を古今亭志ん生師がラジオで演ったというからスゴイ! 師の横にアナウンサーがいてジェスチャーを実況中継した。

 「寿限無」の和尚さんもヒドい! あの長い名前をつけさせてしまうのだから。筆者が「ハイ、みなさんごいっしょに!」といつか幼稚園で言ったら園児がいっせいに「じゅげむじゅげむ ごこうのすりきれ…」と言いだしたことがあった、それほどポピュラーな噺。愛犬に「寿限無」と名付けたのは、先代(三代目)三遊亭金馬師。今秋、五代目金馬が誕生する。

 「黄金餅」の坊さんの有名なお経「金魚ォ金魚ォ三ィ金魚ォ~」をかの立川談志師、友人のプロデューサー川戸貞吉氏のご母堂の通夜で故人にささげたという。

 「茄子娘」は、坊さんの一夜の若気のいたりから起こる物語! 入船亭扇橋師から、その一門に伝わっている。「植木屋娘」は、寺で働く伝吉と今小町といわれる器量よしのお花との恋愛を描いた噺。上方の先代(二代目)桂春蝶師が飄々(ひょうひょう)と演(や)っていたのを思い出す。

 「蛸(たこ)坊主」、元々は上方落語で、前出の正蔵師が芝居がかりのシーンで鳴物入りで演っていた。一門の八光亭春輔師(この人、前座名を顔が似ているという理由から『あとむ』といった! 正蔵師のお茶目な一面が)・正雀師・桂藤兵衛師などが演る。

 「万金丹」、江戸っ子2人が行きがかりから旅の寺で坊さんになって、金になるからとでたらめな葬式をあげ、さて戒名の段で…という噺。先代(五代目)柳家小さん師から弟子の小三治師・さん喬師や孫弟子の三三(さんざ)師に伝わっている。三三師のこの噺を山梨・甲府で聴いたが、古めかしい噺をテンポ良く、スッキリとそれでいて堂々と演じていた。

 「錦の袈裟(けさ)」、学生時代に古今亭圓菊師でよく聴いた。拳(こぶし)を固め、体をくねらせる独特の高座。寄席でよくウケていた。弟子に菊之丞、文菊師と俊英がいる。町内の若い衆が女郎買いに行く噺、趣向で「錦の褌(ふんどし)で行こう」となったが与太郎さんには、それがない。珍しくこの噺の与太さんはカミさん持ちで一計を案じたカミさん「寺へ行って錦の袈裟を借りておいで~」、サア吉原で遊びが始まると…。

紫紺亭 圓夢(しこんてい・えんむ)

 

(KyodoWeekly3月23日号から転載)

全国選抜小学生プログラミング大会
新型コロナ特集
スポーツ歴史の検証
スポーツ歴史の検証

K.K. Kyodo News Facebookページ

ニュース解説特集や映像レポート、エンタメ情報、各種イベント案内や開催報告などがご覧いただけます。

矢野経済研究所
ふるさと発見 新聞社の本
DRIVE & LOVE
11月11日はいただきますの日
野球知識検定
キャッチボールクラシック
このページのトップへ