「口福の源~食料」堅調続く業務用食品

 女性の社会進出に伴う共働きの増加や高齢者世帯の増加を背景に、業務用食品市場は拡大している。中でも総菜・中食(なかしょく)向けの需要が伸びている。これはコンビニの店舗数増加に加え、そのカウンター商品のアイテム拡大、さらに食品スーパーでもイートイン(店内飲食スペース)を設置するケースが増え、ますます総菜・中食を購入する機会が増えていることも背景にある。そのため揚げ物などのコンビニのカウンター商品群、スーパーマーケット向けの総菜類が好調である。

 コンビニ向けの需要はこれまでの増勢が強かったため、全体の伸びは鈍化している。そうした中でも、顧客側での調理の手間を省くオールインワン製品(完全調理済み食品)の需要が高まっている。

 給食市場も学校給食の民間委託化の拡大や、有料老人ホームを中心とした高齢者施設向け給食の需要拡大で堅調に推移している。

 業務用食品は需要が堅調に推移する一方で、これを使用する事業者では、食品を仕入れた後に調理に携わる人手の不足が課題となっている。そこで、調理現場では加工済み・下ごしらえ済みの業務用食品を採用し、調理技術の高くない人でも対応できるような態勢にするところもある。

 しかし加工度合が高ければ、メニューのオリジナリティーや差別化をどう出していくかが課題となる。そのためランチメニューでは加工済み業務用食品を多く採用し、ディナーメニューでは加工済み食品の使用をできるだけ抑えてオリジナルにこだわるなど、使用シーンを選びつつ合理化を進める外食店も存在する。

 

ホテルなどでハラール対応

 

 訪日外国人の増加が今後も予想される中、国内市場こそ小さいが、食品などでイスラム教の戒律に沿う「ハラール対応」が求められている。特にレストランや宴会場などを有する一定規模以上のホテルでは需要があり、対応を始めている。その課題として、スポットで入る消費者ニーズに対して、都度対応しなければならないため、少量発注の需要などについて、業務用ハラール対応食品をどう選び使用していくか、対策が問われている。

 東京五輪・パラリンピックが開催される2020年度に、業務用食品の市場規模は3兆9508億円になると予想される。政府は20年の訪日外国人を4000万人とする目標を掲げており、もし達成されれば16年の2403万人の約1・7倍という大きな伸びになる。こうした訪日外国人の増加や、人手不足を背景とした加工度の高い食品のニーズなどから、業務用食品市場は拡大傾向が今後も継続すると考えられる。

(矢野経済研究所 フードサイエンスユニット

上級研究員 泉尾 尚紀)

 

(KyodoWeekly2月3日号から転載)

新型コロナ特集
スポーツ歴史の検証
スポーツ歴史の検証

K.K. Kyodo News Facebookページ

ニュース解説特集や映像レポート、エンタメ情報、各種イベント案内や開催報告などがご覧いただけます。

矢野経済研究所
ふるさと発見 新聞社の本
DRIVE & LOVE
11月11日はいただきますの日
野球知識検定
キャッチボールクラシック
このページのトップへ