「本の森」日本の島ガイド 『SHIMADAS(シマダス)』

公益財団法人日本離島センター編 ●1712ページ ●公益財団法人日本離島センター(税別4000円)

島づくりの脈動を凝縮

 

 本書は、1993年に創刊した島の総合案内書の新版である。前版からおよそ15年ぶりの刊行となる本書は、北海道・本州・四国・九州・沖縄本島を除くすべての有人島と、2019年に日本最西端として新たに地理院地図に記載された「トゥイシ」などわが国を語る上で欠かすことができない主要な無人島を合わせて1750島(前版に比べ600島増)を収録した。

 離島関係市町村の協力のもと、1712ページに最新の島の魅力を詰め込み、島の百科事典として活用されることも意識している。

 「人口」「面積」などの基本情報をはじめ、「みどころ」「特産品」「交通アクセス」「イベント」などの観光情報、「学校」「医療」「Iターン」といった暮らしの情報など、他のガイドブックにはない多様な情報を掲載した。 島に暮らす人だけでなく、島旅を楽しみたい人から島への移住を検討している人、島の研究をしている人、さらには本書をきっかけに島に興味を持たれる人まで幅広い読者を想定して編集を重ねてきた。

 また、「島とは何か」「島の〇〇BEST10」「ユニークな名前の島」などのコラムや、島の魅力をキーワードごとに写真で紹介する巻頭グラビア、島と海の関係性が見える索引図などが、島に関する知識の幅を広げる一助となればうれしい。前版の愛読者の皆さんはもちろん、初めての方にもぜひお手にとっていただきたい。

 まわりを海に囲まれた島は、それぞれが独自の時空間を有する一つの国のようである。島々に人が住み、豊かで時に厳しい自然と共存しながら育んできた歴史や文化は、日本の多様性の源泉といえる。

 本書には、それら未来へと受け継がれるべき先人たちの遺産や、未来を創(つく)るべく現在進行形で島づくりに取り組む多くの人々の脈動を凝縮したつもりである。

 事実、本書の制作へと駆り立てたものは、島々から届く有形無形の想(おも)いであった。

 ところで、セレンディピティー(serendipity)という言葉がある。《幸運な偶然を呼び込む力》といった意味だが、本書は読者の潜在能力に訴えかけるものでありたい。

 近年、人工知能(AI)などによるビッグデータの解析と、それに基づき関連づけられた商品や情報の提示が一般的となってきている。

 しかし、そういった作為的なつながりではなく、「偶然開いたページに掲載されていた島が、自分にとってかけがえのない場所となる」という、直感やひらめきなど人が本来持つ力に期待したい。

 島々と読者の《幸運な邂逅(かいこう)》とともに、本書をきっかけに《島国》日本への興味、関心が一層高まることを願っている。

(公益財団法人日本離島センター広報課 森田 朋有)

 

(KyodoWeekly12月30日/1月6日号から転載)

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