「口福の源~食料」日本食って、どんな料理?

洋食も今や日本食(提供:キッコーマン)

 いよいよ2020年、東京オリンピック・パラリンピックイヤーがやってきます。世界中から注目されるこのビッグイベントを通じて日本のプレゼンスが高まり、理解が深まることは間違いないでしょう。

 そして、日本を訪れる外国人が期待しているのが日本での食事。観光庁がおこなっている「訪日外国人消費動向調査」の結果を見ても訪日前に最も期待していたことに「日本食を食べること」と回答した人が3割近くと断トツに多く、実際の満足度合いも複数回答形式で上位に入っています(2019年1~3月期、以下同)。その満足の理由として挙がっているのは「おいしい」「食材が新鮮」に続いて「伝統的・日本独特」ということです。

 それでは、外国から来た皆さんはどのような料理を食べて満足しているのでしょうか。同じ調査の中に「一番満足した飲食」を聞く項目があるのですが、その結果は少し意外なものになっています。1位「肉料理」、2位「ラーメン」、そして3位「すし」!

 これが、おいしく、食材が新鮮で、伝統的な日本独特の「日本食を食べること」に満足した中身なのです。首をかしげる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、案外広い意味で現代の「日本食」を浮き彫りにしていると考えることもできます。「食」の観点で日本の歴史を眺めてみると、実にさまざまな国の文化を取り入れ、独自に発展させてきているのです。稲作の伝来に始まる米食はもとより、しょうゆやみその源流となる醤(ひしお)やお茶も元は外来のものです。天ぷらをポルトガル料理、カツレツをフランス料理、カレーライスをインド料理だと思う人はもはやいないでしょう。 調査では詳細まで触れられていませんが、肉料理には焼肉や牛丼なども含まれているはずです。焼肉店の元祖は、戦後ほどなく新宿で開業した店だとされています。これも元は朝鮮半島のモツを食べる文化がホルモン焼きとして日本に定着して独自に発展したものだそうです。

 ラーメンも今や「魚介系豚骨」が主流になっており、中国の汁麺とは違う世界を築いています。そして、この上位を占める三つに共通することは手軽さです。焼肉店もラーメン店も回転ずし店も駅や繁華街には必ずと言って良いくらい見つけることができますし、敷居も低いので外国人も入りやすいのでしょう。しかも、焼肉のたれもラーメンのスープもしょうゆ味がベースで、すしはしょうゆで食べます。さらに、日本の飲食店のサービスは行き届いていて(たまに頑固な店主がいますが)、日本の風情を感じる外国人が多いのでしょう。「和食」だ、「日本食」だと目くじらを立てずに、寛容な心で受け止めることもまた、「日本的」なのではないでしょうか。

(キッコーマン 国際食文化研究センター 山下 弘太郎)

 

(KyodoWeekly12月9日号から転載)

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