直売所の農産物で料理教室 JA掛川市とABCクッキング

 生産者が直売所に持ち込んだ農畜産物を使って調理を学ぶユニークな教室が、静岡県掛川市に開業する。月謝は6千円(食材費別)の定額制で、好きな時に何回でも参加できる。生徒はできあがった「作品」を試食、地元の農産物を通じて生産者と消費者が交流する新しい試みになりそうだ。

 事業主体となるJA掛川市は、直売所「さすが市」(同市弥生町)を全面改装し、来年1月末に「あぐりきっちん」を併設・開業する。教室運営のノウハウやレシピ開発を全国126店で料理教室を展開しているABCクッキングスタジオ(東京)が支援する。

 JA掛川市の松永大吾代表理事組合長は「できるだけ多くの市民に利用してもらい、生産者のつくる思いを感じて、食の豊かさ、農業の重要性、安全・安心を理解してほしい」と語る。毎日通えば1回当たりのレッスン料は200円以下。JAの組合員だと月謝は5千円とさらに安くなる。「通い放題の定額制なので何回でも来て、直売所にも足を運んでほしい」(同組合長)と売り上げ増も期待している。

 一方、チケット制の料理教室を展開してきたABCクッキングスタジオは、新しい店舗運営としてスポーツジムなどで導入されている定額制を検討していたが、「何回でも」という点が採算上の課題となり、直営店やフランチャイズ店での実施をためらってきた。同社の志村なるみ副社長は「新しいビジネスモデルを試行できる」と狙いを語る。

 「あぐりきっちん」は約110平方メートル。厨房(ちゅうぼう)機器やテーブルを備え、30人が同時に学べる。教室の責任者の榛葉映香(しんば・えいこ)JA掛川市営農経済部さすが市係長は「おしゃべりや出会いの場になるように、いろいろなことをやりたい」と抱負を語る。

 「できるだけ地元の食材を使う」と、既にホウレン草、シイタケ、トマトを使ったピザや、野菜のスムージーなど独自メニューを開発済みで、11月から体験レッスンを始めている。

 「さすが市」は約5億円を投じて改装、「あぐりきっちん」のほか、中華総菜やイチゴを使ったジェラートの販売店、掛川茶の専門店「お茶処(どころ)いっぷく」も併設し、来年1月末に全面開業する。3年後の年間売上高は「さすが市」全体で約6億円と、現在の約3億2千万円から倍増を目指す。

 各地の直売所の店舗運営に関わってきたJA三井リースが、JA掛川市とABCクッキングスタジオを仲介した。

(共同通信アグリラボ所長 石井 勇人)

 

(KyodoWeekly11月18日号から転載)

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