「落語の森」絆は深まらない~③

 好評につき(?)、3回目となる、「絆は深まらない」。

 まずこのタイトルを説明させていただく。本来、絆は、家畜をつなぐ綱のことだ。「絆が太い・絆が強い」などの表現が正しいはずであるが、大手マスコミなどがこぞって「深まる絆」「絆深まる」と、平気で使っている。

 綱である以上、どうやっても「絆は深まらない」と思う。ここから筆者が「最近ちょっと気になる言葉」を書かせていただく際のタイトルに「絆は深まらない」を使っている。

  ×   ×   ×

 「~だとうれしいと思います」をよく聞く。そうではなく「~だとうれしいです」と言ってくれると、筆者がうれしくなる!

 「やばい、マジ」は、もう言葉として市民権を得ているのか。

 テレビ局のアナウンサーさんが平気でグルメ番組の中で使ってますものね。「マジ」を初めて聞いたのは、いつごろだったのか、50年以上も前か、立川談志師の「三方一両損」だったと思う。大岡越前守に向かって、金太郎が「冗談じゃねェってのか、マジならこっちから伺うよ」が田舎の中学生には斬新だった。

 新聞などのインタビュー記事で、日本有数の大手企業の社長が「ボク的には…」! せめて「私といたしましては」と言ってもらいたい!

 勤務する会社のことを「ウチ的にはですねェ」というサラリーパーソンもいる。「弊社といたしましては」だろうと思うが、古いでしょうか?

 とにかく政治家の言葉が空虚に聞こえてしょうがない! 「丁寧にご説明」と何度も繰り返すが「丁寧な説明」を受けたことがない。「政府一丸となって」もよく聞くが、一向にそんな風には見えない。「国民目線」も空々しい! 消費税率を10%に引き上げておいて、カードもパソコンも関係ない多くのお年寄りに、何が「キャッシュレスで5%還元」だ! ねェ、ちょっと冷静になります!

 古典落語の中で「結婚したい」「相談したい」などと聞くことがある。せめて「結婚したい」は「所帯を持ちたい、一緒になりたい」に、「相談したい」は「話を聞いてもらいたい」などと言い換えてほしい。ひとことで噺(はなし)がぶち壊しになることがある。

 人間国宝・桂米朝師のマクラ「おやっお出かけでっか、どちらへ?」「へェ、ちょっとそこまで」「さよか、ほなごゆっくり」「なんちゅうええかげんなあいさつや!」が楽しい。

 落語や講談に、狂歌・川柳などいいフレーズがある。書きためたものをいくつか紹介させていただく。

 「春は浮気夏は陽気で秋塞(ふさ)ぎ冬は陰気で暮はまごつき」「貧(ひも)じさと寒さと恋とくらぶれば恥ずかしながら貧じさが先」「貧乏をしてもこの家に風情あり質の流れに借金の山」「元日や今年もあるぞ大晦日」「江戸っ子の生れ損ない金を貯め」「春の花夏の涼みに秋の月めぐり来ったこの冬の雪」「雨ぞ降る黒板塀の細格子」「時に天保十三年吉田の里に夏は近かった」「月は一つ影は二つ」「今、下げたのにまた上がんのかい、頭だからいいけど米なら相場狂うよ」「欲深き人の心と夜の雪積るにつけて道を忘れる」

 長々と紹介しましたが、これで筆者と読者の絆が強まることを期待します!

紫紺亭 圓夢(しこんてい・えんむ)

 

(KyodoWeekly11月4日号から転載) 

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