「口福の源~食料」小豆島のハモを味わう

小豆島の「島鱧」=四海漁協提供

 ハモといえば、川床料理などで供される京都の夏の風物詩である。ただ、ハモの旬は夏ではあるが、夏の産卵後の旺盛な食欲を満たし、冬眠に備えて餌を多くとるため、身が肥え脂が乗ってくるのは晩秋であるという。これに目を付けたのが、香川県小豆島の北西部にある四海漁協(土庄町)。2016年、島の近海で漁獲されるハモ専用の畜養管理施設を設けて、高鮮度・高品質のハモを「小豆島島鱧(しまはも)」のブランド名で出荷し始めた。

 ハモは小骨が多く、調理する前に技術を要する「骨切り」の作業が必要である。これがハモに高級料理のイメージを与えている一つの要因であるともいえる。そこで、四海漁協では、畜養管理施設の整備に併せて、小型・高速ハモ骨切り機を導入した。この機械、高知市にある水産加工機械メーカーの手によるものであるが、ハモやウツボの骨切りに加えて、イカソーメンやアジのタタキなども作れる優れモノであるという。

 さて、小豆島島鱧を名乗るための基準であるが、①小豆島近海で漁獲されたハモであること、②将来の貴重なハモの資源を守るために重量が300グラム以上、2キログラム未満であること、③網スレによる魚体の傷を防ぐ観点から曳網時間が1時間程度の短時間であること、④胃の中の餌を吐かせストレスを抑えるため漁獲後畜養したものであること―の計4点が明記されている。

 2018年度の四海ハモ事業の実績は、活魚共同出荷量が約62トン(前年度比24%増)、水揚げ金額が前年度より約14%増となっている。また、キログラム当たりの活魚出荷分の平均単価は、前年度比約7%上昇している。

 一方、加工事業の実績については、今年5月17日から12月11日までの稼働で、生産量は7360・1キログラムであり、島内や県外の飲食店や加工業者へ販売されている。骨切りハモは、湯引きやお吸い物、しゃぶしゃぶといったオーソドックスな調理法で提供されているが、加工品の目玉であるミンチは、鱧天やハンバーグ、揚げギョーザなどで利用されている。

 小豆島にある土庄町と小豆島町は、岡山県笠岡市(北木島)、香川県丸亀市(本島)とともに、「知ってる!?悠久の時が流れる石の島~海を越え、日本の礎を築いたせとうち備讃(びさん)諸島~」として、5月20日に日本遺産に認定された。

 備讃諸島の花こう岩と採石技術は、長くわが国の建築文化を支え、大坂城の石垣や日本銀行本店本館など重要な建造物群がここから切り出された石で築かれている。「二十四の瞳」、瀬戸内海国立公園「寒霞渓(かんかけい)」、オリーブ公園などに加え、ここ小豆島にも新しい観光のポイントが生まれたことになる。「島鱧」とともに、ぜひ新しい小豆島を味わっていただきたい。

(日本離島センター 専務理事 小島 愛之助)

 

(KyodoWeekly9月30日号から転載)

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