「口福の源~食料」成長続くストロング系

 酒類総市場は長期縮小が続いており、浮上のきっかけがつかめていない。市場規模は2017年度が前年度比0・4%減の3兆5600億円、18年度が同1・4%減の3兆5100億円だったとみられる。

 低迷が続く酒類市場であるが、ハイボール人気が続くウイスキーや低アルコール飲料は、引き続き成長が続いている。特に低アルコール飲料についてはアルコール度数9%前後の「ストロング系」商品を中心に、ビールなどよりも手軽に酔うことができることに加え、経済性の面からも需要が増えており、3年連続2桁台の伸び率で推移するなど成長に衰えは見られない。近年は食中酒としての需要が高まっていることで、食事に合う甘くないドライ系商品が消費者に支持されている。

 またハイボール缶の人気も高まっており、参入各社が強化を図っている。成長カテゴリーであることで新規参入も増えており、18年には清涼飲料大手のコカ・コーラが参入し、19年にはオリオンビールが参入する。

 消費者の好みが多様化していることを受け、クラフトビールに代表される“クラフト”商品が注目を集めている。クラフトビールは大手の基幹ブランドとは異なる風味や味わいが若年層を中心に支持を得ている。醸造技術が向上し、高品質なクラフトビールが続々と登場してきたことに加え、ベルギービールやドイツビールなど、オリジナリティーに富んだビールを楽しむ流れが拡大し、多彩なビールが楽しめるようになったことも後押ししている。

 さまざまなスタイルを持つクラフトビールは、ビールの間口と奥行きを広げる重要なツールとなり得ることから、大手メーカーも注目しており、小売店でも品ぞろえを増やす傾向が見られる。

 近年はクラフトジンが世界的に話題となっており、日本でも個性豊かなボタニカル(植物性)素材を用いた国産クラフトジンが発売されている。国産クラフトジンはベースに焼酎や日本酒を使ったり、ゆずや茶葉などの日本特有の素材を使用したりするなど、日本らしさを前面に出したものも多く、ここ2年余りの間に30銘柄近い国産クラフトジンが発売されている。

 国内消費が低迷する中、酒類メーカーの海外市場開拓の動きが広がっており、18年の酒類の輸出金額は前年比13・4%増の618億2700万円、数量ベースでも3・9%増の17万5495キロリットルと過去最高を更新している。清酒も海外での和食ブームとともに人気が高まっていることで、18年の輸出は金額ベースで前年比19・0%増の222億3200万円、数量ベースで9・6%増の2万5747キロリットルと、10年から9年連続で過去最高を更新し、輸出金額は初めて200億円を突破した。

 近年は観光での来日などをきっかけに日本の食文化に興味を持つ人が増えていることから中国への輸出が増加、2年前の2・5倍の規模に成長している。

(矢野経済研究所 フードサイエンスユニット

主任研究員 幕田 宏明)

 

 (KyodoWeekly7月15日号から転載)

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